尾上菊五郎が勘平の悲劇、中村歌六が毒酒飲む猛将演じる「五月大歌舞伎」開幕

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「五月大歌舞伎」が、昨日5月12日に東京・歌舞伎座で開幕した。

緊急事態宣言を受け、初日が3日から12日に変更になった「五月大歌舞伎」の第1部は、尾上右近がお嬢吉三、中村隼人がお坊吉三、坂東巳之助が和尚吉三を勤める「三人吉三巴白浪」で幕開けした。本作には右近、隼人、巳之助に加えて、夜鷹おとせ役の中村莟玉も出演し、若手によるエネルギッシュな舞台が繰り広げられた。舞踊劇「土蜘」では、源頼光と、その命を狙う土蜘の精の物語が描かれる。尾上松緑が叡山の僧智籌実は土蜘の精、坂東亀蔵が平井保昌、市川猿之助が源頼光を演じるほか、智籌の正体にいち早く感付く太刀持音若を、寺嶋眞秀が勤める。

第2部では「仮名手本忠臣蔵」が上演される。「道行旅路の花聟」では早野勘平役の中村錦之助と、おかる役の中村梅枝が、春景色の中、命を絶とうとする勘平とそれを引き止めるおかるの道行きを舞い踊る。六段目「与市兵衛内勘平腹切の場」では、舅を殺してしまったと思い込む勘平の悲劇が展開。出演者には、勘平役の尾上菊五郎、おかる役の中村時蔵、千崎弥五郎役の中村又五郎、判人源六役の市村橘太郎、母おかや役の中村東蔵、一文字屋お才役の中村魁春、不破数右衛門役の市川左團次が名を連ねた。

第3部では「八陣守護城 湖水御座船」と舞踊「春興鏡獅子」が披露される。「八陣守護城 湖水御座船」は、主君を守るために毒酒を飲んだ猛将・加藤清正をモチーフにした作品。本作では、中村歌六が療養中の中村吉右衛門に代わり佐藤正清(加藤清正)を勤め、毒酒を口にしても顔色を変えない正清を毅然とした芝居で演じる。このほか轟軍次役の中村種之助、鞠川玄蕃役の中村吉之丞、雛衣役の中村雀右衛門が出演。江戸城の大奥を舞台にした「春興鏡獅子」では、尾上菊之助が小姓弥生と獅子の精を踊り分ける。さらに胡蝶の精を勤める尾上丑之助と坂東亀三郎が、愛らしい舞で魅せた。公演は5月28日まで。

「五月大歌舞伎」

2021年5月12日(水)~28日(金)
東京都 歌舞伎座

第1部

一、「三人吉三巴白浪 大川端庚申塚の場」

作:河竹黙阿弥

出演
お嬢吉三:尾上右近
お坊吉三:中村隼人
夜鷹おとせ:中村莟玉
和尚吉三:坂東巳之助

ニ、新古演劇十種の内 土蜘

作:河竹黙阿弥

出演
叡山の僧智籌実は土蜘の精:尾上松緑
平井保昌:坂東亀蔵
渡辺源次綱:中村福之助
坂田公時:中村鷹之資
碓井貞光:尾上左近
ト部季武:市川弘太郎
太刀持音若:寺嶋眞秀
侍女胡蝶:坂東新悟
源頼光:市川猿之助

第2部

「仮名手本忠臣蔵」
浄瑠璃 道行旅路の花聟

出演
早野勘平:中村錦之助
鷺坂伴内:中村萬太郎
腰元おかる:中村梅枝

六段目 与市兵衛内勘平腹切の場

出演
早野勘平:尾上菊五郎
女房おかる:中村時蔵
千崎弥五郎:中村又五郎
判人源六:市村橘太郎
母おかや:中村東蔵
一文字屋お才:中村魁春
不破数右衛門:市川左團次

第3部

一、「八陣守護城 湖水御座船」

作:中村漁岸
補綴:松貫四

出演
佐藤正清:中村歌六
轟軍次:中村種之助
鞠川玄蕃:中村吉之丞
雛衣:中村雀右衛門

ニ、「新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子」

作:福地桜痴

出演
小姓弥生 / 獅子の精:尾上菊之助
用人関口十太夫:坂東彦三郎
局吉野:中村米吉
胡蝶の精:坂東亀三郎
胡蝶の精:尾上丑之助
老女飛鳥井:市村萬次郎
家老渋井五左衛門:坂東楽善

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