2作通して光る岸田戯曲の魅力、文学座アトリエの会「歳月 / 動員挿話」開幕

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文学座アトリエの会「歳月 / 動員挿話」が、本日3月17日に東京・文学座アトリエで初日を迎えた。

「歳月」より。(撮影:宮川舞子)

「歳月」より。(撮影:宮川舞子)

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本公演は、2020年に創立70周年を迎える文学座アトリエの記念公演のオープニングとして岸田國士の戯曲「歳月」と「動員挿話」を2本立て上演する企画。今回は岸田が三十代から四十代の時期に書いた2作を、同年代の演出家2人が立ち上げる。

「歳月」より。(撮影:宮川舞子)

「歳月」より。(撮影:宮川舞子)

「動員挿話」より。(撮影:宮川舞子)

「動員挿話」より。(撮影:宮川舞子)

西本由香が演出する「歳月」では、男に結婚を拒まれ自殺を図った身重の八洲子と、彼女のことが厳格な父親の耳に入らないよう画策する兄弟、友人らの姿を描き、また所奏の演出で送る「動員挿話」では、陸軍少佐からの戦地行きの誘いを断った馬丁・友吉夫婦の物語が展開する。西本は「稽古を進めて行き、台詞に血が通ってくると、まるで岸田國士が同時代の作家であるかのように錯覚しそうになる瞬間もあり。それだけ普遍的な魅力をもった作家なのだということを今回改めて実感しました」と胸中を語り、所は「岸田國士だから、日本の古典だから、こう上演しなければいけないということはありません。本公演をご覧になれば、岸田戯曲の懐の深さを感じていただけるのではないかと思います」と開幕への手応えを語った。

「歳月」には中村彰男、神野崇、越塚学、名越志保、吉野実紗、前東美菜子、音道あいり、磯田美絵が出演。「動員挿話」のキャストには斉藤祐一、西岡野人、西村知泰、鈴木亜希子、伊藤安那、松本祐華が名を連ねた。公演は3月29日まで。また19日19:00開演回には西本と所が、25日19:00開演回には演出家の黒澤世莉と鵜山仁が登壇するアフタートークが開催されるほか、21・26日14:00開演回の終演後にはアトリエ70周年記念イベントが行われる。詳細は公式サイトにて確認を。

なおステージナタリーでは文学座2020特集を展開中。鄭義信・松本祐子とマキノノゾミ・西川信廣による劇作・演出家コンビの座談会、鵜山仁による「岸田國士フェスティバル」に寄せた寄稿、2020年の文学座上演作品ラインナップを掲載している。

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西本由香コメント

岸田國士が想像したであろう台詞の音色を想像し、それを踏み超えることが出来るようつくっていきました。稽古を進めて行き、台詞に血が通ってくると、まるで岸田國士が同時代の作家であるかのように錯覚しそうになる瞬間もあり。それだけ普遍的な魅力をもった作家なのだということを今回改めて実感しました。ご覧頂ければきっとこの感覚を味わって頂けるものと思います。劇場でお待ちしております。

所奏コメント

発表されたのが90年以上前の作品です。岸田國士。古いと感じるでしょうか。岸田戯曲には硬い話からコント風家族劇まで多様な作品が存在します。それらはシェイクスピアやチェーホフの作品と同様、現代の社会状況や視点を取り込んだ上演が可能なものです。岸田國士だから、日本の古典だから、こう上演しなければいけないということはありません。本公演をご覧になれば、岸田戯曲の懐の深さを感じていただけるのではないかと思います。これを機に岸田作品を読んでみよう、上演してみようと思う方がいらっしゃれば、大変うれしく思います。

文学座3月アトリエの会「歳月 / 動員挿話」

2020年3月17日(火)~29日(日)
東京都 文学座アトリエ

「歳月」

作:岸田國士
演出:西本由香
出演:中村彰男、神野崇、越塚学、名越志保、吉野実紗、前東美菜子、音道あいり、磯田美絵

「動員挿話」

作:岸田國士
演出:所奏
出演:斉藤祐一、西岡野人、西村知泰、鈴木亜希子、伊藤安那、松本祐華

※2020年3月27日追記:3月28日(土)・29日(日)の公演は、新型コロナウイルスの影響で中止になりました。

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