開演を待ちわびる観客が見つめるステージ上には、「ガソリン EP」というタイトルを象徴するようにたくさんのドラム缶が配置されている。それを赤い照明の光が照らし出し、ライブ開始前から会場には独特な空気が漂っていた。そこにたなか、Ichika Nito、ササノマリイの3人と、サポートメンバーのオオツカマナミ(B)、山本晃紀(Dr / LITE)が登場すると、会場のボルテージは一気に上昇。「Loopback」が披露されるやいなや観客はハンドクラップを力強く打ち鳴らす。「Bloom」ではステージが明るいグリーンの光に包まれ、ホールならではの抜けのいい空間にたなかのエモーショナルな歌声が響き渡った。さらに5人は、たなかの「声出していけそうですか? 踊れそうですか? 天国まで行けちゃいそうですか?」という煽りから「天国」をパフォーマンス。ステージに設置されたミラーボールがオーディエンスを突き刺すようにまっすぐ光を放つ中、Diosはソリッドなアンサンブルを鳴らし続けた。
「Virtual Castle」で会場中が高揚感に包まれたのち、Ichikaは「ガソリン EP」に触れつつ「Diosの音楽は斜に構えた曲が多いと思うんだけど、俺らもそうじゃん。聴いてくれてる人もそういう仲間だと思うんですけど」と語る。そして「そういう、ひねくれた悲しい曲やりたくない?」という言葉に続けて、彼らは「Misery」を演奏。Diosの持つダークな一面でオーディエンスを惹き付け、続く「逃避行」では情感的な歌声とサウンドをホール中にこだまさせた。「ダークルーム」「王」などの演奏後、たなかが「ここから、前にも増して本気で活動していこうと思っているので、ちゃんと付いて来てくれますか?」と観客に問いかけると、客席から大きな歓声が沸き上がった。
ライブが後半に差し掛かった頃、Diosは「ガソリン EP」収録のポップチューン「サマー・テープ」をプレイ。それまでとはガラッと雰囲気の異なるキャッチーなメロディと軽やかなボーカルで、会場にさわやかな風を吹かせた。Diosは3人で作詞作曲を手がけた「愛がすべて」をパフォーマンスしたのち、たなかとササノのツインボーカル曲「スタンダロン」へとシームレスにつなげ、駆け抜けるようなパフォーマンスで観客を魅了。「&疾走」を経てラストに披露されたのは「My Gasoline」。激しいサウンドで観客を目いっぱい動かし、5人はステージから姿を消した。
Diosはアンコールを求める拍手に応えて再び姿を現すと、来年リリースが決定した「脱構築β EP」から「呆然」を演奏。アッパーなメロディと洗練されたサウンドが届けられ、会場の空気は再び沸点に達する。ラストに彼らは「自由」「アンダーグラウンド」を畳みかけ、広々とした会場に轟音を渦巻かせてツアーファイナルを締めくくった。
「脱構築β EP」は来年1月リリース予定で、詳細な発売日や収録内容は後日アナウンスされる。また2025年2月には対バンツアー「脱構築 βwith」が計5会場で行われる。こちらもゲストなどの詳細は追って発表される。
セットリスト
「Dios ガソリンツアー2024」東京公演 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) 2024年11月19日
01. Loopback
02. Bloom
03. 天国
04. 裏切りについて
05. 劇場
06. また来世
07. トロイ
08. ラブレス
09. Virtual Castle
10. Misery
11. 逃避行
12. ダークルーム
13. 王
14. 鬼よ
15. 紙飛行機
16. 花束
17. サマー・テープ
18. 愛がすべて
19. スタンダロン
20. &疾走
21. My Gasoline
<アンコール>
22. 呆然
23. 自由
24. アンダーグラウンド
公演情報
Dios 対バンツアー「脱構築 βwith」
2025年2月11日(火・祝)宮城県 Rensa
2025年2月13日(木)愛知県 Zepp Nagoya
2025年2月14日(金)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2025年2月16日(日)福岡県 UNITEDLAB
2025年2月18日(火)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
<出演者>
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Dios ガソリンツアー2024⛽️
ライブレポートが掲載されました。
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