「
「大地の子」(文藝春秋)は、1987年から「月刊文藝春秋」で連載された山崎豊子の小説。作中では、戦争孤児となったのち中国人教師に拾われ、中国人として育てられた陸一心の半生が描かれる。舞台版では、脚本を
囲み取材に出席した陸一心(松本勝男)役の井上は「演出の栗山さんが『足腰が強い作品にしたい』とおっしゃっていて、何度も通し稽古をくり返しました。山崎先生が約10年かけて書き上げた渾身の作品を、しっかりとお客様に届けたいです」と意欲を見せる。陸一心の実妹・張玉花(あつ子)役の奈緒は、2月25日に行われたゲネプロを振り返り、「約350名の方が観劇してくださったのですが、私たちが発する言葉を誰かが真正面から受け取ってくださるというのは、奇跡のような出来事なんだと改めて感じました。ゲネプロを経て、“新しい『大地の子』”が生まれる感覚がありました」と手応えを述べる。
陸一心の妻であり、看護婦の江月梅役を務める上白石は「稽古中、栗山さんから『この作品は悲劇ではあるけれど、悲劇として立ち上げないでほしい』『登場人物みんな、傷を負っている。それでも彼らが生き抜くさまが見たいので、最後までひたむきに生き抜いてください』という素晴らしい言葉をいただきました。その言葉を胸にお稽古をして、血が通った作品にできたのではないかと思います」と力強く語った。
囲み取材では3人が互いの印象を語る場面も。稽古休みの日にも一緒に観劇していたという奈緒と上白石について、井上は「お二人は演劇や文学との向き合い方が似ていて、共鳴し合っていたと思います。彼女たちのように若く、知的な俳優さんがいること自体が希望」と2人に視線を投げかける。奈緒からは、上白石がキャスト・スタッフ陣にプロフィール帳の記入を依頼し、カンパニーの縁をつなぐ役目を担っていた、という心温まるエピソードが明かされた。
最後にキャストを代表して井上が「奈緒さん演じる張玉花のセリフに『物語には描かれなかった、声にならない声がたくさんあったはず』というような言葉が登場するのですが、それを僕たちが作品を通して伝えて、希望を示せたら良いなと思います。確かに重たいお話ではあるのですが、九州出身の僕と奈緒さん、萌歌ちゃんのお気に入りの食品を詰め込んだ“九州ご馳走弁当”を幕間に食べて、リフレッシュしていただきながら、舞台をご覧いただけるとうれしいです」とアピール。すると上白石も「私からも一言良いですか? 若い世代のお客様にもぜひ観ていただきたいです!」と声を挙げる。そんな上白石に対し、井上は「そうだね。せっかくだから、お客様にもプロフィール帳を書いてもらったら?」と優しく語りかけ、会場を和ませた。
上演時間は休憩ありの約3時間25分。公演は3月17日まで。
大地の子
開催日程・会場
2026年2月26日(木)〜3月17日(火)
東京都 明治座
スタッフ
原作:山崎豊子「
脚本:
演出:
出演
陸一心(松本勝男):
張玉花(あつ子):
江月梅:
陸徳志:
松本耕次:
袁力本:
黄書海:
増子倭文江 / 山﨑薫 / 山下裕子 / みやなおこ / 石田圭祐 / 櫻井章喜 / 木津誠之 / 武岡淳一 / 薄平広樹 / 岡本敏明 / 加藤大祐 / 越塚学 / 西原やすあき / 咲花莉帆 / 清水優譲 / 武市佳久 / 田嶋佳子 / 常住富大 / 角田萌果 / 内藤裕志 / 松尾樹 / 松村朋子 / 丸川敬之 / 松坂岳樹 / 本宮在真 / 藤田緋万里 / 森葵
※天野はなは体調不良のため出演予定の全日程を休演し、代わりに山﨑薫が出演します。
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【会見レポート】「大地の子」は“足腰が強い作品”、井上芳雄・奈緒・上白石萌歌が手応え
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