中村米吉の#カワイイは世界を救う? 第14回 [バックナンバー]
中村米吉とくるくるカワイイチョコレート作り
楽屋での死闘…溶けないチョコに打ち勝つことができるのか
2024年2月24日 19:00 27
先日、入籍を発表した
このコラムは、年々可愛さに磨きがかかる米吉と、身近な“カワイイ”を組み合わせ、カワイイ×カワイイの相乗効果で世界を救うことを目的としている。今回は、バレンタインデーにかこつけて、編集部から米吉に「カワイイ米吉に、カワイイクッキングトイを使って、カワイイチョコレートを作ってほしい」とお願い。多忙を極める米吉は、果たして実践してくれるだろうか。
題字:中村米吉
米吉vsチョコレート、この戦いの結末は…
その箱はある日突然楽屋に現れた。
送り主はナタリー編集部。
“くるくるチョコレート工場”……??
対象年齢は8歳以上。2月はバレンタインデーがあるから作れ、と言うことらしい。
今月来月と、私は新橋演舞場でスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」で兄橘姫 / 弟橘姫の姉妹2役を勤めている。
この2役はヒロインということもあり、出番も多く、拵えの数は9種類、13回もの衣裳替えがある。
端的に言って、とても忙しいわけだ。
どうしたってチョコレートを作る時間などあるわけがない。
でも! やっちゃう!!!
箱からは何やら可愛らしいタイムマシンのようなものが出現。
まずはチョコレートを砕き、電子レンジで溶かしていく必要があるらしい。
楽屋に電子レンジはないので頭取部屋の電子レンジを拝借。
説明書の通りにやるもまったく溶けず、悪戦苦闘……。
ちょうど舞台上では伊吹山でヤマトタケルがイノシシと死闘を繰り広げていましたが、楽屋では米吉がチョコレートと死闘を繰り広げました。
何種類かある型の中から可愛らしいクマさんの方を選び、溶けたチョコレートを型に流し込みます。
ところが、全く流れず(笑)。
スプーンで無理やり詰め込み、蓋をして、珍妙な機械にセット。
そして大!回!転!
このクマはクイズを間違えてしまったのか?
てな具合にグルグル回転させてやります。
ダーイブショック!でしょうね。クマのやつも。
そうして満遍なく型の中にチョコレートが行き渡ったら、外してあとは冷蔵庫。
まあ、なんと簡単……なのか?笑
さあ、一夜明け。
灼熱のレンジで溶かされ、グルグル回転させられ、挙げ句の果てに極寒の冷蔵庫で冷やされた哀れなクマちゃん。
どんな末路を遂げたことやら……。
すごーい! 上手にできた!
置いといて。本物はこちら。
完成です!!!(平野レミさんの声で再生すること)
うん……。
予想通り。
予想通りすぎたので、とりあえず弟橘姫さんに持ってもらいました。
弟姫ってあまり義理チョコは配らなさそうで、本命チョコだけを気合い入れて手作りしそうですよね。
お姉さんの兄姫の方は満遍なく、そこそこのクオリティの義理チョコを配りそう。
そのくせ、こっそりめちゃくちゃ高いチョコを本命用に買ってそうな感じがする。
まあ、日本の古代にバレンタインデーはないんだけどね。
さ、くだらない個人の感想はよしにして、チョコレートの出来を確認してみましょう。
周りがギザギザして適当に作ったプラモデルみたいで悔しい。
無理やりチョコレートを詰め込んだからだ……。
改善の余地あり!
というわけで、今回から始まった、「米吉とチョコレート工場のはじまり」
第2回“ホワイトチョコレートでうさぎちゃんを作るピョン!”に続きます!
次回もぜひお読みください!
(このコラムはフィクションです。実際の連載企画とはなんの関係もございません。)
プロフィール
中村米吉(ナカムラヨネキチ)
1993年、東京都生まれ。播磨屋。中村歌六の長男。2000年に中村米吉の名を襲名して初舞台。2011年から女方を志し、「鬼一法眼三略巻 菊畑」で皆鶴姫、「与話情浮名横櫛」でお富、「松浦の太鼓」でお縫、「仮名手本忠臣蔵 七段目」で遊女お軽、「絵本太功記」で初菊などを勤める。またアメリカ・ラスベガスで行われた歌舞伎興行では、2015年に「鯉つかみ」小桜姫役、2016年に新作歌舞伎「獅子王」白縫姫役で出演。2015年には「鳴神」の雲の絶間姫役の演技で十三夜会奨励賞、2021年には第42回松尾芸能賞で新人賞を受賞した。2022年7月に上演された「風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―」、2022年12月から昨年1月にかけて上演された「オンディーヌ」では、それぞれタイトルロールを務め、昨年3・4月に上演された「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」では、ヒロイン・ユウナ役を勤めた。現在、東京・新橋演舞場でのスーパー歌舞伎「三代猿之助四十八撰の内『ヤマトタケル』」に兄橘姫 / 弟橘姫役で出演中。自身の31歳の誕生日となる3月8日には「中村米吉 Birthdayトークショー 2024」を開催。4月には、東京・歌舞伎座で「四月大歌舞伎」昼の部「夏祭浪花鑑」で団七女房お梶を勤める。
バックナンバー
関連記事
中村米吉のほかの記事
タグ
南天(出浦党 アンナチュラルなパセリ) @nantengoh
新しい推しがかわいい
https://t.co/TWtbEvUJ4n