昨日1月31日、
このライブでは彼らが3月27日にリリースするニューアルバム「ある篝火について」の楽曲のレコーディングを実施。ライブ冒頭、鈴木雄太(Vo, G)はオーディエンスに向けて「十数曲を正真正銘、一発録りで録っていきます。今日のために死ぬほど練習してきました(笑)。絶対失敗しないので安心してください」と力強く宣言し、1曲目から順番に演奏していった。
最初を飾るシングル曲「脱走のシーズン」に続き、「愛唱歌」「おもちゃ体操」と、新曲を連続で披露。各曲に入る前には鈴木がそれぞれの曲に込めたメッセージや歌詞の背景を語り、オーディエンスの気持ちをさらに惹きつける。心地よいリズムが響く「Scrap and Hope」、「自分を引っ張ってくれる仲間を意識した」という「生意気なフェレット」と、3人が十分に練り上げてきたナンバーに、観客はじっくりと聴き入っていた。
ここで鈴木は今回のライブを開催した狙いを語る。「2枚目のアルバムを作った後に『俺たちどう歌ってたっけ、どういう音楽が好きだったっけ』って立ち止まってしまったときがあって。そのことに気付いて、自分と周りの人たちの思いに向き合わなくちゃいけないと考えて、そういうみんなの思いをアルバムに閉じ込めようと思って、このライブを計画しました」と話し、オーディエンスから大きな拍手を浴びた。
そしてゲストギタリストとしてCharm(
レコーディングライブも後半へ。鈴木は「1小節、1拍をこんなに長く感じたことはないなあ」としみじみ語り、金野倫仁(B)も「同感だ(笑)」とうなずく。その後は「遊園地をイメージした」という「Fun Park」が始まる。「超絶難しいソロがあるんです(笑)」と語っていた鈴木だが、華麗に弾き切って会場を沸かせていた。さらに、伊東賢佑(Dr)の激しいドラムがスリリングな印象を醸し出す「踊れマトリョーシカ」、ライブ用の新たなアレンジに生まれ変わった「魂のシルエット」と、強力なナンバーを連発していった。本編ラストを飾ったのは、「今日を大切な思い出にしたい」というメンバーの思いが込められた「オイルランプ」。温かくも力強いこの曲で、集まったファンへの感謝を伝えた。
アンコールの声に応えて再びステージに現れた3人。ここではアルバムの最後の曲となる「オカルト」を演奏した。鈴木はこの曲について「スリーピースで音楽というものをどこまでできるのか、という思いを込めて作りました。ただ、込めすぎて相当難しい曲になってます(笑)」と語り、3人で息を合わせて演奏に入る。それぞれのパートが複雑に音色やリズムを変えて絡み合うが、途中で鈴木が歌詞を飛ばしてしまうというアクシデントが。金野に「今、結構うまくやれたのに(笑)」、伊東に「次間違ったらそういう歌詞になるからね?(笑)」と突っ込まれつつ、2度目の演奏では完璧なパフォーマンスを披露した。
全てのアルバム収録曲を演奏し終えると、3人は改めてリラックスした表情でオーディエンスに挨拶する。金野は「今日のために一番大変な思いをしてきたのは雄太だと思うんです。さっきの曲が終わったら憑き物が取れたような顔になってた(笑)」と鈴木をねぎらう。伊東は「手紙を書いてきました」と言って紙を取り出し「僕らが進んで行く道は決して煌々と照らされてはいない、険しい道かもしれません。でも恐れる必要はない」と語るが、あまりに真面目な朗読っぷりにフロアからは笑い声も起こる。そんな様子に鈴木も「こんなに笑いを取るつもりじゃなかったんじゃないかな(笑)」と微笑んでいた。
最後に挨拶した鈴木は今回のアルバムタイトル「ある篝火について」を「みんなで薪をくべて大きな篝火にしたい、という気持ちが入ってます」と説明。スタッフやファン、たくさんの人々に支えられてレコーディングが終わった後は、「バランスドール」「サーカスライフ」などの既発曲を華々しく演奏し、記念すべき夜を締めくくった。
Prague「プラハの春」2013年1月31日 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト
01. 脱走のシーズン
02. 愛唱歌
03. おもちゃ体操
04. Scrap and Hope
05. 生意気なフェレット
06. インスタントスカイ
07. 作戦C
08. Fun Park
09. 踊れマトリョーシカ
10. 魂のシルエット
11. トランスブック
12. オイルランプ
<アンコール>
13. オカルト
14. バランスドール
15. バタフライ
16. Distort
<ダブルアンコール>
17. サーカスライフ
リンク
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音楽ナタリー @natalie_mu
「死ぬほど練習した」Prague新作録音ライブは大成功 http://t.co/8okMNPAU