阿佐ヶ谷スパイダースの
長塚率いる阿佐ヶ谷スパイダースが2002年に上演した「ポルノ」は、彼らの旗揚げ公演「アジャピートオジョパ」に新たなエピソードを加えてリメイクされた作品。坂の多い町を舞台にした「ポルノ」では、子供ができない若い夫婦、心と身体を傷付け合いながらも別れられない“着ぐるみ役者”とOLのカップル、足をケガした元“着ぐるみ役者”で売り出し中の女優と、その着ぐるみに憑いた妖精、7人が織り成す恋物語が描かれる。
上演決定に際し、長塚は「『ポルノ』は2002年に半蔵門のTOKYOFMホールで上演した作品で、阿佐ヶ谷スパイダースの1996年の旗揚げ公演『アジャピートオジョパ』という作品をリライトしたものです。『ポルノ』というタイトルは若気の至りとも言える21歳で書いた旗揚げ作品を見つめ直して『曝け出す』というような心づもりもあったのかも知れません。ただ骨格以外は全て書き直し、さらに新たなエピソードを2つ加え、3つの物語を繋げた作品となっています。案外気に入っていて、いつかまたやってもいいのかもと思っていましたが、松居大悟さんが手を挙げてくれたので一旦任せることにしました。私の『いつか』は当てにならないから有難い話です。松居さんは以前にも『イヌの日』を演出しました。凶暴な頃の私のロマンチシズムに惹かれるのでしょうか。あの頃の私は随分ロマンチックでした。いずれにしても、恥ずかしいような気持ちも半分抱きつつ、やはり楽しみにしているのです」と期待を語る。
松居は「2002年、高校生の時、福岡のパヴェリアホールで阿佐ヶ谷スパイダース『ポルノ』を母に連れられて見に行った。ドラマでも映画でも漫画でも見ないようなギリギリの正義を振りかざす姿にとことん打ち抜かれ『演劇ってすごいんだ』と震えて、劇場上空から降ってくる劇中の街宣チラシを拾って帰ったことを覚えている。その後、上京して演劇を始めて、東京でも長塚圭史さんの手がける劇は欠かさず見に行って、2005年のPARCO劇場『ラストショウ』はとくに印象に残っている。2008年に劇団を作って、2010年に阿佐ヶ谷スパイダースの所属しているゴーチ・ブラザーズに入った。あの『ポルノ』を作った人たちの場所に憧れていたからだ。そして色々あって演劇を辞めていたが、演劇を再開する第一弾として、2016年に阿佐ヶ谷スパイダース『イヌの日』の演出をした。初恋の子とその友達を15年間防空壕に閉じこめる話だ。あの時からいつか『ポルノ』を手がけるまでは劇を頑張りたい、と思っていた。2026年春、『ポルノ』を演出させていただきます。24年前の衝撃をそのままに皆様に届けたい。少年少女は空からの啓示を、大人たちは背徳的な観劇体験を。楽しみにしてもらえたら嬉しいです」と作品にかける思いを明かした。
チケットの一般販売は来年1月に開始予定。
ポルノ
開催日程・会場
2026年4月
東京都 本多劇場
スタッフ
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ツモロウ🐱 @tsumorou
7人が織り成す恋物語、長塚圭史作「ポルノ」を松居大悟が演出(コメントあり) https://t.co/RB3CFARCgD