これからはカラオケも怖くない！花總まり・瀬奈じゅんらが「SUNNY」に意気込み

ミュージカル「SUNNY」の制作発表記者会見が、本日6月14日に東京都内で行われた。

本作は2011年に韓国で製作された人気映画「サニー 永遠の仲間たち」をもとにしたミュージカル作品。同作はその後、アジア各地でリメイク版の映画やドラマが製作され、日本でも2018年に「SUNNY 強い気持ち・強い愛」が公開された。世界初の舞台化となる今作では、西田征史が脚本・演出、“バブリーダンス”で知られるakaneが振付を担当。劇中では、1980年代に青春を謳歌した仲良しグループ・SUNNYの高校時代と、大人になった姿が描かれる。

会見は出演者のパフォーマンスでスタートした。報道陣と一般オーディエンスが見守る中、ステージにはまず奈美役の花總まり、千夏役の瀬奈じゅん、みどり役の小林綾子、桜役の馬場園梓、好恵役の佐藤仁美が姿を現し、原作映画にも登場した劇中歌「SUNNY」を歌唱。続いては高校時代の奈美役・渡邉美穂、同じく高校時代の千夏役・須藤茉麻ら、11名のキャストが「ダンシング・ヒーロー」をパワフルに歌い踊り、会場を盛り上げた。

その後は出演者の花總、瀬奈、小林、馬場園、佐藤、渡邉、須藤、片桐仁、そして脚本・演出の西田が改めて登壇し、それぞれに思いを口にした。西田は「映画のテンポをそのままに、舞台で2つの時代を描くために試行錯誤しています。それぞれの世代のSUNNYメンバーの空気がとても良いので、皆さんのチームワークを見せられたら」と語る。

花總演じる奈美は、SUNNYの再集結のために奔走する平凡な主婦。花總は「奈美は物語を引っ張る役。こんなに出ずっぱりの舞台は初めてかもしれません」と言い、ジュークボックスミュージカルという形式については「懐かしいナンバーもありますし、楽しくノれる曲もあります。音楽がスパイスになっていてとても良いなと思います」と述べた。

瀬奈演じる千夏は、SUNNYのリーダーで現在は大病を患っている役どころ。瀬奈は「花總さんとは反対に、こんなにじっとしている役は初めて」と笑い、「通常のミュージカルだと歌詞を間違えると一巻の終わり！ということが多いです。でも今回は多少間違えてもストーリーに大きく影響しないから、プレッシャーなく歌えそうで……」と話すと、西田がすかさず「予防線張ってます!?」とツッコミを入れ、座組の仲むつまじさをうかがわせた。

小林は「やんちゃな高校生からセレブマダムに変身したみどりは、とにかく口が悪い（笑）。罵り言葉のセリフに悪戦苦闘しています」と苦労を語りつつ、「ドラマ『おしん』に出ていた10歳の自分に、『40年経ったらヒョウ柄だよ』『こういう役もできるようになるよ』と教えてあげたいですね！」と自分の衣裳を示し、会場を笑いで包んだ。

馬場園は「食いしん坊でパワフルな桜を理解するために、毎朝ご飯を2合炊いて、稽古に特大の握り飯を3個持っていきます。でも午後3時にはもう腹ぺこで！ そのくらい目まぐるしくて躍動感あふれる役柄ですが、全力でやっていきたいです」と気合十分にコメント。

佐藤演じる好恵は、裕福な家庭で育ちながら現在は生活苦にある人物。佐藤は「皆さんの汚い言葉がへたくそで……（笑）。子供たちが『うるせえな！』と可愛く言っているところに『うるっせえな！って（巻き舌で）言ってみて』と声をかけたりしています」とエピソードを明かし、「懐かしさを感じたり、自分が育った環境を思い出して共感したりするところがたくさんあると思うので、ぜひ注目してほしい」とメッセージを送った。

渡邉は「高校生の奈美は内気ですが、劇中で成長していく姿が見られるはず。私も高校時代を取り戻すような気持ちで、稽古を楽しんでいます。力を合わせて素敵な舞台にしたい」と意気込む。須藤も「千夏はカリスマ性があり、SUNNYの原動力のような人。瀬奈さんと『（高校生の千夏と大人の千夏の）癖が一緒だったら良いね』と、いろいろ考えながら役作りしています。キラキラした高校生のSUNNYチームと、いろいろな事情で“闇”を抱える大人SUNNYチームの対比を見せられたら」とコメントした。

片桐は、劇中で8役を演じ分ける。片桐は「出演者20人中、男性は井阪郁巳くんと僕だけ。『いろいろなおじさんが出てきたと思ったら、1人だったんだ！』とお客様に言ってもらえたらうれしいですね」と抱負を述べた。

会見ではジュークボックスミュージカルにちなみ、キャストたちが好きなアーティストや音楽を明かす場面も。須藤は「ハロプロで活動していたので、モーニング娘。さんの曲をよく聴いていました」と回答し、渡邉は「1人カラオケでは、自分で合いの手も入れながら『夢をかなえてドラえもん』を歌っています！」と笑いを誘う。

瀬奈は「サザンオールスターズが好きです。カラオケでよく歌うのは中村あゆみさんの『翼の折れたエンジェル』ですね。いつかみんなでカラオケに行きましょう！」と共演者に呼びかける。また松田聖子の楽曲をよく聴いているという花總は「実はカラオケで歌えるような曲はあまり知らなくて。でも『SUNNY』の劇中歌のおかげでレパートリーが増えるので、これからはカラオケも怖くないぞ！と思います」と観客を和ませた。

さらに記者から「青春時代の自分に伝えたいことは？」と尋ねられると、瀬奈は「今が青春です！」と前置きしつつ「宝塚時代の私には『生き急がなくて良いんだよ』『肩の力抜いて』と言いたいですね（笑）」と答える。花總も「振り返っても十代って良いなあと思いますね。当時の私には『精一杯汗を流して、“アオハル”を満喫して！』と伝えたいです」と微笑んだ。

公演は6月26日から7月5日まで東京・東京建物 Brillia HALL（豊島区立芸術文化劇場）、9日から13日まで大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで行われる。