「ユーミンストーリーズ」は
各ドラマの脚本を読んだ原作者3名は、自らの小説との違い、脚本の魅力などをそれぞれコメント。綿矢は「私の原作小説は一人称で書かれていて、主人公の気持ちを書き込めるので、会話や人物どうしの距離感にそれほどこだわりませんでした。けれども脚本の方は俳優さんたちが演じるためにとても詳しく書かれていて面白いなと思いました」、柚木は「主人公の朋己は映画『アメリ』の主人公・アメリのようなイメージで書きました」「麻生久美子さんは(アメリを演じた)オドレイ・トトゥにも通じる魅力のある方だと思うので、私のイメージにぴったりでした」、川上は「ドラマの脚本を読ませていただいた際、自分が書いた話なのに、第四話の最後の方で、思わず落涙してしまいました。自分の小説を読み返して落涙したことなど、一度もないのに(笑)」と、それぞれ見どころを語っている。
「ユーミンストーリーズ」原作者コメント
「青春のリグレット」綿矢りさ
私の原作小説は一人称で書かれていて、主人公の気持ちを書き込めるので、会話や人物どうしの距離感にそれほどこだわりませんでした。けれども脚本の方は俳優さんたちが演じるためにとても詳しく書かれていて面白いなと思いました。
本当は傷ついているけど、それを見せずにちょっと殺伐とした会話で相手との距離を測る、みたいな会話もすごく自然で、男女の恋の終わる時のギスギスした感じとか、すれ違っている感じが伝わるなと思いました。
原作では、主人公が現在から回想する形で過去の出来事が描かれるのですが、ドラマでは過去の場面と現在の場面とがオーバーラップするような作りになっているので、
「冬の終り」柚木麻子
主人公の朋己は映画「アメリ」の主人公・アメリのようなイメージで書きました。すごく真面目で、ああでもないこうでもないと考え尽くした結果、普通はやらないことをやってしまうような人。
ドラマを見たあとに、ずっと会っていない人に連絡してみようかな、と思ってもらえたら嬉しいです。そして、仙川さんが朋己に昔見たドラマの話をしたように、「これ誰も知らないし、誰にも刺さらないだろうな」と思うような話題でも、勇気をもって話してみてほしいです。そこから思いもよらない大冒険が始まるかもしれません。
「春よ、来い」川上弘美
ドラマの脚本を読ませていただいた際、自分が書いた話なのに、第四話の最後の方で、思わず落涙してしまいました。自分の小説を読み返して落涙したことなど、一度もないのに(笑)。
私は小説を書くときに登場人物の喋り方と考え方のクセまでは考えるのですが、顔も着ている服の感じも髪型も、外見は何も考えずに書きます。だからカナコがどんな顔をしているのか自分自身でも分かりませんでしたが、
ドラマはもう原作者の手を離れているので、監督をはじめ、脚本家、出演者、映像スタッフ皆さんの手によってどのような厚みのある作品になったのか、私自身も一視聴者としてとても楽しみでワクワクしています。
NHK総合「夜ドラ『ユーミンストーリーズ』」
第1週「青春のリグレット」
2024年3月4日(月)~7日(木)22:45~23:00
第2週「冬の終り」
2024年3月11日(月)~14日(木)22:45~23:00
第3週「春よ、来い」
2024年3月18日(月)~21日(木)22:45~23:00
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ユーミンの名曲をドラマ化「ユーミンストーリーズ」原作者3名が脚本の魅力をコメント(コメントあり) - 音楽ナタリー https://t.co/Q9qz65laV1