7月にイギリス・Royal Festival Hallにてライブを行った細野。昨今の海外人気を物語るように同公演は瞬時にソールドアウトを記録、会場には満員の観客が詰めかけた。「Haruomi Hosono - I’m back from London!」はその熱気を日本へ“フィードバック”するべく開催されたもの。イギリス公演同様、
くくくのセッションでスタート
オープニングDJを務めたのは、細野と親交があるモデル / アーティストの
古色蒼然としたキネマ倶楽部に響く味わい深い歌声
SEの「Daisy Bell(Bicycle Built For Two)」が鳴り響く中、バルコニーから細野が姿を現すと盛大な拍手と歓声が沸き起こる。細野はゆっくりとステージに歩を進めると、フロアを見渡し、「ちょっと涼しくなったと思ったら、今日はまた暑いね」と一言。ギターを手に取ると、くくくをバックに「Aayurveda」を演奏し、古色蒼然としたキネマ倶楽部に味わい深い歌声を響かせた。続く「Retort」では細野の孫であるChappoのベーシスト・悠太がステージに合流。細野の「孫です」という簡潔な紹介に会場が和む。「みんな出てきてよ」という呼び込みでChappoのギタリスト福原音、ドラマーの海老原颯がステージに登場。ノスタルジックな「香港Blues」、角銅のリズミカルなパーカッションで軽快にスタートした「北京ダック」を演奏して、エキゾかつトロピカルなムードで場内を満たした。
難曲「PLEOCENE」の演奏にトライ
「ここから先、難しいことできるかな?」という細野の言葉でスタートした「薔薇と野獣」では、バンドがタイトかつ熱のこもった演奏で楽曲の根底に流れるファンクネスを表現。「次の曲がさらに難しい」という言葉に、福原が「(休憩の)スモーキングタイムにします?」と提案するも、細野は「あと20~30曲やったらね(笑)」とジョークで返し、「PLEOCENE」に。メンバーは互いの呼吸を慎重に合わせるようにして緊張感あふれる演奏を展開、原田と角銅の美麗なコーラスをフィーチャーした繊細かつ幻想的なサウンドを作り上げた。ニューオーリンズ風味の泥臭いアレンジが施された「AIWOIWAIAOU」で観客をディープな音の沼にズブズブと引き込んだ細野は、続けて海老原が叩き出すタイトなビートから
Vampire Weekend「2021」に注がれた新たな息吹
アンコールでは、オープニング同様、原田と角銅が登場。ヴィブラフォンとキーボードによる静かなセッションを経て、「花に水」のフレーズが奏でられると、細野とChappoがステージに合流する。最後に届けられたのは「花に水」の音源をサンプリングしたVampire Weekend「2021」のカバー「Watering Flower」。細野は「2021」というフレーズを「2025」に歌い替え、また楽曲の中盤では日本語詞を披露するなど、原曲に新たな息吹を注ぎ込んだ。演奏が終わり、まどろみの中にいるような心地いい余韻が広がる中、細野は穏やかな表情で「ありがとうございます」と客席に一礼し、ステージをあとにした。
セットリスト
細野晴臣「Haruomi Hosono - I’m back from London!」2025年9月4日 東京キネマ倶楽
01. 三時の子守唄~HONEY MOON~HURRICANE DOROTHY (くくく)
02. Aayurveda
03. Retort
04. 香港Blues
05. 北京ダック
06. 薔薇と野獣
07. PLEOCENE
08. AIWOIWAIAOU
09. The Madmen
10. ATOH(Chappo)
11. SAKEROCK~FIRECRACKER(Chappo)
12. Sports Men
13. BODY SNATCHERS
<アンコール>
14. Watering Flower
タグ
細野晴臣 Haruomi Hosono _information @hosonoharuomi_
【ライブレポート】ロンドン帰りの細野晴臣、東京キネマ倶楽部で届けた現在進行形のサウンド https://t.co/m84EFvq6SI https://t.co/DroE2jCLio