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ヨーロッパ企画の長編映画「ドロステのはてで僕ら」ヒロインは朝倉あき

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ヨーロッパ企画のオリジナル長編映画「ドロステのはてで僕ら」に、朝倉あきが出演することが明らかになった。

原案・脚本を上田誠、監督を山口淳太が手がける本作は、2分先の未来が見える“タイムテレビ”を巡る“エクストリーム時間SF”。出演者には朝倉のほか、土佐和成藤谷理子石田剛太酒井善史諏訪雅中川晴樹角田貴志永野宗典本多力が名を連ねている。

今作でヒロインのメグミを演じた朝倉は、「ここ最近、『生きてる芝居を作るってどういうことだろう?』と考えるのですが、この現場でヒントをいただいたような気がしています」と撮影を振り返り、主人公のカトウ役を務めた土佐は「劇団でしか出来ない映画が撮れたと思います。そもそも撮れるかどうかわからない。下手したら1カットも撮れないかもしれない。5時間押しは当たり前。焦る役者。待つ役者。混乱するスタッフ。待つスタッフ。目の前で繰り広げらる脚本家と監督の低温火傷のようなジリジリとしたケンカ。それを朝倉さんに解説する劇団員。苦笑いする朝倉さん。美味しいケータリングのごはん。それらの状況を全て背負ったなか積み上げられていく1カット1カットは、もはや映画ではなくただの『泥んこ劇団ドキュメンタリー』だったかもしれません」とコメントした。

上田は、撮影中の苦労を語りつつ「しかしながら底抜けに愉しかったし、ここ最近になく劇団の結束が瞬間的に高まったのもほんとうです。死に直面した時のそれでした。そしてゲストの朝倉あきさんがいなくては脱出は不可能だったでしょう。力を合わせてデスゲームから生還したような高揚のなかに今はいます」と話し、山口は「朝倉あきさんと、ヨーロッパ企画メンバーに助けてもらい、そしてなにより現場で脚本の上田さんに付きっきりで寄り添ってもらい、万全の体勢で作ることができました。こんな映画は後にも先にも、この作品だけだと思います。本当にクランクアップできてよかったです」と思いを述べた。

映画「ドロステのはてで僕ら」は、4月25日より東京・下北沢トリウッド、京都・京都シネマほか全国で順次公開される。なお、今作の完成および国内外での上映に向けたクラウドファンディングが2月28日24:00からスタートする。

朝倉あきコメント

ヨーロッパ企画さんの存在を知ったのは、映画「曲がれ!スプーン」がきっかけでした。
その後、舞台のDVDは面白く拝見していたので、こうしてご縁をいただけたことに、とても驚いています。出演にあたって、みなさんの輪の中に溶け込めるかどうかの不安はありましたが、私が演じるメグミは“巻き込まれ型”のキャラクターでしたので、そのまま身を委ねさせていただこうかと……。
そして、リハーサルが「こんなに楽しんじゃっていいのかな?」と思うほど、とにかく楽しいです。現場でみなさんのお芝居を拝見すると、掛け合いの面白さがダイレクトに伝わってきて、それをみなさんがナチュラルに受け止めていらっしゃることが奇跡のようにも感じます。何気なく発せられたセリフが、相手役、そして周囲の人を通じて、面白さが連鎖し増幅していくのが分かるんです! ここ最近、「生きてる芝居を作るってどういうことだろう?」と考えるのですが、この現場でヒントをいただいたような気がしています。

土佐和成コメント

劇団でしか出来ない映画が撮れたと思います。
そもそも撮れるかどうかわからない。下手したら1カットも撮れないかもしれない。5時間押しは当たり前。焦る役者。待つ役者。混乱するスタッフ。待つスタッフ。目の前で繰り広げらる脚本家と監督の低温火傷のようなジリジリとしたケンカ。それを朝倉さんに解説する劇団員。苦笑いする朝倉さん。美味しいケータリングのごはん。
それらの状況を全て背負ったなか積み上げられていく1カット1カットは、もはや映画ではなくただの「泥んこ劇団ドキュメンタリー」だったかもしれません。
「ドロステのはてで僕ら」なんとか完成しそうです。どうぞよろしくお願いいたします。

上田誠コメント

パズル的な構造をもつ時間映画であり、テレビ画面とからみ続ける映画であり、群像による長回しの映画。それを地元のカフェで撮るということ。京都の劇団である僕たちにできることはそれだしそれだけをする、と決めて、撮影に臨んだら時の牢獄が待っていました。
OKテイクが出ない。ワンテイクを返すのに1時間かかる。今日が何日目か分からない。
しかしながら底抜けに愉しかったし、ここ最近になく劇団の結束が瞬間的に高まったのもほんとうです。死に直面した時のそれでした。そしてゲストの朝倉あきさんがいなくては脱出は不可能だったでしょう。力を合わせてデスゲームから生還したような高揚のなかに今はいます。目が覚めるとまたあのカフェに戻っているかもと想像してゾッとします。
しかし僕らは確かにクランクアップしました。もう一度書こう。
僕らは確かにクランクアップしました。

山口淳太コメント

劇映画を初めて監督します。
劇映画を作るのが夢でしたが、一本目がまさかこんな映画になるなんて思っていませんでした。
映画監督を夢見ていた青年の自分に「数年後、時間SF映画を撮ることになるから、時間に免疫つけとけよ、さもないと現場でフリーズしてしまうぞ!」と過去を変えたい気持ちです。そうです、撮影現場ではあまりの段取りの多さに胸やけし、フリーズしてしまいました。
朝倉あきさんと、ヨーロッパ企画メンバーに助けてもらい、そしてなにより現場で脚本の上田さんに付きっきりで寄り添ってもらい、万全の体勢で作ることができました。
こんな映画は後にも先にも、この作品だけだと思います。
本当にクランクアップできてよかったです。

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