7月に上演される「殺意 ストリップショウ」のメインビジュアルと公演詳細が発表された。
本作は、三好十郎作の「殺意 ストリップショウ」を
本作の劇中では、高級ナイトクラブのステージでフィナーレを終えたショーダンサー・緑川美沙が、観客に向け、自身の数奇な人生について語り出す。南の国の小さな城下町に生まれた美沙は、日華事変、二・二六事件の直後、兄の勧めで東京に出向き、左翼の社会学者・山田先生のもとに身を寄せる。そこで美沙は、先生の弟である徹男と運命的に出会い……。
上演に向け、栗山は「時代の流れによって動かされた戦後思想の、その不条理なあり方に向き合った一人の女の全身をかけたドラマ『殺意』を、今どうしても人の心の壊れた時代に上演したいと思うのです。モノローグという劇形式をとることによって、より心の奥底に澱んでいた隠された気持ちが、一つひとつ生命力としての『声』になって響いてくるのです。その強い叫びのような三好さんの『声』を、今、聞きたいと願うのです」とコメント。
鈴木は「信頼してやまない栗山民也さんが、とてつもないハードルを与えてくださいました。やらせてください、としか言えませんでした。あまりに大きな壁に今はただ震えるばかりですが、三好十郎さんの美しい台詞の海を泳げることは、役者としてこの上ない幸運なことだと思っています」と思いを述べた。
公演は7月11日から26日まで東京・シアタートラムにて。チケットの一般販売は5月17日にスタート。
栗山民也コメント
三好十郎の「声」
「三好十郎の仕事」(學藝書林刊)という四巻本を大学の通りの古本屋で見つけ何度も手に取るのですが、当時の学生の身では高額でとても届かず、だけどどうしても欲しいという気持ちでいっぱいになり、全てを削って買い求めたときのことが、今でも記憶の中に熱く残っています。
そしてこの四巻本の世界のなかを夢中でさまよい、人間の生命力、業、女性の確かさ、そして人間の無数の声、欲望、甘え、ずるさ、醜さ、美しさなど、とにかくありとあらゆる人間の感情の姿に、出会えた気がします。
時代の流れによって動かされた戦後思想の、その不条理なあり方に向き合った一人の女の全身をかけたドラマ「殺意」を、今どうしても人の心の壊れた時代に上演したいと思うのです。モノローグという劇形式をとることによって、より心の奥底に澱んでいた隠された気持ちが、一つひとつ生命力としての「声」になって響いてくるのです。その強い叫びのような三好さんの「声」を、今、聞きたいと願うのです。
「けだものだと思はうではないか、そしてもう一度、自分たちの姿を見直そうではないか。」
これは私の昔のノートに書き写された、三好さんの「貧乏の歌」という詩のなかの一説です。
鈴木杏コメント
信頼してやまない栗山民也さんが、
とてつもないハードルを与えてくださいました。
やらせてください、としか言えませんでした。
あまりに大きな壁に今はただ震えるばかりですが、三好十郎さんの美しい台詞の海を泳げることは、役者としてこの上ない幸運なことだと思っています。
「殺意」という素晴らしい戯曲を演じるには頼りない器ではありますが、
いままでの自分、
いまの自分、
これからの自分、
全部を余すことなく使って、挑みたいです。
劇場で目撃していただけたら幸いです。
お待ちしています。
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