羊文学がファンへの思い、次なる展望語ったツアー最終公演「一緒に横浜アリーナをいっぱいにしようぜ」

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羊文学が10月4日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で全国ツアー「羊文学 Tour 2023 "if i were an angel,"」の最終公演を開催した。

塩塚モエカ(Vo, G)(Photo by Asami Nobuoka)

塩塚モエカ(Vo, G)(Photo by Asami Nobuoka)

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紗幕に映し出された天使の肖像

「羊文学 Tour 2023 "if i were an angel,"」最終公演の様子。(Photo by Asami Nobuoka)

「羊文学 Tour 2023 "if i were an angel,"」最終公演の様子。(Photo by Asami Nobuoka)[拡大]

今年は韓国や中国でのワンマンライブを成功させ、大型の野外音楽フェスではメインステージに立つなど、着実にリスナーを増やして活動の規模を広げる羊文学。全国10都市を回り12公演を行う「羊文学 Tour 2023 "if i were an angel,"」は、そんな3人にとってキャリア最大規模の全国ツアーとなった。ファイナルとなる東京公演のチケットはソールドアウト。羊文学は会場に詰めかけた多くのファンを前に約2時間で全20曲を熱演した。

羊文学(Photo by Asami Nobuoka)

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この日を心待ちにしていたオーディエンスが今か今かと開演を待ち構える中、ふと客電が落ちるとステージを覆う紗幕に映像が映し出される。フクダヒロア(Dr)のドラムカウントを合図に羊文学が「エンディング」で音を重ね始めると、紗幕に投影された淡く何かが溶け合う映像は3人の演奏に呼応するように変化していき、最終的にはツアータイトルにもある“天使”の肖像が出現。そしてステージの幕が開き、姿を現した羊文学がテレビアニメ「『呪術廻戦』第2期」のエンディングテーマとして書き下ろした最新シングル「more than words」を届けると客席からは悲鳴にも似た歓声が上がった。会場が大きな拍手に包まれる中、羊文学はポエトリーリーディングを交えつつ疾走感あふれるサウンドで駆け抜ける「人間だった」、怒りの感情にフォーカスしたラウドナンバー「FOOL」を続けて序盤からオーディエンスをバンドの持つ世界観へと引き込んでいった。

未発表曲も織り交ぜたセットリスト

塩塚モエカ(Vo, G)(Photo by Asami Nobuoka)

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今回のツアーは作品のリリースを伴ったものではないため、羊文学は活動初期から近年の作品まで新旧織り交ぜたセットリストでライブを展開。さらに未発表の新曲を3曲もパフォーマンスするという大盤振る舞いでファンを喜ばせた。新曲2曲の演奏を挟み、続いて披露されたのは「祈り」。穏やかな立ち上がりから徐々にノイジーかつエモーショナルな展開を見せるこの曲では、河西ゆりか(B)が体を激しく揺らしながらベースをかき鳴らす。羊文学はその後、塩塚モエカ(Vo, G)が高校時代に見た新宿の風景を描いたと語る初期のナンバー「天国」や、バンドの持つポップネスが詰まった「パーティーはすぐそこ」、重厚なセッションを交えた「OOPARTS」、開けたサウンドに力強いボーカルを乗せた「夜を越えて」などを軽やかにプレイ。最後は幻想的に姿を変える天使の映像をバックに、スローナンバー「ghost」で壮大なサウンドスケープを描き、静けさと深い余韻を残してステージをあとにした。

河西ゆりか(B)(Photo by Asami Nobuoka)

河西ゆりか(B)(Photo by Asami Nobuoka)[拡大]

羊文学は前日に同会場で行われた東京公演初日にて、12月6日にニューアルバム「12 hugs (like butterflies)」をリリースし、2024年4月21日に神奈川・横浜アリーナで自身最大規模となるワンマンライブ「羊文学 LIVE 2024 “III”」を開催することをアナウンスしていた。アンコールではこれらのトピックスについて、塩塚が無理をせずカッコつけず自分たちらしい曲作りができたと「more than words」の制作を振り返りつつ、「次のアルバムは全部そういう曲になっていると思います。『これがこいつらのやりたかったことなのか』と感じてもらえるんじゃないかな」とひと言。河西は横浜アリーナ公演について、「今まで羊文学が大切にしてきたことや、3人らしさを忘れないように“III”というタイトルにしました。楽しみにしていてください!」と笑顔で呼びかけた。

ブレずにカッコよくロックを

フクダヒロア(Dr)(Photo by Asami Nobuoka)

フクダヒロア(Dr)(Photo by Asami Nobuoka)[拡大]

気だるげなボーカルで歌われる、生活に寄り添うような歌詞が聴く者の胸を打つ「金色」の演奏を経て、約2時間にわたって繰り広げられたツアーファイナルも残すところ1曲に。河西は「ツアーは私たちだけではなく、たくさんのスタッフさんが関わっているんですよ。そのスタッフさんが海賊みたいに強くて、すぐ酒を飲むみたいなすごい人たちで。とても頼りになったし、バンっと背中を叩くような勢いで送り出してくれて。そんな人たちと一緒に回ってきたから成長できたのかなと思います」と独特な言い回しでスタッフへの感謝を伝え、ライブ会場に足を運ぶファンの熱量の高さに支えられてきたというフクダは「羊文学はこれからもブレずにカッコよくロックをしていきますので、よろしくお願いします」と意気込みを語った。そして塩塚が「1つひとつ作品を出すたびにみんなが聴いてくれて。いろんな人の思いが重なって、今日もZeppでライブをすることができています。本当にありがとう」「皆さんで一緒に横浜アリーナをいっぱいにしようぜ!」と呼びかけたのち、キラーチューン「あいまいでいいよ」の演奏に突入。会場いっぱいにみずみずしいバンドサウンドを響かせ、ツアー「"if i were an angel,"」の幕を下ろした。

羊文学(Photo by Asami Nobuoka)

羊文学(Photo by Asami Nobuoka)[拡大]

羊文学にとってキャリア最大規模、初のアリーナ公演となる「羊文学 LIVE 2024 “III”」のチケット予約は、10月22日23:59までバンドのオフィシャルファンクラブとチケットぴあにて受付中。

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セットリスト

「羊文学 Tour 2023 "if i were an angel,"」最終公演 2023年10月4日 Zepp Haneda(TOKYO)

01. エンディング
02. more than words
03. 人間だった
04. FOOL
05. 新曲
06. 新曲
07. 祈り
08. hopi
09. マヨイガ
10. 新曲
11. 天国
12. パーティーはすぐそこ
13. 永遠のブルー
14. OOPARTS
15. 光るとき
16. 夜を越えて
17. ghost
<アンコール>
18. 踊らない
19. 金色
20. あいまいでいいよ

羊文学 LIVE 2024 “III”

2024年4月21日(日)神奈川県 横浜アリーナ

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羊文学 @hitsujibungaku

[Live Report]
羊文学 Tour 2023 "if i were an angel,"
Tour Final at Zepp Haneda(Tokyo)
ライブレポートが@natalie_mu で公開中です🎵

#羊文学 #Hitsujibungaku #ツアーファイナル #morethanwords #JJK https://t.co/q2AsBxct03

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