ウティット・ヘーマムーン×岡田利規「プラータナー」公演詳細決定

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ウティット・ヘーマムーン×岡田利規「プラータナー:憑依のポートレート」の詳細が発表された。

ウティット・ヘーマムーン×岡田利規「プラータナー:憑依のポートレート」ビジュアル(宣伝美術:宮村ヤスヲ、宣伝美術素材提供:ウティット・ヘーマムーン)

ウティット・ヘーマムーン×岡田利規「プラータナー:憑依のポートレート」ビジュアル(宣伝美術:宮村ヤスヲ、宣伝美術素材提供:ウティット・ヘーマムーン)

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バンコクでのリハーサルの様子。(Photo:Wichaya Artamat)

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公演は8月22日から26日まで、タイ・バンコクのチュラロンコーン大学文学部演劇学科 ソッサイパントゥムコーモン劇場にて。オーディションで選出された11人の俳優が出演するほか、空間の演出やデザインを行うセノグラファーとしてcontact Gonzo塚原悠也が参加。さらに演出助手をタイの注目の演出家・ウィチャヤ・アータマート、衣装を快快の藤谷香子、照明デザインをアピチャッポン・ウィーラセタクン「フィーバー・ルーム」の照明デザインを手がけた照明デザイナーのポーンパン・アーラヤウィーラシット、音響デザインをサウンドアーティストの荒木優光、映像をcontact Gonzoで塚原と共に活動するグラフィックデザイナー、写真家の松見拓也が担当する。

バンコクでのリハーサルの様子。(Photo:Wachara Kanha)

バンコクでのリハーサルの様子。(Photo:Wachara Kanha)[拡大]

ウティット・ヘーマムーンは、タイの激動の歴史と政治を背景に、自伝的な要素を織り交ぜた長編小説「ラップレー、ケンコーイ」で、東南アジア文学賞とセブン・ブック・アワードを受賞した、タイ文学界の新鋭。彼の新作長編小説を、チェルフィッチュの岡田利規が舞台化する。主人公の画家が、芸術活動とそれを取り巻く社会の中で葛藤しながら出会いと喪失を経験する物語で、“生を取り巻く境界線“をテーマに掲げた”根源的な人生の営みとは何か”に迫る作品となる。

上演に向けてヘーマムーンは「ぼくたち二人は芸術家だ。民族、それぞれが住む社会、コミュニケーションの言語がどのように異なっていようとも、創作を始めれば、共通点が生まれるー脆く、危険な、針金を這い登っていく。演劇の如きしぐさと身のこなしを生み出すために。美しく生きるためにー芸術創造の中で。だからこそ、なにがあろうとも、この舞台作品を見逃すべきではないのだ」とコメントしている。

岡田利規コメント

ウティット・ヘーマムーンによって紡がれた、怒りと悲しみから生み出されたエネルギーに充ち満ちている小説、現代のタイの社会に生きる芸術家の半生における性愛の遍歴が、芸術との遍歴が、そして、激しく揺れ動き続けるタイの政治状況・社会状況の中で格闘し、消耗し、スポイルされて無気力になっていく様子が描かれた、おそろしく濃密度で、挑発的で、痛々しいまでに切実な小説。それを原作にして、演劇をつくろうとしている。
わたしたちが身体に囚われて生きていること。身体の欲望に囚われて生きていること。国家に囚われて生きていること。国家の欲望に囚われて生きていること。それらのものに囚われるしかないまま、わたしたちが生と闘って、疲れて、歳をとっていくこと。そのことを、演劇の上演として、体現させようと考えている。誰も見たことのないような形式の演劇をつくりだすことによって。
2018年6月

ウティット・ヘーマムーン コメント

自身の作品が舞台演劇に翻案されていくさまを目にすること。それは喜びをはるかに上回る経験だ。心中の欲望が、現実のものになったのだから。抑圧され、語ることもできず、語らせてももらえず、自由を欠いたこの社会で、挑戦的であると見なされ、禁じられているものが、この物語には満ちている。非常に脆く、鋭いものが。この作品に信頼が寄せられて、岡田利規という、芸術的創造の思考と視点を十全に備えた演出家の手に渡り、舞台演劇へと脚色される。禁忌と挑戦が、ぼくたちの心を捉えるものになる。
ぼくたち二人は芸術家だ。民族、それぞれが住む社会、コミュニケーションの言語がどのように異なっていようとも、創作を始めれば、共通点が生まれるー脆く、危険な、針金を這い登っていく。演劇の如きしぐさと身のこなしを生み出すために。美しく生きるためにー芸術創造の中で。
だからこそ、なにがあろうとも、この舞台作品を見逃すべきではないのだ。
2018年6月

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ウティット・ヘーマムーン×岡田利規「プラータナー:憑依のポートレート」世界初演・バンコク公演

2018年8月22日(水)~26日(日)
タイ チュラロンコーン大学文学部演劇学科 ソッサイパントゥムコーモン劇場

原作:ウティット・ヘーマムーン(“Rang Khong Pratthana”)
脚本・演出:岡田利規
セノグラフィー:塚原悠也
演出助手:ウィチャヤ・アータマート
出演:ジャールナン・パンタチャート、ケーマチャット・スームスックチャルーンチャイ、クワンケーオ・コンニサイ、パーウィニー・サマッカブット、ササピン・シリワーニット、タップアナン・タナードゥンヤワット、ティーラワット・ムンウィライ、タナポン・アッカワタンユー、トンチャイ・ピマーパンシー、ウェーウィリー・イッティアナンクン、ウィットウィシット・ヒランウォンクン

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shikakun @shikakun

最近よく、このページに書いてある岡田利規のコメントについて考える https://t.co/QNAvkbQIvv

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