福士蒼汰&宮野真守が早くも最高のバディぶり、2年ぶりのいのうえ歌舞伎「神州無頼街」

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2022年劇団☆新感線 42周年興行・春公演 いのうえ歌舞伎「神州無頼街」製作発表が、本日1月25日に劇団☆新感線公式YouTubeにてライブ配信され、会見には演出のいのうえひでのりと、出演者の福士蒼汰松雪泰子高嶋政宏宮野真守が登壇した。

2022年劇団☆新感線 42周年興行・春公演 いのうえ歌舞伎「神州無頼街」製作発表の様子。(撮影:田中亜紀)

2022年劇団☆新感線 42周年興行・春公演 いのうえ歌舞伎「神州無頼街」製作発表の様子。(撮影:田中亜紀)

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中島かずきが作、いのうえが演出を担う「神州無頼街」は、当初、2020年9・10月に上演予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止に。今回の公演では中止公演と同様、主人公の若き町医者・秋津永流役を福士、秋津とバディを組む陽気でお調子者の口出し屋・草臥役を宮野、身堂麗波役を松雪、その夫で侠客の身堂蛇蝎役を高嶋が演じる。

いのうえひでのり(撮影:田中亜紀)

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会見には中島も登壇予定だったが、新型コロナウイルスに罹患したため急遽欠席。会見では中島のメッセージが読み上げられた。中島は「時代伝奇小説への挑戦、が自分のテーマでした。大正から昭和にかけて活躍した国枝史郎の『神州纐纈城』という傑作時代伝奇小説があります。この作品へのオマージュがこの作品です」と説明。「大きな歴史の流れとその裏で交錯する怪しき人たちの宿病、そこに若い人たちの活劇青春譚の要素を加えて今の人たちにも面白いと思ってもらえる作品にしたいと思いました」と言う。また「蛮幽鬼」や「シレンとラギ」で描かれた“ローラン族”の物語でもあると続け「人殺しを生業とする人たちの新しい物語です。ぜひ楽しみにしていただけたら」と期待を煽った。

福士蒼汰(撮影:田中亜紀)

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いのうえはその中島のメッセージを受けて「この『神州無頼街』は、かずきさんにとっても新感線にとっても初めてとなる、幕末の侠客たちの闘いを描いた作品です。ただ、ヤクザを描いてはいるけれどもっといろいろな、魑魅魍魎が跋扈するような不思議な作品になると思います」と見どころを述べる。また「この2年の鬱憤を吐き出すつもりで(笑)、音楽の側面も盛り込まれたロック芝居、時代活劇になっていると思います。本当は2年前にやりたかった芝居ですが、2年延期してもほぼ同じメンツで上演できることは、奇跡に近いかもしれません。演劇の神様が『やれよ』と言ってくれたような気がしています」と自信をのぞかせた。

松雪泰子(撮影:田中亜紀)

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福士は「コロナ禍で一度は中止となり、悔しい思いをしました。でも延期公演でこのメンツがそろうことができてうれしいですし、2年を経たことで、2年前にはできなかったことが今回、お見せできると思います」と笑顔を見せた。

高嶋政宏(撮影:田中亜紀)

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松雪は「2年越しで稽古場に立ち、皆さんとお稽古させていただいているのが喜びでしかなくて。この2年、貯めてきた思いがこの作品で爆発的に広がっていくんだと実感があります。曲も本当に素敵で、聴いていてもワクワクしますし、私は新感線さんで初の悪役で、しかも秘密がいっぱいの役ですので(笑)、思い切り楽しみたいと思います」とほほ笑む。

宮野真守(撮影:田中亜紀)

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そんな松雪と夫婦役の高嶋は「もう本当に、よろしくお願いします!」と松雪に笑顔を向けつつ、「新感線は20・30年前から観ていまして、新感線に出るのが夢だったんですよ」と熱く思いを語る。そして「あまりにうれしくって、稽古場でいのうえさんが動きをつけてくださる間、ずっといのうえさんの背後にくっついていました(笑)」と喜びを表現した。

見つめ合う宮野真守(左)と福士蒼汰(右)。(撮影:田中亜紀)

見つめ合う宮野真守(左)と福士蒼汰(右)。(撮影:田中亜紀)[拡大]

宮野は「念願の福士くんとの“初共演”になります。『髑髏城の七人 Season月』ではずっと一緒の作品に出てはいましたが、Wチームだったので同じステージには立てなくて。また、“演劇を止めない”気持ちで出演した昨年の『浦島さん』『カチカチ山』は、同じ思いを持ちつつも別の作品だったので……今回ようやく共演できます!」と喜びをアピール。さらに「『神州無頼街』は、かずきさんが僕らに当て書きしてくれた役というのがありがたくて。僕は“口出し屋”という役どころですが、声優を生業にしている中で、声や歌の部分で物語に介入していける役にしていただいたので、存分にパフォーマンスしたいなと思っています」と話す。いのうえが「『髑髏城』を観たお客さんから、『何でマモに歌わせないんだ』という声があったので(笑)」と明かすと、宮野は「今回は歌も楽しんでいただけるのでは」と笑顔を見せた。

2022年劇団☆新感線 42周年興行・春公演 いのうえ歌舞伎「神州無頼街」製作発表の様子。(撮影:田中亜紀)

2022年劇団☆新感線 42周年興行・春公演 いのうえ歌舞伎「神州無頼街」製作発表の様子。(撮影:田中亜紀)[拡大]

質疑応答の時間では、記者からいのうえに、舞台での福士の魅力について質問が寄せられた。いのうえは「映像でもアクションをやっているとは思いますが、生のキレは全然違うものだと思います。福士くんは本当に研究熱心で、『その動きに、ちょっと色気を』というような高度なダメ出しにもうれしそうに応じるんです(笑)」と稽古の様子を明かす。そんな福士の魅力について宮野も「本当にまっすぐで、そのまっすぐさ、ピュアさが役にもぴったり。……ただ、おとなしく見えますが、実はこんないたずらっ子はいないというくらいで(笑)、常に僕にちょっかいを出してくるんですよ。そんなお茶目なところも、今回の福士くんの役に反映されるのでは」と“バディ”ならではの、愛ある目線で語った。

対する福士は、宮野の魅力について「包容力があって優しいところ」と即答。「人間らしいところもありつつ、でもこれほどサービス精神が旺盛な人がいるんだなって……」とさらに宮野の魅力を語ろうとすると、松雪は「愛し合ってるんですねえ、素敵です」と静かに微笑み、会場が笑いに包まれた。

公演は、3月17日から29日まで大阪・オリックス劇場、4月9日から12日まで静岡・富士市文化会館ロゼシアター 大ホール、26日から5月28日まで東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)にて。劇団☆新感線が静岡県で公演を行うのは今回が初めて。チケットの一般販売は大阪公演と静岡公演が1月30日10:00、東京公演は3月5日10:00にスタート。

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2022年劇団☆新感線 42周年興行・春公演 いのうえ歌舞伎「神州無頼街」

2022年3月17日(木)~29日(火)
大阪府 オリックス劇場

2022年4月9日(土)~12日(火)
静岡県 富士市文化会館ロゼシアター 大ホール

2022年4月26日(火)~5月28日(土)
東京都 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:福士蒼汰 / 松雪泰子高嶋政宏 / 粟根まこと、木村了、清水葉月 / 宮野真守 / 右近健一、河野まさと、逆木圭一郎、村木よし子、インディ高橋、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ、村木仁、川原正嗣、武田浩二 / 藤家剛、川島弘之、工藤孝裕、菊地雄人、あきつ来野良、藤田修平、北川裕貴、下島一成、鈴木智久、山崎翔太、米花剛史、渡部又吁、小板奈央美、後藤祐香、鈴木奈苗、森加織

※高嶋政宏の「高」ははしご高、山崎翔太の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

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