午後、真夏の日差しが傾き始めた頃、SUN STAGEに姿を現したのはレキシ。主催者・WESSの若林良三氏から「ミスター・ラサロ」と呼び込まれ、観客が掲げた稲穂が一斉に揺れる光景に迎えられた彼が、1曲目「きらきら武士」でライブを始めると、場内からは大きな手拍子が湧く。同じ時間にRED STAR FIELDでライブをしているRIP SLYMEの「楽園ベイベー」などのカバーや替え歌を交えながら、レキシは自由奔放に会場を盛り上げ、フェスの幕開けにふさわしい華やかな時間を作り上げた。
RED STAR FIELDでは離婚伝説のライブがスタート。松田歩(Vo)のハイトーンな歌声と別府純(G)のギター、そしてキーボードの音色が夏の空気に重なり、青空や緑までも鮮やかに感じさせる。森を抜けると、木材や布などナチュラルな装飾に彩られたBOHEMIAN GARDENでは初出演の君島大空 合奏形態が美しい旋律を紡ぎ、技巧と衝動を融合させたセッションを森に響かせていた。夕暮れが近付くと、無骨なガレージ風のdef garageのステージにシャイトープが登場。肩肘を張らない等身大のロックで観客の胸を熱くした。
夜がふけても音楽は止まらない。23時、RED STAR FIELDでは通し入場券を持つ参加者のみが楽しめる恒例企画「FRIDAY NIGHT SESSION」が行われ、奥田民生、岸田繁(くるり)、はっとり(マカロニえんぴつ)、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、喜多建介(ASIAN KUNG-FU GENERATION)らが次々と登場。お互いの曲をカバーし合う貴重な瞬間を繰り広げた。さらにテントエリアと隣接したPROVOやgreentope、RED STAR CAFEといった場所でもDJやライブが繰り広げられ、深夜まで音楽が途切れることはなかった。
2日目の幕開けを担ったのは宮本浩次。「悲しみの果て」「今宵の月のように」といったエレファントカシマシの代表曲を畳みかけつつ、哀愁たっぷりの歌謡曲「冬の花」、疾走するメタルナンバー「Over the top」などソロならではの幅広い音楽性を存分に発揮した。さらには「俺たちの明日」でステージを降りて客席の間を走り抜けたりと、衰えぬ破天荒ぶりを見せつけてトップバッター務め上げた。
SUN STAGEに登場したポルノグラフィティも、キャリア26年目にしてRSR初出演。岡野昭仁(Vo)は「恋焦がれていました」と語り、ロックモード全開でこのステージに挑んだ。また8月15日が終戦記念日であることに触れ、NHK広島「被爆80年プロジェクト わたしが、つなぐ。」テーマソングに書き下ろした「言伝 —ことづて—」を平和への思いを込めて歌い上げた。
RED STAR FIELDのトリを務めたのはBRAHMAN。スカパラホーンズや細美武士(ELLEGARDEN、the HIATUS、MONOEYES)との共演を交えながらほぼノンストップで突き進む。そしてEARTH TENTのトリを任されたのは、北海道札幌市出身にして初出演のChevon。谷絹茉優(Vo)が思いを込めて何度も「ライジングサン!」と呼びかけ、強烈な歌声とシャウトでオーディエンスを牽引した。
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石狩湾を熱狂で包んだ25回目の夜明け、「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO」2日間をレポート - 音楽ナタリー
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