細川によって温まったYASSAI STAGEにまず現れたのはサポートメンバーの叶亜樹良(Dr)。そこに綾小路翔(Vo)がやってきてステージ中央に置かれたバイクにまたがると、ドラムとバイクのエンジン音によるセッションが始まる。他のメンバーもステージインし、氣志團は綾小路の「行こうぜ! ピリオドの向こうへ!」の声を合図に「One Night Carnival」でライブをスタートさせた。
今年が「氣志團万博」初出演のクリープハイプは「生レバ」「キケンナアソビ」の不穏なアンサンブルで観客を独自のムードに引き込む。MCで尾崎世界観(Vo, G)は千葉のライブハウスで下積みを重ねた結成当初を振り返りつつ「千葉のカッコいい先輩に、こんな素敵な場所に呼んでいただけて」と初出演を喜んだ。この日は会場に着いてすぐに氣志團のライブを観たという尾崎は「男らしさの中に強さと優しさがある。少しでも見習って生きていきたい」とそのステージから感じた思いを明かす。ライブ後半では「HE IS MINE」「イノチミジカシコイセヨオトメ」「二十九、三十」「栞」を演奏し、楽曲のクオリティの高さと豊かな表現力でオーディエンスを魅了した。
氣志團にとってSony Music Artists(SMA)の後輩にあたるOKAMOTO'Sは、今回が「氣志團万博」初登場。オカモトショウ(Vo)は「事務所の先輩に同じ名前のあんなカッコいい先輩がいるのは最高です!」と綾小路と名前が“ショウ”という共通点があることを明かす。そして“ショウ”の横には欠かせない男として氣志團の星グランマニエ(G)をステージに召喚。弾き語りでツーマンをしたこともある2人は、星が楽曲を手がけた氣志團の「330」を熱唱し、熱いハグを交わした。オカモトショウが「次はYASSAI STAGEに出たいなあ! そのためにも俺たちの全力を受け取ってくれるかい?」と呼びかけたあと、OKAMOTO'Sは「BROTHER」を披露。ラストは「90'S TOKYO BOYS」の熱演でステージを締めくくった。
「氣志團万博」への出演は13回目、皆勤賞のももいろクローバーZは氣志團ファンにはおなじみのアクト。4人は大勢のダンサーを率いて、氣志團「夢見る頃を過ぎても」のカバーを華やかにパフォーマンスし、オーディエンスの視線を集めた。さらにももクロは「BIONIC CHERRY」や「ツヨクツヨク」といった10年以上前にリリースされた懐かしい楽曲から今年リリースした「Event Horizon」まで、さまざまな時代のナンバーを披露。「上球物語 -Carpe diem-」では佐々木彩夏がリンボーダンスに挑戦したが失敗してしまい、百田夏菜子の「1人でできないことは4人でやってきたじゃん!」という主張を受けて、4人で重なったままバーをくぐって成功させた。最後は全曲が「One Night Carnival」のカバーで構成されたトリビュートアルバム「All Night Carnival」に収録されたももクロバージョンの「One Night Carnival」でフィニッシュ。綾小路と早乙女も警察官姿のままステージに飛び入り参加し、ももクロのステージは華やかに幕を閉じた。
「氣志團万博」初出演の20th Centuryが最初に披露したのはV6の楽曲「Can do! Can go!」。所属事務所のファンに長年親しまれてきた曲を坂本昌行、長野博、井ノ原快彦が華麗に歌い踊る姿に、オーディエンスからは感嘆の声が起こった。MCで3人は「丁寧に自己紹介しよう!」とベテランらしからぬ謙虚な姿勢を見せるが、長野が53歳、坂本が54歳という現在の年齢を明かすと観客はその若々しさとのギャップに騒然となった。
今年リリースした最新曲「ネバギバ ~Never Give Up!~」をスタンドマイクでクールにパフォーマンスしたあとは「俺たちの友達の曲を歌います」という言葉から、Coming Centuryの「Theme of Coming Century」を披露。ここでは氣志團の5人もステージに登場してトニセンの3人とともに完璧なダンスを繰り広げ、綾小路と親交が深いという井ノ原を「まさかコラボできると思わなかった。しかもComing Centuryの曲で(笑)」と喜ばせた。全員で肩を組みつつ「WAになっておどろう」を和やかに歌ったのち、坂本はこの幕張がV6の解散コンサートの会場だったことを振り返る。そんな3人が思いを馳せるように、ラストは「夢の島セレナーデ」の芳醇なボーカルで締めくくられた。
MOSSAI STAGEに出演し続けたことで“MOSSAI様”の異名を取り、今年はついにMOSSAI様オフィシャルグッズも発売した岡崎体育。手を三角にして掲げるMOSSAI様ポーズを決めた観客に迎えられた岡崎は、グッズが完売したことに触れ「これほどまでに皆さんがMOSSAI様を頼りにしているとは」と苦笑いした。そして「『One Night Carnival』のイントロはEDM。この会場を『ULTRA JAPAN』みたいにできる」という説のもと、「One Night Carnival」をリミックスした“BASIN EDM”バージョンで会場を踊らせる。曲中には同じ京都出身の先輩・10-FEETの「第ゼロ感」のフレーズも混ぜるが、岡崎は「誰にも許可取ってません!(笑)」と打ち明けた。
3年ぶりに「氣志團万博」に帰還した大トリの聖飢魔II。「FIRE AFTER FIRE」の重厚なアンサンブルとデーモン閣下(Vo)のパワフルなハイトーンで観客を圧倒する一方、「老害ロック」のラストで「去年の『氣志團万博』の様子をWOWOWで観ていたら、中堅バンドのボーカリストのマイクの持ち方がなってない……」とリアルな苦言を呈すギャップで場内を和ませた。代表曲「蝋人形の館」のイントロ部分では、11月21日に誕生日を迎えるライデン湯澤殿下(Dr)を祝福する演出も。ここで殿下を祝う巨大なケーキを運んできたのは氣志團によく似たビジュアルの「鬼死團」の面々だ。ド派手なメイクと衣装で飾った鬼死團の5人は「蝋人形の館」に続き、ラストナンバー「JACK THE RIPPER」で聖飢魔IIとともに演奏にも参加。迫力あふれるサウンドで初日のエンディングを飾った。
Bami @Mcmooney20
@natalie_mu All good