ゆず、生声で飾ったKアリーナ始まりの一歩 世界最大級の音楽特化型会場ついにオープン

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ゆずが神奈川県横浜市に新設された世界最大級の音楽特化型アリーナ会場・Kアリーナ横浜のこけら落とし公演「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」を、9月29日から10月1日まで3日間にわたり開催した。

「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」の初日公演「BLUE×FUTARI」の様子。

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横浜出身・ゆずが担ったこけら落としの大役

北川悠仁

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岩沢厚治

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Kアリーナ横浜の座席数は2万33席。3層に分かれたスタンド全席がステージ正面を向いた扇型の形状が特徴で、音響面や設備面、観客のホスピタリティへのこだわりが詰め込まれている。こけら落としの大役を担ったゆずは、言わずと知れた横浜市出身のアーティストだ。今回のライブは北川悠仁と岩沢厚治の2人きりのパフォーマンスを中心とした初日の「BLUE×FUTARI」、バンド形式による2日目の「RED×ALL STARS」、両日のコンセプトを合わせた3日目の「BEAUTIFUL × FUTARI & ALL STARS」と、それぞれ異なる内容のステージが披露された。この記事では初日「BLUE×FUTARI」の模様をレポートする。

ゆず

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「BLUE×FUTARI」で繰り広げられたのは、2人だけの弾き語りから壮大な世界を表現したアンサンブルまで、ゆずの作り出す音楽の幅広さを感じさせるステージ。横浜・伊勢佐木町での路上ライブから活動をスタートさせ、地元にオープンした巨大アリーナのこけら落としを担うまでになった2人のキャリアを総括するようなライブが披露された。

第一声は生声で「僕らや君たちの思いを響かせたい」

「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」の初日公演「BLUE×FUTARI」の様子。

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開演時刻を迎え、ステージ後方の巨大LEDビジョンに大きなユリの花が開花する映像が流れる中でゆずの2人がステージに登場。2万人の大歓声に迎えられた2人はそのまま花道を歩き、アリーナ中央のセンターステージに立った。岩沢厚治が人差し指を立てて「シーッ!」とささやいたあと、生声で始まった最初の曲は「シュビドゥバー」。マイクを介さない2人の声とギターが、Kアリーナ横浜に響いた初めての音となった。

「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」の初日公演「BLUE×FUTARI」の様子。

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ゆずっこ(ゆずファンの呼称)たちの大きな拍手を浴びた2人はメインステージに戻り、2万人のハンドクラップに支えられて「そのときには」を熱唱。2020年春のコロナ禍真っ只中に制作され、念願のライブ初披露を果たしたこの曲への思いを、北川は「そのときが来たぞ!」と笑顔で叫んだ。「このコンサートでは僕らや君たち1人ひとりの歌を、思いを、広い会場に響かせたい」と、今回のライブのタイトルに込めた思いを語った北川は、会場に集まった観客に向け「僕たち君たちを称えるように、この曲を歌います」と話して「栄光の架橋」を披露。客席のゆずっこたちも大合唱で2人の思いに応えた。

「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」の初日公演「BLUE×FUTARI」の様子。

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「今日から始まりということで」と北川が紹介した次の曲は「始まりの場所」。タンバリンのリズムに乗せ、2人のクリアなボーカルがアリーナ中に響き渡った。その後は北川のトイピアノから始まった「遊園地」、そしてイントロでオーディエンスがどよめいた「境界線」と、路上時代からの楽曲が連続で披露される。中盤の「する~」ではこの日の公演タイトルにちなみ、北川が歌詞を「BLUE」に変えて観客に合唱させるというひと幕も。その後もゆずっこたちの息もぴったりなタンバリンとダンスが繰り広げられた「タッタ」、再び大合唱が響いた「友達の唄」と、会場の広さを感じさせない一体感に満ちたパフォーマンスが続いた。

1年がかりで制作した壮大メドレー「響語り」

「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」の初日公演「BLUE×FUTARI」の様子。

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ここでLEDビジョンでは「ゆずが行くおすすめスポット in横浜」と題した幕間映像が上映された。北川と岩沢が交互に日産の電気自動車「日産サクラ」のハンドルを握り、横浜スタジアムや帆船日本丸などゆずにゆかりの深い場所を巡るというレアな映像にゆずっこたちは大喜び。客席のざわめきが収まらない中、ゆずの2人はアリーナ後方の入口から歩いて現れて場内を騒然とさせる。北川と岩沢はファンとのコミュニケーションを楽しみながらセンターステージに上がり、「サヨナラバス」でライブを再開させた。

「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」の初日公演「BLUE×FUTARI」の様子。

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北川の「素敵な会場の誕生日を、みんなと一緒にお祝いしたい」という呼びかけのあとは、Kアリーナ横浜のオープンを2万人が歌う「贈る詩」で祝福。公演タイトルにちなみ「青」をエモーショナルに届けたあとは、「響語り」と題したメドレーへと突入した。2人の音楽の力に対する思い、平和への願いを込めたこのメドレーは「はるか」「Hey和」「1」「虹」「SEIMEI」と続き、楽曲それぞれの世界を表現したアニメーション映像とともにシンフォニックな音像を展開。終盤ではこの日初めてレーザー光線の演出が繰り広げられ、広大な会場を一気に飲み込んでいく。圧巻のアンサンブルに固唾をのんで聴き入っていた観客は、すべての演奏が終わると感動に満ちた拍手を2人へと送った。

「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」の初日公演「BLUE×FUTARI」の様子。

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メドレーを終えた北川は、緊張が解けた様子で「このコンサートをやると決めたとき、楽しいことをいっぱいやろうと思って。でも日々生きている中で、それぞれが人間として思うことを伝えたいと考えて、約1年かけてこのメドレーを作ってきました」と語り、岩沢も感慨深げな表情を浮かべる。そんな真剣な話の最中、彼のかたわらにはマスコットキャラクターの“ゆず太郎”をあしらった円形のチャイムが運び込まれ、北川は「真面目な話をしてるのに、なぜこれが運ばれてくるのでしょう……」と苦笑いして観客を和ませた。岩沢のブルースハープと北川のチャイムが高らかに響いた「少年」のあとは「夏色」へ。曲中には青色のテープキャノンが放たれ、本編のラストを飾った。

ダンサー&バンドも加えて新曲初披露

アンコールの最初にゆずが歌った曲は、このライブが初披露となった新曲「ビューティフル」。2人はKアリーナ横浜で撮影されたミュージックビデオと同様にダンサー陣、そしてバックバンドを加えたダイナミックなパフォーマンスを繰り広げ、2万人を圧倒した。「やっとみんなに届けることができました」と笑顔を見せた北川は、大人数でのパフォーマンスに至った経緯を「『2人でやる』って言ってたんですけど、今日しか来られない人もいるから、明日の感じも味わってほしくて(笑)」と説明。ゆずのホスピタリティを観客が喜んだあと、最後に2人はダンサーやバンドメンバーとともに「Frontier」を披露する。Kアリーナ横浜の門出を祝う歌声を届けた北川と岩沢は、再びセンターステージから生声で「こけら落とし、おめでとうございます! 万歳!」と叫び、初日公演を締めくくった。

ゆずは11月18、19日にKアリーナ横浜で「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」のアンコール公演を行う。

セットリスト

「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」2023年9月29日 Kアリーナ横浜

DAY1 BLUE×FUTARI

01. シュビドゥバー
02. そのときには
03. 栄光の架橋
04. 始まりの場所
05. 遊園地
06. 境界線
07. イコール
08. 眼差し
09. する~
10. タッタ
11. 友達の唄
12. サヨナラバス
13. 贈る詩
14. 青
15. 響語り(はるか~Hey和~1~虹~SEIMEI~はるか)
16. 少年
17. 夏色
<アンコール>
18. ビューティフル
19. Frontier

ライブ情報

YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama

2023 年11月18日(土)神奈川県 Kアリーナ横浜
2023 年11月19日(日)神奈川県 Kアリーナ横浜

この記事の画像・動画(全11件)

(撮影:中島たくみ、Masanori Naruse、藤川一輝、藤咲千明)

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フォトグラファー:中島たくみ @takumi_nakajima

ゆずのKアリーナ横浜のこけら落とし公演のスチール撮影を担当させていただきました。
こちらのレポートで写真を使用していただいております。
https://t.co/4XTSsColHJ

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このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 ゆず の最新情報はリンク先をご覧ください。

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