市村正親・鹿賀丈史は良い“かんじ”!「生きる」開幕に向け、宮本亞門とほのぼのトーク

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Daiwa House presents ミュージカル「生きる」が明日9月7日に東京・新国立劇場 中劇場で開幕。これに先駆け昨日5日、出演者の市村正親鹿賀丈史、演出の宮本亞門の囲み取材が同劇場で行われた。

左から鹿賀丈史、市村正親、

左から鹿賀丈史、市村正親、

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本作は黒澤明監督の映画「生きる」をミュージカル化したもの。2018年に初演、2020年に再演され、今回で3度目の上演となる。今回の上演版では、定年間近にして胃がんで余命宣告された市民課長・渡辺勘治役を、初演から引き続き市村と鹿賀が担う。

笑顔で撮影に応じる宮本亞門(左)、市村正親(中央)、鹿賀丈史(右)。

笑顔で撮影に応じる宮本亞門(左)、市村正親(中央)、鹿賀丈史(右)。[拡大]

宮本は「完成度がどんどん高まっている。初演を観た方には申し訳ありませんが、必ず今回も観てほしい」と出来栄えに自信をのぞかせる。市村は「とにかく1回1回を懸命に“生きる”! それだけです。次どうぞ!」と声を大にしながら鹿賀にコメントを促して報道陣を笑わせる。鹿賀は「オリジナルミュージカルを3回も上演できることがうれしい。亞門さんが『まだあるの!?』というくらい細部にわたって演出してくれました。今回はそれだけ濃く、深い舞台になっていると思う」と笑顔を浮かべた。

Daiwa House presents ミュージカル「生きる」舞台稽古より。(撮影:引地信彦)

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宮本はコロナ禍の最中に前回公演が行われたことに触れながら「コロナが収束しつつある状態で、『次にどう生きるか?』『本気で生きているか?』と力強く問う作品になった。僕自身、演出していても、迷いを感じている人に勇気とヒントを与えてくれる物語だと感じます」とコメントする。「過去公演と比べて気持ちの違いはあるか?」と記者に尋ねられた市村は「今回は勘治が、いろいろなものに憤りを感じているという演出が足された。彼なりの怒りの感情も少し出せたら」と回答。鹿賀は「5年前の初演の写真を見たら、自分が若かった(笑)。勘治は60歳の役ですが、1952年の60歳と、2023年に70歳過ぎの僕は、同じような感じなのかなと思いましたね」と述べる。これを聞いた市村は即座に「良い“かんじ”ってことでね!」とだじゃれを繰り出し、鹿賀を笑わせた。

Daiwa House presents ミュージカル「生きる」舞台稽古より。(撮影:引地信彦)

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会見では、市村と鹿賀がさらに仲むつまじい姿を見せる場面も。市村が「丈史は理想の上司という雰囲気がありますよね。“市民課の課長”というより“市民課の重役”というか」と話すと、鹿賀は「まるでミスキャストみたいな言い方じゃない!」とツッコんで記者を笑いに包む。2人は基本的に、互いの演技を観ないという。鹿賀は「(市村とは)50年の付き合いだし、同じ台本で同じ曲を歌うから彼がどう演じるかは想像がつきます。それに彼は『その手があったか!』というお芝居をする人ですから(笑)、僕は自分なりの勘治を演じるために観ないようにしています」と語る。これを聞いた市村は「でも実は今回僕、こっそり(鹿賀の演技を)観ていろいろ盗んでいますよ」と続け、会見場を笑いで包んだ。

「お二人も笑顔ですか!?」と、市村正親(中央)、鹿賀丈史(右)の表情をチェックする宮本亞門(左)。

「お二人も笑顔ですか!?」と、市村正親(中央)、鹿賀丈史(右)の表情をチェックする宮本亞門(左)。[拡大]

宮本は楽しそうな市村と鹿賀を眺めつつ「お二人は僕に『もっと演出を付けて!』と正直うるさいんですよ!(笑) 演出家としては大変ですが、お二人の尋常ならざる向上心は本当にすごい」と言い、「『生きる』にヒーローはいません。あくまで普通の人たちの物語ですが、それだけに心に響く作品になっていると思います」「がんの話題もありますが全然悲しくありません。希望しかないお話ですので、ぜひ劇場で体感して」と観客にメッセージを送った。

Daiwa House presents ミュージカル「生きる」舞台稽古より。(撮影:引地信彦)

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Daiwa House presents ミュージカル「生きる」舞台稽古より。(撮影:引地信彦)

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最後に鹿賀と市村があいさつする。鹿賀は「2023年のこの時代になぜ『生きる』を上演するのか?ということを念頭に置いて演じられたら」と真摯な表情で述べた。また市村は「黒澤明監督の映画『生きる』を宮本亞門さんが舞台化し、ブロードウェイのジェイソン・ハウランドさんが素晴らしい音楽を作ってくれました。なおかつ2人の名優が演じるこの『生きる』、観なかったら“生きた”ことになりません!」とちゃめっ気たっぷりにコメント。宮本の「そういう結論ですか!?」というツッコミに笑いつつ、市村は「だからあなたも観においで。待ってるぞ!」と結んだ。

上演時間は、休憩ありの約2時間30分。東京公演は明日9月7日から24日まで行われ、その後は29日から10月1日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演される。

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Daiwa House presents ミュージカル「生きる」

2023年9月7日(木)~24日(日)
東京都 新国立劇場 中劇場

2023年9月29日(金)~10月1日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

原作:黒澤明監督作品「生きる」(脚本:黒澤明、橋本忍、小國英雄)
作曲・編曲:ジェイソン・ハウランド
脚本・歌詞:高橋知伽江
演出:宮本亞門

出演

渡辺勘治:市村正親鹿賀丈史

渡辺光男:村井良大
小説家:平方元基上原理生
小田切とよ:高野菜々
渡辺一枝:実咲凜音
組長:福井晶一
助役:鶴見辰吾

佐藤誓
重田千穂子
田村良太

治田敦内田紳一郎、鎌田誠樹、齋藤桐人高木裕和松原剛志森山大輔 / あべこ、彩橋みゆ、飯野めぐみ、五十嵐可絵、河合篤子、隼海惺、原広実、森加織
スウィング:齋藤信吾、 大倉杏菜
安立悠佑、高橋勝典

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読者の反応

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宮本亞門 @amonmiyamoto

9/7本日、「生きる」初日です!
【会見レポート】市村正親・鹿賀丈史は良い“かんじ”!「生きる」開幕に向け、宮本亞門とほのぼのトーク https://t.co/Q8cb9n5sMb

#市村正親 #鹿賀丈史 #宮本亞門 #黒澤明 #ミュージカル生きる

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