志磨遼平の半生をお見せします、このツアーはさながら劇場版「ぼくだけはブルー」

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ドレスコーズのワンマンツアー「the dresscodes TOUR 2024"Honeymoon"」のファイナル公演が11月21日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)にて開催された。

ドレスコーズ「the dresscodes TOUR 2024"Honeymoon"」東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)公演の様子。(撮影:森好弘)

ドレスコーズ「the dresscodes TOUR 2024"Honeymoon"」東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)公演の様子。(撮影:森好弘)

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ドレスコーズ「the dresscodes TOUR 2024"Honeymoon"」東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)公演の様子。(撮影:森好弘)

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ぼくだけはブルー

志磨遼平「ぼくだけはブルー」
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今年は自身の生い立ちから2014年のドレスコーズのソロ体制化までを振り返る自叙伝「ぼくだけはブルー」の執筆に注力していた志磨遼平(Vo)。今回のツアーは自叙伝で触れられた時代の楽曲で構成された、志磨曰く“劇場版「ぼくだけはブルー」”形式のセットリストとなった。

ラジカセから聴こえてきた志磨遼平の歴史

ラジカセを操作する志磨遼平(Vo)。(撮影:森好弘)

ラジカセを操作する志磨遼平(Vo)。(撮影:森好弘)[拡大]

本公演のステージには各メンバーの楽器に加え、ソロ体制になってから初のツアー「Tour 2015 "Don't Trust Ryohei Shima"」と同じくラジカセがセッティングされていた。志磨がなんの前触れもなくおもむろにステージに登場し、このラジカセをいじると、「ラブ、アゲイン」「聖者」「人間ビデオ」「Ghost」「ジ・エンド」と彼がこれまで制作してきた楽曲が、テープを巻き戻すごとに時代をさかのぼる形で次々と流れていく。その最中毛皮のマリーズ最初期の楽曲「YOUNG LOOSER」のイントロが聴こえてくると、志磨はテープをストップ。一呼吸置いてもう一度再生すると、今度はドレスコーズの最新曲「ハッピー・トゥゲザー」が流れ始めた。

志磨がラジカセから流れてくるオケをバックに「ハッピー・トゥゲザー」を歌っていると、近年のライブではおなじみのメンバーである田代祐也(G)、有島コレスケ(B)、中村圭作(Key)、ビートさとし(Dr)が続々と舞台に入場。彼らの準備が整うと生音でのパフォーマンスへとシームレスに移行し、マリーズの代表曲のひとつ「愛のテーマ」でご機嫌にライブの幕開けを彩った。

こんばんは、毛皮のマリーズです

志磨遼平(Vo)(撮影:森好弘)

志磨遼平(Vo)(撮影:森好弘)[拡大]

志磨は「今日は僕の半生をお見せしようと思います」「まずは2006年、東京にひとつのバンドが誕生しました。こんばんは、毛皮のマリーズです!」と高らかに宣言し、「BOYS」「REBEL SONG」とインディーズ期のマリーズ曲を届けていく。どんどんと勢いが付いていくと思いきや、「クライベイビー」の途中で突如演奏がストップしてしまった。会場の雰囲気が張り詰める中、志磨が「気づけば…バンドがボロボロになっていました」と口にすると、マリーズが壊滅寸前になった時期の1曲「ジャーニー」へと突入。「止まると 俺 死ぬから」と歌う志磨は客席最前列の柵へと上がり、オーディエンスを“死ぬ”コールで扇動した。

2008年には度重なるトラブルで誰も信じられなくなってしまい、絶望の淵に立たされたという志磨。そんな状況を打開するきっかけとなった「ビューティフル」を披露してからは再び演奏の勢いが増していき、メジャー期に発表した楽曲「ボニーとクライドは今夜も夢中」「Mary Lou」へとなだれ込んでいく。そしてバンド終焉の訪れを滲ませる「HEART OF GOLD」で、マリーズ時代の終わりを表現した。

またバンドを始めてみたけれど

志磨遼平(Vo)(撮影:森好弘)

志磨遼平(Vo)(撮影:森好弘)[拡大]

マリーズ期パートにピリオドを打った志磨たちは、間髪入れずに「そして僕はまた友達とバンドを始めました!」とドレスコーズ期へと入る。疾走感に満ちたサウンドで新バンド始動を告げる「Lolita」、言葉を敷き詰めたポエトリーリーディングが特徴的な「ゴッホ」と活動初期ならではフレッシュな勢いで突き抜けようとするが、志磨は「でもやっぱりダメでした…」とドレスコーズの崩壊を告白。デビュー曲「Trash」で打ちひしがれた心情をありありと表し、そのままフェードアウトするように本編は終わりを迎えた。

フロアにダイブする志磨遼平(Vo)。(撮影:森好弘)

フロアにダイブする志磨遼平(Vo)。(撮影:森好弘)[拡大]

ラジカセから「Tour 2015 "Don't Trust Ryohei Shima"」の冒頭を彷彿とさせるビートが流れ始めると、アンコールがスタート。志磨単独体制始まりの1曲「スーパー、スーパーサッド」を挟み、現在はライブ定番曲となった「愛に気をつけてね」ではオーディエンスによる“Baby Baby あんたなんか”コールが炸裂する。これに合わせて志磨は勢いよくフロアへとダイブし、もみくちゃになりながらステージに戻ったあとは何度も「きらい!」を連呼。その姿は長年積み重ねてきた苦悩を、一気に吐き捨てるようだった。

ドレスコーズ(撮影:森好弘)

ドレスコーズ(撮影:森好弘)[拡大]

ドレスコーズは2025年6、7月に新たなツアー「the dresscodes TOUR 2025」を開催。チケットの販売方法などの詳細は追ってアナウンスされる。また志磨は11月25日に東京・diskunion ROCK in TOKYOにて自叙伝「ぼくだけはブルー」重版記念サイン会を実施する。

セットリスト

「the dresscodes TOUR 2024"Honeymoon"」2024年11月21日 Zepp Shinjuku(TOKYO)

01. ハッピー・トゥゲザー
02. 愛のテーマ
03. BOYS
04. REBEL SONG
05. クライベイビー
06. ジャーニー
07. チャーチにて
08. ビューティフル
09. ボニーとクライドは今夜も夢中
10. Mary Lou
11. HEART OF GOLD
12. Lolita
13. ゴッホ
14. Trash
<アンコール>
15. スーパー、スーパーサッド
16. 愛に気をつけてね

the dresscodes TOUR 2025

2025年6月12日(木)神奈川県 CLUB CITTA'
2025年6月14日(土)宮城県 Rensa
2025年6月15日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
2025年6月21日(土)岡山県 YEBISU YA PRO
2025年6月22日(日)福岡県 BEAT STATION
2025年6月28日(土)愛知県 THE BOTTOM LINE
2025年6月29日(日)大阪府 なんばHatch
2025年7月6日(日)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO)

志磨遼平自叙伝「ぼくだけはブルー」重版記念サイン会

2024年11月25日(月)東京都 diskunion ROCK in TOKYO
START 17:00

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志磨遼平(ドレスコーズ) @thedresscodes

【ライブレポート】先日幕を下ろした《TOUR 2024 “Honeymoon”》最終日、東京公演のレポートがナタリーにて公開に。

森好弘くんによる写真も多数。ぜひご覧ください。#ハネムーンツアー https://t.co/u6B4y1FcZv

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