「東京芸術祭2018」直轄プログラム「野外劇 三文オペラ」が昨日10月18日に開幕した。
東京芸術祭は、東京都の提案により行われる都市型総合芸術祭。芸術文化によって東京の活力を高め、社会の仕組みを考え直す契機とするとともに、多様な芸術文化を集結して東京の魅力を世界に浸透させていくことを目指して行われる。そのメイン演目である本作は、ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティが演出を手がけ、東京芸術祭総合ディレクターの
開幕に際して、宮城は「これこそが演劇の力だというものを、伝えられたと思います」と手応えを語り、演出のコルセッティも「舞台のミラクルが起きたと思う。異なる言語を話していても通じ合う瞬間が、何度も起こったと思います」と続けた。
「野外劇 三文オペラ」は10月28日まで、東京・池袋西口公園にて上演。なお「東京芸術祭2018」は12月9日まで、池袋周辺を中心に開催される。
宮城聰コメント
今年から始まった東京芸術祭 直轄プログラムの第一弾、三文オペラが初日を迎え、“演劇の力によって、見慣れた街が新鮮に見えてくる”という狙いは実現できたという実感があります。見てくださったお客さまも口々に、「現実の池袋と、その前で演じられる芝居のどこまでがフィクションでどこまでが現実なのか」とおっしゃっていて、そういった、“境目が溶けて混じっていく”という体験をしてもらうことができました。現実もいくらかフィクショナルに見えてくるし、またフィクションもとてもリアルに見えてくるという体験です。これこそが演劇の力だというものを、伝えられたと思います。
今年はパリ東京文化タンデムということで、東京都とパリ市の文化のエクスチェンジのプログラムという形で、パリの素晴らしい舞台芸術作品、「ガラスの動物園」、「ダーク・サーカス」がこれから開幕しますので、引き続き東京芸術祭 直轄プログラムに注目ください。
ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティ コメント
「野外劇 三文オペラ」私にとって本当に素晴らしい冒険でした。やはり演劇というのは、数ある芸術の中でも一人では決して作り上げられないもの。プロジェクトのために集まった、見知らぬアーティスト同士の共同作業をし、一つの目的に迎える機会となることは、演劇の面白さです。グループが素晴らしいものになったことで実現できた作品だと思う。舞台のミラクルが起きたと思う。異なる言語を話していても通じ合う瞬間が、何度も起こったと思います。
なおステージナタリーでは、「東京芸術祭2018」の特集を展開中。「野外劇 三文オペラ」の稽古を見学した近藤良平と矢崎広による対談、演出のジョルジオ・バルベリオ・コルセッティと東京芸術祭総合ディレクター・宮城聰のコメントを掲載している。「野外劇 三文オペラ」
2018年10月18日(木)~28日(日)
東京都 池袋西口公園
作:ベルトルト・ブレヒト
音楽:クルト・ヴァイル
訳:大岡淳
演出:ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティ
総合ディレクター:
キャスト(登場順)
ジョナサン・ジェレマイア・ピーチャム:
フィルチ / イード:泉陽二
シーリア・ピーチャム:森山冬子
ジャラ銭のマサイアス:宮下泰幸
マックヒース:後藤英樹
ポリー・ピーチャム:淺場万矢
曲がり指のジェーコブ:小長谷勝彦
のこぎりのロバート / 警官:綾田將一
ジミー / スミス:沼田星麻
しなしなのウォルター / 警官:
ブラウン:
酒場のジェニー / 娼婦:榊原有美、葛たか喜代、篠原和美
ルーシー:水口早香
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