本作は、振付家・ダンサーの
演出・振付を担う鈴木は、土佐和紙の本質を「物質的な紙そのものではなく、それを生み出す自然や人、技術などで構成される営みの総体」であると捉え、本作を「土佐和紙という生命の新たな姿」と表現している。
出演者には鈴木のほか、井上貴子、範宙遊泳の
鈴木竜コメント
土佐和紙とは、一体何なのだろうか。
土佐和紙について学び、その深みを知れば知るほど、私には土佐和紙がわからなくなっていく。確かに世間から土佐和紙と呼ばれている物体は存在するが、私にはそこに土佐和紙の本質を見出すことができないのである。
私は、土佐和紙とはひとつの生命なのではないかと考えている。
鴨長明は「方丈記」で「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」と記している。流れる川は絶えることがないが、そこを流れる水は常に新しいものだ。土佐和紙の営みも同様に、時代を超えて綿々と受け継がれ、そこに関わる自然や人は絶え間なく変化を続けている。この1000年にわたる歴史の連続性と、製紙業に従事する様々な人々による紙漉きの営みは、まるで新陳代謝を繰り返しその生命を維持する生き物のように感じられる。この生命性にこそ、土佐和紙の本質は宿るのではないかと私は考える。
私たちが土佐和紙と呼んでいるのは、物質的な紙そのものではなく、それを生み出す土佐の自然や人、技術などで構成される紙漉きの営みの総体ではないだろうか。土佐和紙の営みを、ダンス・音楽・テキストなど身体を媒体とした様々な表現手法により生命体として舞台上に現出させ、土佐和紙の本質を問う本作「いとなむ」は、土佐和紙という生命の新たな姿である。
鈴木竜×棚川寛子「いとなむ」
開催日程・会場
2026年3月13日(金)〜15日(日)
東京都 シアタートラム
スタッフ
出演
井上貴子 /
※65歳以上、24歳以下チケット、障害者割引あり。
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土佐和紙という“1つの生命”を舞台化、鈴木竜×棚川寛子「いとなむ」東京で初上演(コメントあり)
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