劇団民藝とこまつ座による初の提携公演となる今回は、1991年に水谷八重子十三回忌追善・新派特別公演として初演された井上ひさしの戯曲「ある八重子物語」を上演。神田川が隅田川へと流れこみ、花街として栄えた柳橋。舞台は、1941年から敗戦直後の1946年にかけての柳橋・古橋医院。ここに集う人々は、水谷八重子に心酔する古橋院長(
これまでにも劇団民藝の作品に出演経験があり、今回初めて井上の作品に挑む篠田は「どうぞ客席で楽しく笑って、そして根底に流れる作者の思いを感じていただき、お客様に元気をお届けできたら嬉しいです」とコメント。「頭痛肩こり樋口一葉」「シャンハイムーン」といった井上の作品に出演してきた有森は「作品は昭和の過渡期を描いていますが、コロナ禍に揺れる今もまさに時代の過渡期といえるかもしれません。その空気を共有しながら、観に来て下さる皆さんと一緒にひとつの世界を創っていきたいと思います」と意気込みを述べた。篠田、有森のコメント全文と、劇団民藝の
篠田三郎コメント
お芝居から元気や希望をもらうのは、素敵なことですね。ましてや戦中、戦後と激動の時代。水谷八重子の新派劇を心の支えに生きた古橋医院の人々は、なんて健気で逞しいのでしょう。私は、古橋院長先生役ですが、あまり立派すぎないように演じたい。もちろん背筋がピンと伸びたところは大事にしたいですね。いつもながら刺激に満ちた民藝の稽古場で、初出演で心躍る井上作品の稽古。どうぞ客席で楽しく笑って、そして根底に流れる作者の思いを感じていただき、お客様に元気をお届けできたら嬉しいです。
有森也実コメント
初めて出演する民藝の舞台。読み稽古にたっぷり時間をかけるのは、嬉しいですね。言葉を大切にする井上作品ですからなおさらです。私の演じる花代は、心に重荷を背負うかのように柳橋芸者となり、ふた親と妹弟たち家族を支えて頑張って生きています。そんな姿を魅力的に演じたいですね。作品は昭和の過渡期を描いていますが、コロナ禍に揺れる今もまさに時代の過渡期といえるかもしれません。その空気を共有しながら、観に来て下さる皆さんと一緒にひとつの世界を創っていきたいと思います。
日色ともゑコメント
井上作品への出演は初めてで本当に嬉しいばかりです。けっして声高には反戦を叫ばないところに民藝の芝居と相通じるものを感じます。作品の舞台は、あの大空襲を前後しての柳橋です。芸者さんの世界には詳しくないけれど日本橋蛎殻町で生まれ育った私にとって三味線の音は、子供ごころに親しんだ懐かしい音色。さて、こんなご時世ですが嘆いてばかりは、私の好みではありません。篠田さん、有森さんをお迎えして、年の瀬を彩る楽しい舞台をお届けしたいですね。
劇団民藝・こまつ座公演「ある八重子物語」
2020年12月18日(金)~27日(日)
東京都 東京芸術劇場シアターイースト
作:井上ひさし
演出:丹野郁弓
出演:
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