昨年初めてブルーノート東京で単独公演を行ったRHYMESTER。チケットが即完売するほどの好評を受けて企画された今回は、酒豪で知られるメンバーにちなみ「(テンションが)アガっちゃう濃さ」のテキーラをベースにしたオリジナルカクテル「Future Is Born」が特別メニューとして用意され、ブルーノート東京の開業35年以来、最多注文数を叩き出した。
ステージにはサポートバンドメンバーとしてタケウチカズタケ(Key)、藤山周(G)、柳原旭(B)、脇山広介(Dr)、高橋結子(Per)がスタンバイし、「午前零時 -Intro」を奏で出すと、客席の合間を縫うようにしてDJ JIN、宇多丸、MUMMY-Dが登場。拍手と歓声が沸き起こる中、宇多丸が「ブルーノート東京、約束通りやってきました。今年は声出しありですよ!」と煽り、「ONCE AGAIN」でライブの幕を開ける。オーディエンスはフックに合わせて高々と人差し指を上げ、客席の熱気が一気に上昇していった。
MCでは定番のメンバー紹介を経て宇多丸が「このスタイルが楽しすぎて、いつもより多めにリハーサルをしてしまった」とコメント。さらに「この形態はすごくいいと思う。なにしろ我々が最高に楽しんでる。だってブルーノートよ?」と話すと、MUMMY-Dが「まともに考えるとブルっちゃうから考えないようにしてる」と答え、客席の笑いを誘う。そして「自分たちのやってるヒップホップという“非音楽”ともいえるアプローチを、腕利きのミュージシャンがバックアップしてくれるのは本当に心強い」とバンドメンバーへの感謝を述べた。
ライブ終盤ではブルーノートでは初披露となる「待ってろ今から本気出す」をパフォーマンス。パーカッションを始めとするバンド隊のアグレッシブな演奏と、それに対抗するようなMC陣のエネルギッシュなラップ、そしてDJ JINのスクラッチによって会場の熱気は最高潮を迎えた。さらにRHYMESTER楽曲の中でも屈指のハイパーチューンである「ゆめのしま」へとなだれ込み、バンドの演奏によってさらにアッパーにブラッシュアップされたビートによって、とてつもないグルーヴがブルーノートに巻き起こった。彼らは最後にセンチメンタルなトラックと、一筋の光を求めるようなリリックが溶け合う「サイレント・ナイト」を届け、本編を終えた。
アンコールでは「この場にふさわしい、ジャズファンクな曲とマッシュアップしたいと思います」と宇多丸がアナウンス。2MCのアカペラに続き、タケウチのキーボードがダンスクラシックであるエウミール・デオダート「Super Strut」のリフを奏で、そこにRHYMESTERのクラシックである「B-BOYイズム」がマッシュアップされた特別バージョンを熱演。MUMMY-Dは「みんなのことが誇らしいぜ!」とシャウトした。バンドメンバー含む全員で手をつなぎながら観客に向かって手を高く掲げ、この日の成功を祝ったRHYMESTERは、名残惜しそうに観客とハイタッチをしながらステージをあとにした。
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【ライブレポート】RHYMESTERが最高に楽しんだブルーノート東京ワンマン「みんなのことが誇らしいぜ!」(写真15枚) https://t.co/EFYXB1QnTj