第69回岸田國士戯曲賞、受賞作は安藤奎「歩かなくても棒に当たる」&笠木泉「海まで100年」

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第69回岸田國士戯曲賞の選考会が本日3月13日に東京・日本出版クラブで行われ、安藤奎「歩かなくても棒に当たる」と笠木泉「海まで100年」が受賞作に選ばれた。

岸田國士戯曲賞は白水社が主催し、一ツ橋綜合財団が後援する戯曲賞。最終候補作品には、「歩かなくても棒に当たる」と「海まで100年」に加え、小野晃太朗「ひとえに」、兼島拓也「花売の縁オン(ザ)ライン」、倉橋真奈美「睡眠遊行」、佐藤二朗そのいのち」、山本正典「おかえりなさせませんなさい」、ユニ・ホン・シャープ「ENCORE - violet」の計8作品が選出されており、市原佐都子上田誠岡田利規タニノクロウ野田秀樹本谷有希子矢内原美邦が選考委員を務めた。

「歩かなくても棒に当たる」について、岡田は「安藤奎氏『歩かなくても棒に当たる』のもつ〈コント的〉ーーという以上に精確な表現を見つけられないのがわれながら不本意でもどかしいのだけれどもーーなおもしろさは、それ以上微分的に分析ができないよね、ゆえに選考会で行われるべきもっともらしい議論が難しいよね……という話が選考会では出た。ほんとにそう! しかし滅法おもしろいのは間違いないこと。そしてエキセントリックな展開を起こしていくための手続きが超絶丁寧というか、盤石すぎる抑え込みというか。その力量は圧巻です」とコメント。「海まで100年」について、矢内原は「『私の海』という問いかけを通して、福島に対する個人的な記憶や感覚が浮かび上がる様子は、まさに詩的な流れを作り出していました。 笠木さんの作品からは、その微妙なうつろいと、過去と現在をつなぐようなふんわりとした時間の流れの印象を受け取ることができました」と評した。

授賞式は5月12日に日本出版クラブで行われ、受賞者には正賞として時計、副賞として各30万円が贈られる。

第69回岸田國士戯曲賞最終候補作品

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おおとも ひさし @tekuriha

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