「試験」シリーズは「物語になる前の『問い』を提示する」というコンセプトが掲げられた企画。「白象」は宮沢賢治の童話「オツベルと象」をモチーフに、「なぜ、私は白象を『助けたい』のか?」「なぜ、私は白象を『助ける』ことを主張するのか?」という問いを観客や出演者、スタッフに投げかけて物語を展開していく。
越寛生 コメント
「オツベルと象」という宮沢賢治の童話があります。賢治が生前発表した数少ない童話です。地主のオツベルのもとに白い象が現れます。この象はたいへん純粋なやつで、ずるがしこいオツベルはだまして奴隷のような労働をさせます。中学校の国語の授業でやって、かわいそうな話だなあと思いました。
あるときこの話を思い出して「白象」という言葉を調べたら、「厄介者」という意味があると知りました。昔タイの王様は嫌いな廷臣に白象を贈ったそうです。王様からの贈り物を殺したり逃がしたりするわけにはいかないが、なにぶん象なので餌代がかさむし場所も取る。それで「維持費はかかるが役に立たないもの」みたいな意味が生まれたのです。
この、純粋な「白象」と、役に立たないものとしての「白象」を重ねて、上のような問いを立てました。私自身に対する問いですが、もしよければ一緒に考えにきてください。
(劇)ヤリナゲ「試験1『白象』」
2017年12月23日(土・祝)、24日(日)
東京都 十色庵
作・演出:
出演:浅見臣樹、越寛生、
(劇)ヤリナゲのほかの記事
リンク
- (劇)ヤリナゲ
- (劇)ヤリナゲ (@g_yarinage) | Twitter
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
ステージナタリー @stage_natalie
なぜ白象を「助けたい」のか? (劇)ヤリナゲがあなたに問いかける https://t.co/x1hPWSOPvh https://t.co/V9Dag9QLDp