今年5月にももクロ結成15周年、6月21日に自身の30歳の誕生日を迎えた高城。神奈川出身の“ハマっ子”で、今年2月に「横浜魅力発信アンバサダー」に就任するなど横浜の街との結び付きが強い彼女は、今回も横浜の会場をソロコンの舞台に選んだが、アリーナ規模での開催はこれが初となった。高城は会場ロビーに衣装を展示し、すべての座席に“れにちゃん親衛隊グッズ”のハチマキと“れにちゃんからのお手紙”を用意するなど、感謝の気持ちを込めてモノノフ(ももクロファンの呼称)をおもてなし。観客は彼女の30歳のバースデーを祝福しつつ、バンドやキッズダンサー、タップダンスの演出も交えた豪華なコンサートを堪能した。
開演時刻になると、客席が高城のメンバーカラーである紫のペンライトの光一色に。オルゴールの音色とともにステージ上の紗幕に高城の幼少期の写真が次々に投影され、彼女の「人見知りだった私が今、笑顔でステージに立っていられるのはみんなが待っていてくれるから。ありがとう、ずっと見ていてくれて。知っているよ。いつも助けられてる。大好きだ、全力で大好きだ」という感情のこもった声が場内にこだました。そしてオルゴールの音色に生バンドの演奏が加わり、次第にアンサンブルが強まっていく中で高城はHoneyWorks「誇り高きアイドル」を1曲目に歌唱。思い出の写真が映し出されていた紗幕の向こうに姿を現した彼女は、この曲を通して30歳の現役アイドルとしての矜持を示すと同時に、ファン、スタッフ、家族への感謝の思いを歌に込めた。
2曲目「SKY HIGH」が始まると紗幕が左右に開き、胸に「RENI 30」と書かれたチアガール衣装を着た高城がステージの前方へ。この衣装を含め、本コンサートで高城が着用したのは「幼少期の衣装を30歳の私が着るとこうなる」というテーマで用意されたもの。1着目は初のお遊戯会のときに着た衣装をモチーフに制作された。モノノフの盛大な歓声を一身に受けた高城は、キッズダンサーを率いながらHoneyWorks「金曜日のおはよう」、FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」を愛らしさいっぱいにカバー。最初のMCでは「ソロコンサートの中で史上最高に緊張したし、みんなの声を聞いたらヤバかったねー」とひさびさに観客による声出しがあるソロコンの空気をじっくりと味わいつつ、「悪夢を見たの。このぴあアリーナに立って、初っ端から全部曲を忘れるっていう(笑)」と緊張しいな高城らしいエピソードを語って観客を和ませた。
次のブロックでは、
ライブ中盤、高城はゼブラ柄がポイントのパンツスタイルの衣装に着替えてセンターステージに登場し、Ado「新時代」をカバー。「新時代はこの未来だ」という歌い出しが伸びやかな高音で響きわたると、客席から驚きの声が上がった。レーザー照明が交差する中で難易度が高い楽曲を歌いきってみせた高城は、さらにテレビアニメ「【推しの子】」のオープニング主題歌として爆発的な広がり方をしているYOASOBI「アイドル」もカバーし、歌だけでなく、ダンサーを率いての躍動感あふれる踊りでも観客を圧倒。Little Glee Monster「君のようになりたい」では、軽快なステップでタップダンスを披露する高城の姿に観客の視線が釘付けになった。バンドメンバーが順番にソロを回し、強靭なグルーヴを生み出して場内のボルテージをさらに高めている間、高城はかわいらしいクマのイラストが描かれたワンピース衣装にチェンジ。ももクロ「D'の純情」、SPEED「Go! Go! Heaven」をパワフルかつスタイリッシュにパフォーマンスし、歌とダンス両方でアイドル歴15年の貫禄を見せつけた。
目まぐるしい展開で楽曲を届けるブロックが終わると、高城は「重大発表があります!」と切り出し、8月29日に初の写真集を発売することを発表。高城が「革命ですよ!」と興奮気味に語った通り、これまでの15年間肌の露出が多くなかったももクロのメンバーとして水着やランジェリーカットも含む写真集の発売は異例のことで、「皆さんが思い描いているような写真集なのかな? いい意味で期待を裏切れたらいいなと思うんですが」という言葉とともに先行カットが会場のモニタに映し出されるたびに客席から大きな歓声が上がる。かねてからの夢であった写真集の撮影を20代のうちに実現させておきたかったという高城は「ひと皮剥けた私を、成長した私を皆さんに届けられたらと思い、今回挑戦させていただきました。ギュッと詰め込んだ私のすべてを、さらけ出した私のすべてを受け取って楽しんで、成長を感じてもらいたいです」とモノノフに呼びかけた。
観客の期待を上回る重大発表で客席を沸かせた高城は、「Dancing れにちゃん」でパフォーマンスを再開。「一緒におどってお祝いしよう!みんなでDancingれにちゃん」というテーマでモノノフから事前に募った30歳のお祝い動画をステージ後方のスクリーンに映し出す演出で、会場の一体感、そしてファンとの絆をより強固なものにする。「一緒に」では総勢約60名のダンサーがステージ上に登場し、スケール感の大きいパフォーマンスが繰り広げられた。さらに「everyday れにちゃん」では紫のテープが客席の上を舞い、キッズダンサーたちが紫のペンライトを手にダンス。発射されたテープの中に直筆サイン入りのものを紛れ込ませるなど、随所に高城のサービス精神が詰め込まれ、このライブのクライマックスにふさわしいにぎやかな光景が、高城のソロコンサートならではの温かい空気とモノノフの笑顔とともに場内に広がった。
アンコールでは客席からの「れにちゃん」コールに応えるように、「overture~ももいろクローバーZ参上!!~」をアレンジしたSEが鳴り響く。自身の笑顔を大きくプリントしたグッズTシャツのアレンジ衣装を着用し、再びステージに姿を見せた高城は、「中華街」や「シーパラ」など横浜にまつわるワードがふんだんに盛り込まれた「レニー来航!!」などをエネルギッシュに歌い踊った。「皆さん30歳のれにちゃん、堪能していただいているでしょうか? 世界一タフな30歳と言われるようにがんばっていきます」と笑顔いっぱいに30代の抱負を口にした高城は、次に2016年発表のソロ曲「しょこららいおん」を歌唱。モノノフから事前に募った“れにちゃんとの思い出写真”をバックに、“れにちゃん親衛隊グッズ”のハチマキを片手になびかせながらしっとりとした優しい歌声を届けた。
ここまで計24曲が披露された「30祭」は、いよいよフィナーレへ。最後に歌われたのは、両親のイニシャルをタイトルに冠した、昨日6月25日配信の最新ソロ曲「M&S~ママパパへ~」だ。「ごくごく普通な家庭で育って。今の私よりも若かった頃に私を育てて、私が計り知れないくらいの苦労や困難があったと思います。このステージに立てるまで成長できたこと、ママとパパに感謝です」と丁寧に言葉を紡いだ高城は、客席にいる両親へ向けて歌と感謝の思いを届けた。
自身のソロコン史上最多曲数、最多時間のライブをやり遂げた高城は、ここまで貫いてきた笑顔を崩し、最後に感極まって涙を見せる。「いつかぴあアリーナでやりたいなっていう密かな目標があったんですが、今日やっと叶いました」「30代もみんながあっと驚くようなサプライズをたくさん準備したいし、みんなに楽しんでもらえるようなことをたくさんしたいです。10代、20代の頃よりもモノノフさんと過ごす時間が増えたらいいなと、今日改めて強く思いました。30歳の私にもついて来てくれますか? 一緒に歩んでくれますか?」とモノノフに呼びかけた高城は、ももクロの「Z」ポーズを決め、盛大な拍手と声援に包まれながらステージにあとに。終演後にはお見送り会を行い、最後の最後までファンとの交流を楽しんだ。
なお本コンサートの模様を生配信した「ABEMA PPV ONLINE LIVE」では、6月30日23:59までアーカイブ映像を配信中。
高城れに「30祭」2023年6月25日 ぴあアリーナMM セットリスト
01. 誇り高きアイドル
02. SKY HIGH
03. じれったいな
04. 金曜日のおはよう
05. わたしの一番かわいいところ
06. じゃないほう
07. 恋だろ
08. 何度でもセレナーデ
09. Voyage!
10. 新時代
11. アイドル
12. MYSTERION
13. レディ・メイ
14. 君のようになりたい
15. D'の純情
16. Go! Go! Heaven
17. spart!
18. Dancing れにちゃん
19. 一緒に
20. everyday れにちゃん
<アンコール>
21. レニー来航!!
22. Tail wind
23. しょこららいおん
24. まるごとれにちゃん
25. M&S~ママパパへ~
ヤマモトショウ @yamamoto_sho
もちろん事前に連絡はいただいてたんですが、「わたかわ」カバー嬉しい! https://t.co/NIEWNCUpAb