ブロードウェイミュージカル「スウィート・チャリティ」が、本日9月23日に東京・天王洲 銀河劇場にて開幕。初日に先がけてゲネプロの一部が公開され、主演を務める
ボブ・フォッシーの演出・振付によりブロードウェイで1966年に初演され、その後シャーリー・マクレーン主演で映画化もされた本作は、お人好しで明るくパワフルな女性、チャリティ・ホープ・ヴァレンタインを主人公とするラブコメディ。取材には知英のほか、
チャリティ役の知英は、初舞台にして初主演となる本作の稽古を終えて「みんなを引っ張らなければいけない立場なのに何も知らないし、皆さんに教えてもらってばかりで、どうしたらいいかわかりませんでした。イントネーションとか細かいところで大変なところもあって、ご迷惑をおかけしたかもしれません」と振り返る。しかし「チャリティは一生懸命な女の子。なので私も一生懸命に演じればきっと伝わると思って稽古を続けました」と真摯に述べる。
そんな知英をほほえましく見つめる男性陣。「この作品はチャリティが多くの人間と出会って成長していく物語なので、まさに稽古場の彼女と重なりました」と口火を切ったのは、チャリティと出会う会計士、オスカー・リンキスト役の岡だ。「日々成長が著しくわかって。今日できなかったイントネーションも翌日にはしっかり克服して稽古に臨むんです。だから全然大丈夫!」と力強く勇気づける。
チャリティが憧れるベテラン映画俳優、ヴィットリオ・ヴィダル役を演じる平方も「これでもか!というくらい知英ちゃんの可愛さが詰まっているので、ぜひ“グフグフ”しながらご覧になっていただければ」とおどけ、作品をアピールした。
上島は「知英さんのような人にミュージカル界に来てほしいと思いました。女性で主役を張れる人ってなかなか育たないので」と知英を評する。「初めてだからもちろん拙いところもあったけど練習で克服できたと思うし、万人の前に出て舞台映えするオーラは確実にあります」と絶賛。続けて「本番に強いと本人も言っていて、僕もそう思います」と重ねる。
話題は知英が今まで行ってきた歌手活動との違いに及ぶ。「一番違うと感じたのは発声ですね。今まで歌ってきたポップスとはお腹の使い方が違いました。だから先生からいつも言われていたんです。『チャリティはまず発声ね』って!」と言うと、「イ~イ~!」と実際にしている発声練習を実践してみせ、記者たちの笑いを誘う。
ダンスに関しても「結構苦労しました。この作品はクラシック、バレエ、ジャズダンスと幅広いジャンルの踊りが展開されるので難しかったです。とにかく『首を長く』って毎日言われていました」と振り返る。「でも楽しくやっていますよ?」と笑顔を見せ、「自分が大好きな歌、ダンス、芝居、全てが入っているミュージカルをいつか絶対やりたいという夢を持っていました。だから夢が叶って、素敵な作品に参加できて本当にうれしいです。今日の初日も精いっぱいがんばります」と意気込み、会見を締めくくった。
ゲネプロは、ステージ両端に配されたオーケストラの、迫力ある生演奏で幕開け。舞台に現れたチャリティは、付き合っていた男に金を取られた挙げ句、ニューヨーク・セントラルパークの池に落とされ、警官から尋問を受ける始末。それでもめげない前向きなキャラクターを、知英は次々と変わる豊かな表情や動きで造形していく。
映画スターのヴィットリオに拾われ訪れたクラブや、会計士オスカーとのデートで立ち寄る教会でのダンスシーンは、多彩なフォーメーションやコミカルな動きを取り入れながら展開され、見応え十分。普段は臆病で神経質なオスカーも、このときばかりは岡の本領発揮で、伸びやかなダンスが繰り広げられた。チャリティとエレベーターに閉じ込められた際の切迫した表情と対比してほしい。
さまざまな出会いを通じて、彼女が手にする本当の幸せとは? その結末は劇場で確認しよう。公演は10月2日まで。
ブロードウェイミュージカル「スウィート・チャリティ」
2016年9月23日(金)~10月2日(日)
東京都 天王洲 銀河劇場
原案:ボブ・フォッシー
脚本:ニール・サイモン
作曲:サイ・コールマン
作詞:ドロシー・フィールズ
上演台本・演出・振付:
音楽監督:玉麻尚一
キャスト
チャリティ・ホープ・ヴァレンタイン:
ヴィットリオ・ヴィダル:
ヘルマン:
ダディ・ブルーベック:黒須洋壬
ニッキー:
ヘレン:
オスカー・リンキスト:
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