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「ウイング再演大博覧會2025」参加作品となる本公演では、コトリ会議の中編作品「あたたたかな北上」と、15分間の短編作品2本を3本立てで上演。コトリ会議の
演出の小濱は「私は、はにかんだ山本くんの言葉が美しいと思う。人間なのかなんなのか、わからない目線から眼差される、ひだまりのような空気が好きだ。人間に対して諦めきれないような、やわらかな手触りの中、紡がれた言葉を、年甲斐もなく、フレッシュな気持ちで、出合い直してみようと思う。諦観を持って眺めてしまう社会情勢の中で、改めて出会い直すことの尊さを、劇場で立ち上げていきます。春風に乗った祈りを、届けるように」とコメントしている。
小濱昭博コメント
実は、私の初演出作品は、山本さんの「桃の花を飾る」である。
2011年3月、私は若手プロデュース企画を立ち上げて、初めての演出作品を上演する予定だったが、震災により幕を上げることなく延期。
その1年後、知り合いが関西へ演劇修行から帰仙。その時に携えていた作品が、「桃の花を飾る」であった。
ほぼほぼ同い年の作家が書いたというその作品が、私にはひどく鮮烈だったのを覚えている。
作品の全貌や狙いをよくわからないままだったと思うが、奥ゆかしい言い回し、そして混沌とした世界観を、とても魅力に感じていた。
その作品の中の歌を、うろ覚えながら思い出す。
「桃の花を飾る私の、祈りは窓辺から飛び立って、その春風に気づくあなたが、世界のどこかにいるのです。」
多分あってる。いや、間違っていてもいい。私の中に、くっきりすっきり、それは残っているのです。
その後、ありがたいことに、山本さんとは一緒にツアーをしたり、コトリ会議さんの仙台公演の時に交流したりと縁が深い。
もうあれから、14年、私も山本さんも、もういい年だ。
私は、はにかんだ山本くんの言葉が美しいと思う。
人間なのかなんなのか、わからない目線から眼差される、ひだまりのような空気が好きだ。
人間に対して諦めきれないような、やわらかな手触りの中、紡がれた言葉を、
年甲斐もなく、フレッシュな気持ちで、出合い直してみようと思う。
諦観を持って眺めてしまう社会情勢の中で、改めて出会い直すことの尊さを、劇場で立ち上げていきます。
春風に乗った祈りを、届けるように。
ウイング再演大博覧會2025参加作品 コトリ会議の小ラボ5回め「新幹線も弾く毛布と愛おしい明け方~空からモグラの穴まで空虚」「小鳥。名前はコネリ。」「あたたたかな北上」3本立て
開催日程・会場
2025年10月3日(金)〜5日(日)
大阪府 ウイングフィールド
スタッフ
出演
青草猫 / 大石丈太郎 / 小濱昭博 / 高瀬川すてら / 高橋義和 /
※U-18チケット、遠方割、障害者割引あり。
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リンク
コトリ会議 @kotorikaigi
演出の小濱さんからのコメント付きです。
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