ゴールデンボンバーの礎を築いた“旧作”ライブ、溶接や人間習字など懐かし演出にファン泣き笑い

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ゴールデンボンバーが1月7日と8日に結成20周年を記念したアリーナワンマンライブ「旧作-kyusaku-」「新作-shinsaku-」を神奈川・ぴあアリーナMMで開催した。

ライブのオープニング、自転車で登場したゴールデンボンバー。(撮影:菅沼剛弘)

ライブのオープニング、自転車で登場したゴールデンボンバー。(撮影:菅沼剛弘)

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2004年に結成され、昨年20周年を迎えたゴールデンボンバー。アニバーサリーイヤーを記念した今回のライブは、活動初期の楽曲や演出を凝縮した1日目「旧作-kyusaku-」、近年の楽曲や新たな演出を取り入れた2日目「新作-shinsaku-」の2公演にわたって行われ、それぞれまったく異なる内容で集まったファンを楽しませた。この記事では初日「旧作-kyusaku-」の模様をレポートする。

七草粥にうどんの配達「やってることがアマチュア」

鬼龍院翔(Vo)(撮影:菅沼剛弘)

鬼龍院翔(Vo)(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

オープニングで流れたのは、2010年に行われたツアー「パンツ大作戦」のオープニング映像。既視感たっぷりのキャラクターが登場して大暴れする懐かしの映像に、客席からはどよめきと爆笑が起こる。そんな中で鬼龍院翔(Vo)、喜矢武豊(G)、歌広場淳(B)、樽美酒研二(Dr)は自転車に乗ってステージへ登場し、1曲目「ワンマン不安」をパフォーマンス。アウトロではこちらも懐かしのキャラクター・ガチュピンが突如登場し、ステージ上を自転車でさっそうと駆け抜けてオーディエンスを驚かせた。

その後も「Sick Lady たぶん…」「恋人は教祖様」と、ヴィジュアル系濃度の高い初期の楽曲を連投したゴールデンボンバー。当時を想起させるオールドスタイルなヘアメイクにも大きな歓声が沸いた。最初のMCで鬼龍院は「20年やっていますが、特に今回新しい発見はないと思います!(笑) いつも通りやらせてもらいます」と断言し、喜矢武は「今日は七草の日。僕は七草粥が大好きなので、腹がちぎれるくらい食べたいと思います」と1月7日ならではの意気込みを見せる。歌広場は「今回のために過去の映像を振り返ったんですが、歌広場さんが痛すぎて見てられない!」と顔をしかめるが、樽美酒から「何も変わってねえよ!」とツッコまれる。そんな樽美酒は「エアードラムをやらせてもらってますが、それで食っていけるほど甘くはない。僕はかけもちでうどん屋さんをやっているんです。皆様のご来店をお待ちしてます」と含みをもたせた。

七草をほおばる喜矢武豊(G)。(撮影:菅沼剛弘)

七草をほおばる喜矢武豊(G)。(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

うどんの配達でアリーナを駆け抜ける樽美酒研二(Dr)。(撮影:菅沼剛弘)

うどんの配達でアリーナを駆け抜ける樽美酒研二(Dr)。(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

続いて4人は「抱きしめてシュヴァルツ」を、鬼龍院が打ち込みで制作したという初期の音源に乗せてパフォーマンス。間奏のギターソロでは喜矢武が土鍋に七草を投入して七草粥を作る……かと思いきや、喜矢武は七草を鷲づかみにして生のまま貪り始める。一方、うどん職人に変身した樽美酒は自らこねたうどんを手に自転車でアリーナへ。観客に配達する途中で転倒し、丼を頭からかぶった状態でステージに戻ってきた。アリーナ会場でのドタバタ劇を終えた鬼龍院は「やってることがアマチュア」と自嘲し、樽美酒も「昔を思い出したけどさ」と苦笑いした。

溶接からの「私立変態学園」再演

溶接で書いた「あけおめ」のメッセージを披露する喜矢武豊(G)。(撮影:菅沼剛弘)

溶接で書いた「あけおめ」のメッセージを披露する喜矢武豊(G)。(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

「トラウマキャバ嬢」「咲いて咲いて切り裂いて」でオーディエンスの一体感を高めたあと、「だからバイバイ」では喜矢武が2012年の東京・日本武道館公演の演出のために取得した資格を駆使し、ひさびさにステージ上で溶接パフォーマンスを披露。鉄板に「あけおめ」の文字を刻み、新春にふさわしい雰囲気をアリーナに届けた。その後ステージ上で上映されたのは活動初期の貴重な蔵出し映像の総集編。手作り感満載のレアな映像の数々に、客席からは驚きの声と笑い声が交互に起こった。

「私立変態学園」を演じるゴールデンボンバー。(撮影:菅沼剛弘)

「私立変態学園」を演じるゴールデンボンバー。(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

ライブ中盤、恒例の演劇コーナーでは2009年のワンマンライブで上演された「私立変態学園」が再演された。常軌を逸した校名の学園に転入してしまった主人公・鬼龍院は、学園を牛耳る御曹司の歌広場や全裸にネクタイの教師・樽美酒の奇行に翻弄されつつ、同級生である喜矢武との絆を深めていく。そんな4人の物語を「愛してると言えなくて」「ごめんね、愛してる」「SAY NO」「幸せな歌」といった楽曲が彩った。芝居が終わり、下ネタ満載の劇を演じ切った喜矢武は「こんな大きいところでやるもんじゃない」と本音を吐露。しかし直後の「ホテルラブ」ではバスタオル1枚の喜矢武が満面の笑顔でダッチワイフを振り回し、歌広場から「ダメだよ喜矢武さん!」と制止されていた。

アリーナのサブステージに立つゴールデンボンバー。(撮影:菅沼剛弘)

アリーナのサブステージに立つゴールデンボンバー。(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

本編も終盤に差しかかり、「ドスケベ」では鬼龍院が「ギターソロ、俺!」と叫んで鬼龍院の背後から腕を回してギターを奏で、観客の黄色い歓声を浴びた「僕クエスト」「まさし」では4人がアリーナに設置されたサブステージへ歩いて移動し、会場後方のファンにも存分にサービス。最後は「†ザ・V系っぽい曲†」を披露し、すさまじいヘドバンの嵐の中で本編を締めくくった。

人間習字の書き初めで大団円

アンコールで喜矢武はこの日のライブを振り返り「過去の盛り合わせって忙しいね……」と遠い目に。鬼龍院も「ただ盛り合わせるだけじゃ、と思っていろいろ手を加えたら忙しくなっちゃった」とアップデートした演出てんこ盛りの一夜を回顧した。そんな鬼龍院の「作ったときは降ってきたものを形にしただけでも、何年もやっているとファンの皆さんの人生が乗ってくるんです」という言葉に続いては「101回目の呪い」「らふぃおら」と、心温まるナンバーを連続で披露。バンドとファンが20年かけて築いてきた絆を改めて印象付けた。

樽美酒研二(Dr)が書いた人間習字の書き初め。(撮影:菅沼剛弘)

樽美酒研二(Dr)が書いた人間習字の書き初め。(撮影:菅沼剛弘)[拡大]

感動的な空気も束の間、そのあとの「また君に番号を聞けなかった」の間奏では作務衣姿の樽美酒が喜矢武を逆さに抱え上げ、頭部を墨汁に付けて文字を書く“人間習字”を披露。こちらも2012年の日本武道館で披露されたパフォーマンスだ。樽美酒が書き上げた3文字は奇しくも13年前と同じく“チンロ”と読める状態になってしまい、鬼龍院は「よくここまでそっくりに書けるな!」と驚愕。一方、墨汁漬けのダメージを食らった喜矢武は「女々しくて」でよろよろした動きを見せ、メンバーに「労れよ!」と懇願する。歌広場は「今年は喜矢武さんのことを大切にするよ!」、樽美酒は「30周年のときはもっとちゃんとやるから!」と、喜矢武の言葉に応えていた。

ダブルアンコールの「イヤホン」でオーディエンスの大合唱が響いたあと、ライブのエンディングではゴールデンボンバーの初代マネージャー・所恵実氏が花束を持って祝福に駆け付けるひと幕も。喜矢武は墨汁まみれの体で所氏を熱く抱擁し、手荒く感謝を伝えた。最後に鬼龍院は「明日もあるけど、まだまだこのバンドは続くから! 一緒に楽しいことをやっていこうな!」とファンに呼びかけ、混沌に満ちた「旧作-kyusaku-」の幕を閉じた。

今回のライブの模様はニコニコ生放送にて1月31日23:59までタイムシフト配信を実施中。視聴チケットは31日18:00まで販売している。

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セットリスト

ゴールデンボンバー 20周年アリーナライブ「旧作-kyusaku-」2025年1月7日 ぴあアリーナMM

01. ワンマン不安
02. Sick Lady たぶん…
03. 恋人は教祖様
04. 抱きしめてシュヴァルツ
05. トラウマキャバ嬢
06. 咲いて咲いて切り裂いて
07. だからバイバイ
08. 愛してると言えなくて
09. ごめんね、愛してる
10. SAY NO
11. 幸せな歌
12. ホテルラブ
13. ドスケベ
14. 僕クエスト
15. まさし
16. †ザ・V系っぽい曲†
<アンコール>
17. 101回目の呪い
18. らふぃおら
19. また君に番号を聞けなかった
20. 女々しくて
<ダブルアンコール>
21. イヤホン

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柚季🍇1/7-8 @raim2005

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