片岡仁左衛門が知盛演じ納め、尾上菊之助＆丑之助の親子共演など「二月大歌舞伎」開幕

去る2月1日に、東京・歌舞伎座で「二月大歌舞伎」が開幕した。

「二月大歌舞伎」では第1部に真山青果作の「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」、能の演目をもとにした獅子物の舞踊「石橋」を上演。第2部には、仇討ちの物語に七草の行事が織り交ぜられた舞踊「春調娘七種」、歌舞伎三大名作の1つ「義経千本桜」より「渡海屋・大物浦」が上演される。「渡海屋・大物浦」では渡海屋銀平実は新中納言知盛を片岡仁左衛門が演じ納める。舞台上では、仁左衛門が役への決意と覚悟を感じさせる気迫ある演技で観客を魅了した。

さらに第3部には中村雀右衛門と、当面の間休演する中村芝翫に代わり坂東彦三郎が舞う「鬼次拍子舞」が披露された（4日より坂東彦三郎の代役で坂東亀蔵が出演）。そのほか、稲葉幸蔵を初役で勤める尾上菊之助と、蜆売り三吉を演じる尾上丑之助が、97年ぶりの親子の配役で登場する「鼠小僧次郎吉」を上演。「鼠小僧次郎吉」では登場人物たちのつながりが徐々に明らかになる様子が、心温まる人情ドラマとして立ち上げられた。公演は2月25日まで。

なお、ステージナタリーでは「二月大歌舞伎」の特集を展開中。第3部「鼠小紋春着雛形 鼠小僧次郎吉」で稲葉幸蔵を勤める尾上菊之助が、作品や役について語っている。