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“魔法”あふれる“家路”へ、ロロ「マジカル肉じゃがファミリーツアー」

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ロロ vol.14「マジカル肉じゃがファミリーツアー」ゲネプロより。(撮影:三上ナツコ)

ロロ vol.14「マジカル肉じゃがファミリーツアー」ゲネプロより。(撮影:三上ナツコ)

ロロ「マジカル肉じゃがファミリーツアー」が、本日1月12日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで開幕する。

ロロにとって同劇場への進出作となる本作。2010年に上演したロロの第3回公演「旅、旅旅」を大幅リライトし、2017年上演の「BGM」「父母姉僕弟君」から連なる“旅シリーズ”の第3弾として上演する。脚本・演出は三浦直之が担当。

舞台は町田家のダイニングキッチン。母の奈津子(板橋駿谷)が夕食を作る後ろで、町田家の12歳の長女・めくるめく(森本華)は「自分の一番古い記憶を作文にして発表する」という宿題に頭を抱えている。「だれも見たことのないような“新しい思い出”を見つけたい」と意気込むめくるに、父の孝志(猪俣三四郎)が家族でピクニックに行こうと申し出るが……。

めくるの兄・湾(篠崎大悟)は文学少女の一日(望月綾乃)に恋しているが、脈がない。弟のトチ(亀島一徳)は、自分にしか見えない友達のさるすべり(島田桃子)と冒険に夢中だ。足並みのそろわない家族に業を煮やし、めくるは親友・石川この(北川麗)とピクニックへ。置いてけぼりをくらったトチは、さるすべりと祖母の祖母子(宮部純子)とあとを追う。

冷蔵庫に貼ったシールや、花をくわえて歩く通学路、家族の間だけで通じる言葉など、誰もの記憶をくすぐるセンチメンタルなエピソードが、ポップさを交えて描かれる本作。板橋は、上はノースリーブ、下はピンクのスカートと白いエプロンというパンチのある出で立ちで、愛情あふれる母親役を好演し、森本は溌剌とストーリーを牽引。くるくる変わる表情で作品を盛り上げる。

杉山至と中村友美が手がけた舞台美術には、出演者自らが動かす回り舞台が採用された。セットはキッチンとリビング、そして“扉の向こう側”の3面が主に使用されるが、「BGM」にも登場した可動式のストリングスカーテンにより、3面以上の表情を見せる。それぞれのセットは“見立て”により、“マジカル”にシーンを表現した。さらに作品を彩る往年のJ-POPヒットソングと、出演者による歌唱シーンも見どころだ。

“旅シリーズ”の最終章となる今作では、元となった作品「旅、旅旅」の“名付け”というテーマを踏襲しながらも、シリーズで語られてきた“すべてを等しく愛する”“忘れてもなくならない”といったメッセージに、改めて光が当てられる。三浦は当日パンフレットに「名前は呪いなんかじゃなくて、呪いを解くための魔法だ」とコメントを寄せた。

上演時間は休憩なしの約100分。公演は1月21日まで。なお会場ロビーでは、“エア本屋”いか文庫による「『マジカル肉じゃがファミリーツアー』を見た後に読みたくなる本」の紹介コーナーが展開されるほか、前々作「BGM」のDVDと劇中歌を収めたCDが先行販売される。

ロロ vol.14「マジカル肉じゃがファミリーツアー」

2018年1月12日(金)~21日(日)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

脚本・演出:三浦直之
出演:板橋駿谷亀島一徳篠崎大悟島田桃子望月綾乃森本華 / 猪俣三四郎北川麗宮部純子

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