今回のライブは、リリースを控えた新作をファンや関係者に体感してもらうべく企画されたもの。バンドにとって初めての試みとなり、心なしか会場は緊張した空気に包まれていた。
「AX、楽しむ準備はできてんのか?」というRYO(Vo)の煽りから、「spark」の1曲目を飾る「Show Time」でライブはスタート。5人は幕開けにふさわしいナンバーで会場を熱狂へと導き、続いて肩の力が抜けた「マイペース」でさらに観客を自分たちのペースに巻き込んだ。
この日はただ新曲を演奏するだけでなく、教壇風のスペースでメンバーによる生楽曲解説も実施。「Show Time」「マイペース」のパフォーマンスが終わると、HIROKI(Vo)が解説を行い、「この2曲中、すでに15回ミスがありました」と自ら暴露して笑いを誘った。そのあとに続いたのは、レンジお得意のサマーソング「サディスティックサマー [spark mix]」と「Special Summer Sale」の2曲。RYOは「どちらのタイトルも頭文字がSSSなんです。フェスとかでみんなが踊るような感じで」と今の季節にぴったりな楽曲であることをアピールした。
ヘビーなギターリフが印象的な「リフラフ」とアンニュイな雰囲気の「トーキョーガールズコネクション」でバンドの幅広さを印象付けたあとは、YAMATO(Vo)がマイペースなトークを展開。「トーキョーガールズコネクション」については「タイトルとはギャップのある曲です。東京に行って、女の子に振り回されるという曲でノンフィクションです」と述べる。「え!?」と観客が驚く中、YAMATOは「あ、間違えた。実話じゃないんで」と言い直して会場を笑わせていた。
激しいギターリフが炸裂する「Suck it!」終了後は、楽曲解説ではなく普通のMCでいったん小休止。フロントの3人は「めっちゃ緊張する!」と口々に叫び、HIROKIは「前作が全編打ち込みだったぶん、今日はスカーッとした印象ですよね(笑)」とバンドサウンドを追求した「spark」のコンセプトについて言及した。
ライブの折り返し地点では、「ふぁっきん▽ラブソング(※▽はハート表記)」「もしも」というタイプの異なるラブソング2曲が連発される。NATOTO(G)は2曲のストーリーがつながっていることを明かし、「内容は歌詞カードを確認してください。僕個人としては気に入った流れです」とコメントした。その後5人は、YAMATOがメインボーカルをとるコミカルな「ソフトテニス」、ライブの定番曲となりつつある「オボロナアゲハ」で緩急を付けた展開でオーディエンスを魅了。楽曲解説のトリを務めたYOH(B)は、2曲が終わると「あの……いいアルバムができたと思います」と控えめな口調ながらも、確かな自信を伺わせた。
ラストナンバーは落ち着いた雰囲気の「そばにいつでも」。全12曲の演奏が終わると、RYOは「ORANGE RANGEから『spark』をお届けしました。ありがとうございました」と丁寧なお礼とともに本編の幕引きを告げた。
緊張の連続となった本編を終え、アンコールは一気に弾けたテンションに。「イケナイ太陽」を皮切りに、「祭男爵」などパーティチューンでオーディエンスを興奮させた。最後にRYOが「スパークしましたか?」と問いかけると、威勢のいい返事がフロアから上がり「ORANGE RANGE SHOWCASE LIVE at SHIBUYA-AX ~New Album『spark』視聴会~」はフィナーレを迎えた。
なおORANGE RANGEは「spark」を発表したのち、9月14日からライブツアー「ORANGE RANGE LIVE TOUR 013 ~spark~」を開催する。
ORANGE RANGE「ORANGE RANGE SHOWCASE LIVE at SHIBUYA-AX ~New Album『spark』視聴会~」
2013年6月27日(木)@東京都 SHIBUYA-AX 本編セットリスト
01. Show Time
02. マイペース
03. サディスティックサマー [spark mix]
04. Special Summer Sale
05. リフラフ
06. トーキョーガールズコネクション
07. Suck it!
08. ふぁっきん▽ラブソング
09. もしも
10. ソフトテニス
11. オボロナアゲハ
12. そばにいつでも
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音楽ナタリー @natalie_mu
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