定刻を迎えるとLIQUIDROOMのステージには、ブランデー戦記と同じく関西にルーツのあるスリーピースバンドw.o.d.が登場。サイトウタクヤ(Vo, G)、Ken Mackay(B)、中島元良(Dr)はリラックスした様子で持ち場に着くと「エンドレス・リピート」を爆音で鳴らし、勢いよくライブの口火を切る。さらに、タイトなベースが存在感を放った「イカロス」や、カッティングギターが光る「lala」もドロップ。「1994」でもあふれんばかりのエネルギーをパフォーマンスに注ぎ込み、観客を圧倒した。
w.o.d.がブランデー戦記とツーマンを行うのはこれが初。サイトウは「呼んでもらってありがとうございます。めっちゃいいやつらでした」と後輩・ブランデー戦記に思いを伝える。MC中にはブランデー戦記のボリ(Dr)の父から群馬・草津のサービスエリアで一緒に写真撮影を頼まれた驚きのエピソードを明かし、サイトウは「『ただのバンド好きなおじさんです』って写真をお願いされて、うれしかったですね」と顔をほころばせた。そして開放感たっぷりの「陽炎」「バニラ・スカイ」を経て「オレンジ」へ。ライブ前半の野性味あふれる楽曲群から打って変わって、穏やかなメロディと温もりのあるメッセージが、場内を優しく包み込んだ。
「あばく」「楽園」で無骨なバンドサウンドを響かせ、フロアに再び熱気を呼び戻すw.o.d.。ダークなムードのダンスチューン「踊る阿呆に見る阿呆」でオーディエンスを存分に踊らせた彼らは「My Generation」で出番を終え、「またライブハウスで遊びましょう」と言い残してステージを去った。
ブランデー戦記のライブは「Kids」でスタート。彼女たちらしいヘビーでダイナミックなサウンドが、瞬く間にフロアの熱量を高める。躍動感のあるベースをきっかけに「Twin Ray」が始まると、蓮月(G, Vo)とみのり(B, Cho)の織りなすハーモニーやボリ(Dr)の軽快なドラミングが鮮烈なインパクトを与えた。セルフプロデュースのミュージックビデオの再生数が500万回を突破している代表曲「Musica」のあとに披露されたのは、10代特有の葛藤が描かれた「Coming-of-age Story」。曲が進むにつれて激しさを増す演奏と、透明感に満ちたボーカルが重なり、オーディエンスを惹き付けた。
大胆なテンポチェンジで沸かせた「ラストライブ」、みのりのベースソロが光った「水鏡」を経てライブは後半戦へ突入。「特別な曲です」という蓮月の紹介をきっかけに未発表の新曲「Fix」が届けられると、切なさの滲むサウンドと繊細な心情を描く歌詞の世界観にファンはじっくりと浸った。余韻が冷めない観客を前に、蓮月は「w.o.d.の本番を『カッコいいー!』と思いながら観てました。実は立ち位置がまったく一緒なんですけど、気付きました? マネしています」と大好きなw.o.d.への思いを語り、「w.o.d.に負けないぐらいカッコいいライブをしようと思います」と気合いを入れ直した。そして、「悪夢のような」でリフレインするフレーズと浮遊感のある歌声で不穏な空気をもたらしたかと思えば、「黒い帽子」ではポップなアンサンブルで熱いムードに塗り替えた。
フィナーレに向かって会場の盛り上がりを増幅させるように、「僕のスウィーティー」「土曜日 : 高慢」で挑発的なサウンドを惜しみなく鳴らしたブランデー戦記は、「悪夢のような1週間」のラストに収録されている「ストックホルムの箱」でライブを締めくくった。それぞれのサウンドをぶつけ合うようなスリーピース同士の熱演に、観客からは大きな拍手が送られた。
w.o.d.は10月23日にメジャー1stアルバム「あい」を発表。11月から2025年3月にかけて本作のリリースツアー「I SEE LOVE Tour」を実施する。ブランデー戦記は2025年1月から2月にかけてキャリア初の全国ツアー「BRANDY SENKI TOUR 2025」を行う。
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ブランデー戦記「悪夢のような1週間」
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Ishit Omprakash @Omprakashindia5
@natalie_mu ブランデー戦記とw.o.d.のツーマンライブが関西で開催。詳細はこちら。