1994年に初演された「父と暮せば」は、通算上演回数500回を越すこまつ座のレパートリー作品。原爆で父を亡くした娘と、幻となって現れた父とのやり取りが描かれ、父・福吉竹造役を
開幕に際し、演出を手がける
なお、「父と暮せば」の対になる作品を残すという井上の思いを受け継ぎ、山田洋次監督が製作した映画「
鵜山仁コメント
二十四年目の「父と暮せば」の初日には、作者の井上ひさしさん、作曲の宇野誠一郎さん、音響効果の深川定次さん、そして初代竹造のすまけいさん……今は亡き、いろんな方たちがあらわれて、新しい時代の竹造、美津江の始まりを祝福してくれたような気がします。
原爆投下から七十三年、戦争を知らない世代が日本人の大半を占めることになります。
これからがこの作品の、本当の、独り立ちの時なのかもしれません。
山崎一コメント
いつにも増してあたふたしております。通し稽古は他の公演と比べて倍以上やっているのに。
演出の鵜山さんもスタッフの皆さんももう何百回とやって来られている事なので慌てることなどなく、ただ目の前の作業を淡々とこなしていらっしゃる。新人は僕と伊勢さんの二人だけ。
でもその伊勢さんはここ俳優座のご出身なのでここで芝居をしたことがあるとか。すると、まったくの新人は私だけ?
そんなことを考えているうちに初日の幕は上がりました。
伊勢佳世コメント
初めての二人芝居、膨大なセリフ。稽古はいつも以上に大変でしたが、とても充実していました。初日を迎えた朝は、なんだかお嫁に行くような……不安だけど嬉しい……そんな気持ちでした。いざ舞台に立つと、お客様が「ガンバレ!」と身内のように見守って下さっているのが演じていてすごく伝わってきて、俳優座劇場の空気がとても優しく温かく、不思議な感覚になりました。まだ幕が開いたばかりですが、もっと作品が成長できるよう演出の鵜山さん、山崎一さん、そしてスタッフの皆さんと共に頑張ります。
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