MY FIRST STORYとWANIMAが「THANX」でコラボ、観客熱狂させた有明の一夜

MY FIRST STORY主催の対バンイベント「『Giant Killing』Vol.4」が5月31日に東京・有明にある東京ガーデンシアターで行われた。

「Giant Killing」はMY FIRST STORYによる対バン企画シリーズ。前回は昨年12月に神奈川・横浜アリーナでゲストにマキシマム ザ ホルモンを迎えて行われ、4回目となる今回はWANIMAがゲスト出演した。

先攻のWANIMAは1曲目に「BIG UP」をセレクトし、冒頭からパワフルなパフォーマンスを展開。この日の少し肌寒い外気に反して、場内は一気に熱気で満たされた。観客が盛り上がる様子を目にしたKENTA（Vo, B）は「100点でございます！ 」と満足気な表情を浮かべる。3人は勢いを保ったまま踊るようなベースラインが印象的な「リベンジ」、メロディ展開がめまぐるしく変わる「Cheddar Flavor」を続けた。KENTAが亡くなった漁師の祖父に向けて歌う「1106」ではフロアがエモーショナルな雰囲気に。彼はこの曲を大切そうに歌ったのち「届くはずないやろと思いながらもいつも歌ってます」と少し寂しそうに笑った。

MCではKENTAが客席に向かって優しく語りかけ、日々の苦労を労う言葉をしきりに口にし、オーディエンスを元気付ける。しかしその後KENTAが「あと8分しかないのにまだ4曲も（演奏予定の曲が）ある！ ヤバい時間ない！」と焦りながら、その場でセットリストを変更。WANIMAは畳みかけるように「Hey Lady」「いいから」とアッパーな楽曲を連投した。最後に「ともに」でシンガロングを巻き起こし、KENTAは曲名になぞらえて「これからもマイファスと“ともに”生きていってください！」と笑顔で締める。彼らはピースフルな余韻とライブバンドの迫力を漂わせてMY FIRST STORYにバトンをつないだ。

後攻のMY FIRST STORYはどっしりとしたビートと骨太なロックンロールサウンドが響く「アンダーグラウンド」でウォームアップ。さらにラウドな「ALONE」を続け、先のWANIMAが残した朗らかなムードを一変させる。人気曲「I’m a mess」、ダンサブルな「ACCIDENT」に続けて演奏されたのは、この日配信リリースされたばかりの、“真夜中の東京”を題材にしたセンチメンタルなロックナンバー「東京ミッドナイト」。MY FIRST STORYはシンセサイザーを取り入れた都会的なサウンドでバンドの最新のモードを打ち出す。オーディエンスは発表されたばかりの曲が早くも披露されたことを喜びつつ、Hiro（Vo）の切なげなハイトーンボイスを堪能した。

Hiroは今回の対バンについて「自分たちで対バンイベントを企画することが少ないから、『Giant Killing』は意味のあるものにしたいと思っていて、今回は去年『1CHANCE FESTIVAL』（WANIMA主催のフェス）に誘っていただいたWANIMAさんに声をかけました。心よくOKをいただいてありがたいです。先輩と一緒にやれるっていうのは気合いが入りますね」と語った。その後彼らはWANIMAにアピールするかのように気迫に満ちたパフォーマンスを展開。「MONSTER」では獰猛な“MONSTER”を想起させる荒々しいプレイと重低音でオーディエンスを圧倒し、「不可逆リプレイス」では観客にシンガロングを促して会場に一体感をもたらした。

ここでHiroに呼び込まれ、ステージにKENTAが登場。KENTAが「いやー、うしろで観てたけどいいライブやったね！」と笑うとHiroは「いやそういうのは楽屋でやるヤツ！」とテンポよく返し、2組の親密な間柄をうかがわせた。そして2組はWANIMAの「THANX」を演奏。HiroとKENTAは楽しそうに声を重ね、レアなコラボレーションで観客を沸かせて4度目の「Giant Killing」を終えた。