KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「常陸坊海尊」のプレビュー公演が、本日12月7日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールで開幕。これに先駆け、昨日12月6日にゲネプロが行われた。
本公演は、劇作家・秋元松代が1964年に発表した戯曲「常陸坊海尊」を、
舞台は、1944年の東北。東京から疎開して来た小学5年生の啓太と豊は、疎開先から脱走し迷い込んだ山奥で、美しい少女・雪乃(
舞台上には場面が変わるごとにシンプルな舞台セットが立ち上がり、あえて残された“空白“が観客の想像力を掻き立てる。劇中では、戦時中の子どもたちの様子や、おばばと雪乃の奇妙な生活が、あくまで彼らの日常として、淡々と紡がれる。白石は、老婆でありながら男を狂わせる魅力を持ったかおばばを、怪しい妖艶さを湛えながら表現。啓太に母親代わりの愛情を与えることで、自分の意のままにしようとするシーンでは、白石は狂気を孕んだまなざしで「あんたの頼みならなんでも叶えてやる」と啓太に甘く囁きかけ、おばばの異常性を際立てた。
中村は美少女と謳われる雪乃の少女時代から、“魔性の女”へと変貌した16年後の姿までを演じ上げる。少女時代のシーンでは、中村は啓太と豊を小馬鹿にした態度や、つんとすました表情など、幼さを残した演技で客席を和ませる。しかし大人になったシーンでは、それまでの子供らしさとは一変し、成熟した大人の女として、おばばにどこか似た怪しげな色香で啓太と豊を翻弄した。
啓太役と豊役の少年時代は子役が、大人になった2人が再会する場面では、啓太役を
また、
上演時間は、途中休憩を含む約3時間10分。公演は12月22日まで行われたあと、本作は1月11・12日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、16日に岩手・岩手県民会館 大ホール、25日に新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場で上演される。
なおスピンオフ企画として、本公演のムーブメントを担当し、“第2の海尊”役として出演する
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「常陸坊海尊」
2019年12月7日(土)~22日(日)※12月7・8日はプレビュー公演。
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 ホール
2020年1月11日(土)・12日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
2020年1月16日(木)
岩手県 岩手県民会館 大ホール
2020年1月25日(土)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
作:秋元松代
演出:
音楽:田中知之(
出演:
OrganWorksパフォーマンス「湿りいる / She may be still ill」
2019年12月14日(土)・15日(日)、20日(金)、22日(日)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 1階 アトリウム
監修:長塚圭史
演出・振付:平原慎太郎
出演:平原慎太郎、柴一平、浜田純平、
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