カットアップ実演も!THE BEATNIKSが新旧名曲を続々披露

1

291

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 16 7
  • 173 シェア

高橋幸宏と鈴木慶一によるユニット、THE BEATNIKSがワンマンライブ「Live 2011 "LET’S GO TO BEATOWN"」の東京公演を11月25日に中野サンプラザで敢行。10年ぶりのアルバム「LAST TRAIN TO EXITOWN」を引っさげて行われたこのライブに多くのファンが駆けつけた。

THE BEATNIKS (C)大木大輔(OFFICE INTENZIO)

THE BEATNIKS (C)大木大輔(OFFICE INTENZIO)

大きなサイズで見る(全5件)

開演すると1stアルバム「EXITENTIALISM 出口主義」の1曲目だったインスト「Le Sang du Poete / 詩人の血」が流れ、ステージ後方に設置された巨大なスクリーンには1950年代のアメリカを思わせる映像が映しだされた。舞台の右端にスポットが当たると、そこにいたのは丸テーブルに腰をかけた黒いスーツとハットを見にまとった高橋幸宏と鈴木慶一。続いてバンドメンバーたちも続々登場した。

この日のバンドメンバーは高桑圭(B)、白根賢一(Dr)、堀江博久(Key)、高野寛(G)、高田漣(G、Pedal Steel、Mandorin)、権藤知彦(Euphonium、Glockenspiel、Computer)という豪華な顔ぶれ。ライブは最新アルバム「LAST TRAIN TO EXITOWN」の1曲目「A Song for 4 Beats」からスタートし、スクリーンの映像が演奏とシンクロしてTHE BEATNIKSならではの世界観を作り出していた。

新作からの楽曲が披露される一方で、1987年の2ndアルバム「EXITENTIALIST A GO GO」に収録された「ちょっとツラインダ」「ある晴れた日に」といった懐かしい楽曲も織りまぜつつライブは展開。もともとTHE BEATNIKSの曲として作られたがTHE BEATNIKSのアルバムではなく幸宏と慶一のソロアルバムにそれぞれ収録された「Left Bank」が改めてバンドの曲として演奏され、また高橋幸宏「6,000,000,000の天国」のセルフカバー「7,000,000,000の天国」では雲の上を滑空する映像が感動を誘った。

ライブの途中で幸宏、慶一、高野寛の3人はステージ右端の丸テーブルに移動し、ビートニク世代を代表するアメリカの作家、ウィリアム・バロウズの文章生成手法「カットアップ」を実践。このパフォーマンスは、メンバーが文章を書いた紙をバラバラに刻んで帽子の中に入れ、ランダムに取り出してつなげるというもので、時折飛び出す絶妙なフレーズに観客から笑いが漏れていた。カットアップの実演が終わると、高田漣によるバンジョーの弾き語りを経て、実際にカットアップの手法で歌詞が構成されたバラード「カットアップだ!我らの実存 Cut Up Our Existence」が披露された。

ここから幸宏がドラムセットに移動し、ツインドラムで1stアルバム「EXITENTIALISM 出口主義」収録曲から「Ark Diamant」「Mirrors」、3rdアルバム「M.R.I.」収録曲から「Dohro Niwa」を演奏。アグレッシブなパフォーマンスの連続にそれまで座っていた観客も総立ちになり、曲が終わるごとに盛大な拍手が沸き起こった。1stアルバム発表時はツアーが行われなかったこともあって、この作品の楽曲がライブで選曲されるのは珍しく、慶一によると「Mirrors」に至ってはセットリストに組み込まれたのが今回のライブが初めてとのこと。幸宏はステージ中央に戻ってからも1stアルバムからの曲「No Way Out」を歌い、古くからのファンを楽しませていた。

本編最後に披露されたのは、1987年のシングル「ちょっとツラインダ」のカップリング曲「Total Recall」。THE BEATNIKSの2人はこの曲について「まだ仮タイトルしかついてない段階で自動車のCMタイアップが決まり、海外ロケに行ってこの曲をイメージした映像まで作っていたのに、その後に曲名を『Total Recall』に決めものだから、スポンサーが激怒してタイアップが撤回になった」というエピソードを明かし、会場は笑いに包まれた。

アンコールでは1stアルバムからの楽曲「Inevitable」を、貴重な当時のビデオクリップを流しながら披露。最後は最新アルバムのラストを飾る「最終出口行き Last Train to Exitown」が演奏され、温かい余韻を残したままライブは終了した。ステージを後にするメンバーに会場中から惜しみない拍手が贈られ、終演後のスクリーンにはTHE BEATNIKSから来場者への「Good Night, and Good Luck」というメッセージが映し出された。

THE BEATNIKS「Live 2011 "LET’S GO TO BEATOWN"」2011年11月25日(金)東京 中野サンプラザ セットリスト

01. A Song for 4 Beats
02. Ghost of My Dream
03. ちょっとツラインダ
04. ある晴れた日に
05. Go and Go
06. Camisa De Chino
07. Now and Then
08. Left Bank
09. Didn't Want To Have To Do It
10. 7,000,000,000の天国
11. Come Around The Bends
12. Around The Bends
13. カットアップだ!我らの実存 Cut Up Our Existence
14. Ark Diamant
15. Mirrors
16. Dohro Niwa
17. No Way Out
18. Total Recall
E1. Inevitable
E2. 最終出口行き Last Train to Exitown

この記事の画像(全5件)

読者の反応

  • 1

音楽ナタリー @natalie_mu

カットアップ実演も!THE BEATNIKSが新旧名曲を続々披露 http://t.co/s2s1Jr6q

コメントを読む(1件)

関連商品

リンク

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 THE BEATNIKS / 高橋幸宏 / GREAT3 / Curly Giraffe / ムーンライダーズ / pupa / Neil and Iraiza / 高野寛 / 高田漣 の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。