結成20周年記念公演を昨年末から行ってきたKAKUTA。そのラストを飾る本作は、山にそびえたつ立ち入り禁止の工場跡に忍び込んだ2人の女性が、偶然「あるもの」を見つけてしまうことから始まる。2015年に鶴屋南北戯曲賞を受賞した「痕跡」以来、桑原にとっては約2年ぶりの書き下ろし作品だ。出演者にはKAKUTAメンバーのほか、客演として落語家の
主演の正蔵は、上演に際して「今回の舞台は、舞台セット、ライティング、音響もとても素晴らしいものに仕上がっています。落語会では高座があるだけという形式ですが、舞台ではこうしたスタッフさんたちからもたくさんの力をもらい、フォローしてもらっているように感じます。この御恩返しはお客様に楽しんでもらえる、いい芝居をみせることに尽きると思っています」と意気込む。
桑原は「いままでのKAKUTAで見せたことのない世界観を見せられるかと思いますし、『異色作』と呼ばれるような作品になればと感じています」とコメント。本作キャストの
東京公演は11月20日まで。その後、12月13・14日に愛知・穂の国とよはし芸術劇場 PLAT 小劇場シリーズ、12月17・18日に福岡・北九州芸術劇場 小劇場と巡演する。
林家正蔵コメント
すばらしい作品になりました。KAKUTAファンだった私は、できるなら客席で観てみたいと思うほどです。胸が高鳴ってドキドキしますが、1ステージ1ステージ頑張ろうという気持ちになっています。
今回の舞台は、舞台セット、ライティング、音響もとても素晴らしいものに仕上がっています。落語会では高座があるだけという形式ですが、舞台ではこうしたスタッフさんたちからもたくさんの力をもらい、フォローしてもらっているように感じます。この御恩返しはお客様に楽しんでもらえる、いい芝居をみせることに尽きると思っています。
桑原さんの作品は、いつも胸にしみて、「人間ってこうだよな。でも、明日に一歩進んでいこう」といったことを感じさせてくれます。今回の作品は、「痕跡《あとあと》」で鶴屋南北戯曲賞を受賞したあとの初の書き下ろしを楽しみにしていたお客様の期待を、裏切らない出来になっています。なので、ぜひ皆さん観に来ていただければと思います。
桑原裕子コメント
個人的にはこの作品でこれまでとは違った挑戦をしています。なので、いままでのKAKUTAで見せたことのない世界観を見せられるかと思いますし、「異色作」と呼ばれるような作品になればと感じています。
この作品では、一本のお話に皆で収束していくのではなく、太い一本一本の別々の束をまとめて、一つのより太い綱にしていくようなことを目指しています。個人個人の軸をたたせるという点は課題ではありますが、芯の通った太い綱を見せられたらと思っています。
誰でも落ち込んだり、立ち止まったり、彷徨ってしまうときがあります。周りがくだらないと思っていることで、すごく悩んでいたりする時もあります。そういう時にこそ、この作品を観てほしいですし、この作品を思い出してもらえればと考えています。ぜひ皆さん劇場に足をお運びください。
成清正紀コメント
いままでのKAKUTAとは少し違った路線を見せられる、すごい作品になったと思っています。今までと比べて劇場サイズは大きいですが、組み上がった舞台美術にすんなりと入っていけました。田中敏恵さんの舞台美術はいつも桑原作品の世界観をぐっと広げてくれるように感じます。そのほかスタッフワークに支えられ触発されて、「みんなで作っている」感覚が高まっています。目には見えないそうした感覚こそが大事な作品になるのだろうと感じました。
本当に皆さまに見てほしい「生きた」「現代の」演劇になりました。それはぼくたちにとって、日ごろ忘れていることを見つめなおす機会になるのではないかと感じます。そして日常で感じていることを再度、追体験する機会にもなるでしょう。それがKAKUTAのスタイルなのだと思います。桑原裕子が今回のような作品を作れるということにあらためて驚くとともに、この新たな「挑戦」にスタッフ・キャスト一丸となって挑んでいきたいと思います。とにかく若い方にも、年配の方にも、一人でも多くのお客様に観てもらいたい「今」の演劇だと思います。
KAKUTA 第27回公演・20周年記念公演 第3弾「愚図」
2016年11月10日(木)~20日(日)
東京都 あうるすぽっと
2016年12月13日(火)・14日(水)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場 PLAT アートスペース
2016年12月17日(土)・18日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 小劇場
作・演出:
出演:
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