「すごい時間を過ごしている」、栗山民也×鈴木杏「殺意 ストリップショウ」開幕

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「殺意 ストリップショウ」が、7月11日に東京・シアタートラムで開幕した。

「殺意 ストリップショウ」より。(撮影:細野晋司)

「殺意 ストリップショウ」より。(撮影:細野晋司)

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「殺意 ストリップショウ」より。(撮影:細野晋司)

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本作は、三好十郎作の「殺意 ストリップショウ」を、栗山民也の演出、鈴木杏の出演で立ち上げる一人芝居。フィナーレを終えた高級ナイトクラブのソロダンサー・緑川美沙は、客に自身の数奇な人生を語り始める。戦前、九州に生まれた美沙は、左翼運動に熱中したのち、病床に伏す兄の意志を継いで上京し、兄が尊敬していた社会学者・山田のもとに身を寄せた。美沙自身も彼の思想に傾倒して熱心に活動するが、戦況が激しさを増す中で山田は転向。戦争が終わり、抜け殻のようになった美沙は山田と再会するが……。

「殺意 ストリップショウ」より。(撮影:細野晋司)

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「殺意 ストリップショウ」より。(撮影:細野晋司)

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初日を終えた栗山は、本作について「この作品は、わからないからこそ素直に実直に、何度も『問い』を続ける一人の女の物語なのですが、敗戦後のどす黒く荒涼とした時代のなかでも、そこに何の嘘もなければ騙しもありません。それだけでも、この女の叫びやささやきは、この罪深い嘘だらけの現在に強く響くでしょう」と話す。また鈴木は「今は私の役者人生の中でも、個人の人生の中でも、ターニングポイントのひとつになるであろう、すごい時間を過ごしていると思います。そういう時期に今いるんだろうなという気がするくらい、特別な時間です」と手応えを語り、「毎日ちゃんと発見していけるように、毎日違っても良いから、毎日新鮮に、鮮度も熱量も保っていけたら良いなと思っています」と意気込みを述べた。

「殺意 ストリップショウ」より。(撮影:細野晋司)

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上演時間は休憩なしの約2時間で、公演は7月26日まで。なお新型コロナウイルス感染予防のため、サーモグラフィーによる検温、消毒液の設置、ロビーのテーブル、椅子、ゴミ箱などの撤去、チケットの半券を来場者自身が切り取るなどの対策がとられるほか、当日券の販売は行われない。

栗山民也コメント

「私にはわからない」「これは、何だ!わからない」「だから私にはスッカリわかって、何にも、わからない」。これは劇中のいくつかのセリフなのですが、こういう言葉が深く頭から離れません。「わからない」とはっきり言葉に出す、その何と素敵な瞬間か。

この作品は、わからないからこそ素直に実直に、何度も「問い」を続ける一人の女の物語なのですが、敗戦後のどす黒く荒涼とした時代のなかでも、そこに何の嘘もなければ騙しもありません。それだけでも、この女の叫びやささやきは、この罪深い嘘だらけの現在に強く響くでしょう。パンデミック後の先の全く見えない今に、この物語のいろんな断片が妙にダブって見えてくるのです。

不要不急のものとして文化芸術が話題になりましたが、人間や世界の今を見つめるために、それがわたしたちを支えていることを証明したいと思います。

鈴木杏コメント

何よりも無事に初日の幕が開いた事と、劇場が再スタートできた事をとても嬉しく思います。このまま千秋楽まで無事に幕が上がり続ける事をとにかく祈っています。

「殺意 ストリップショウ」は言葉によって色々な気持ちを引き出させる戯曲で、身と心を委ねていれば、自分の見た事のない景色を見せてもらえたり、抱いた事のない気持ちを抱かせてもらえる戯曲だと思います。後半は体力との勝負ですから、必死で戯曲にしがみついて走っている感じです。

今は私の役者人生の中でも、個人の人生の中でも、ターニングポイントのひとつになるであろう、すごい時間を過ごしていると思います。そういう時期に今いるんだろうなという気がするくらい、特別な時間です。

残り13公演、毎日ちゃんと発見していけるように、毎日違っても良いから、毎日新鮮に、鮮度も熱量も保っていけたら良いなと思っています。最後まで無事に駆け抜けられるように頑張ります。

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「殺意 ストリップショウ」

2020年7月11日(土)~26日(日)
東京都 シアタートラム

作:三好十郎
演出:栗山民也
出演:鈴木杏

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