5月16日に東京・WWW Xにて
ライブナタリーの主催イベントとして行われた本企画。ヒトリエとThe Novembersはともに10年以上活動を続けてきたが、ツーマン形式で競演するのは今回が初となった。
先陣を切ったThe Novembersは、穏やかで優しいムードあふれる「GIFT」で来場者たちを歓迎。冒頭では「Hallelujah」「美しい火」とThe Novembersの美学を端的に表すナンバーがセレクトされ、彼らならではの世界観が存分に示された。そんな中「理解者」から小林祐介(Vo, G)はギターを置いてのパフォーマンスへと移行し、「New York」ではダンスしながらのシャウトで観客たちを惹き付けていく。一方「こわれる」以降は4人で禍々しいほどの轟音を響かせたりと、さまざまな表情を見せていった。
ヒトリエとは数年前に行われたライブイベントの楽屋裏で挨拶したことがあったが、再会までしばらくの期間が空いたというThe Novembers。MCで小林は「ヒトリエの評判は僕らのところにも届いていました。こんな形で再会できたことに感謝しています」「リハーサルからすごい気合が入っていて、自分たちのことを『超カッコいい』と思えるバンド同士の競演だとわかって。その姿勢が一番誠実だと思うし、胸を張ってここに来ることができました」とヒトリエへのリスペクトを語る。そしてThe Novembersは「Rainbow」で未来への希望を壮大に描き、ヒトリエへとバトンを渡した。
続いて登場したヒトリエはThe Novembersが生み出した熱気を引き継ぐように、全編にわたって重厚なグルーヴが放たれる「curved edge」でライブの火蓋を切る。「ゲノゲノゲ」「伽藍如何前零番地」ではキャッチーでありながら、どこか妖しげなムードも漂うギターフレーズがかき鳴らされ、ヒトリエ独自のサウンドが次々と飛び出した。中盤の「RIVER FOG, CHOCOLATE BUTTERFLY」ではシノダ(Vo, G)がギターを置き、マイクを片手にステージ中を縦横無尽に歩き回りながら熱唱。さらに持ち場へ戻ると、ギターを振り回しながらノイジーな演奏をこなす、自由奔放なステージングを繰り広げた。
Spotifyで好きな曲を流しながら昼寝をすることが好きだというシノダは、The Novembersの楽曲がよくおすすめに選出されることを明かしつつ、今回のツーマンはヒトリエ側の希望によってこの座組となったことを報告。「The Novembersがもうカッコよすぎて……」と圧倒されつつも、「闘志がまろび出ています。ここからが本気です」と気合いを滲ませる。そんなシノダの“闘志”を表すように、ヒトリエは高速リフとラップのように敷き詰められた歌詞で畳みかける「シャッタードール」、“3分29秒”で目まぐるしく曲調が移り変わる「3分29秒」などを立て続けにプレイした。その後切なさあふれる「イメージ」でいったん本編を締めくくりつつも、アンコールの「カラノワレモノ」で再びフロアはヒートアップ。2組は互いの持ち味を遺憾なく発揮し、白熱の初ツーマンを終えた。
「ライブナタリー “ヒトリエ × The Novembers”」2023年5月16日 WWW X セットリスト
The Novembers
01. GIFT
02. Hallelujah
03. 美しい火
04. dysphoria
05. 理解者
06. New York
07. こわれる
08. BAD DREAM
09. Xeno
10. Rainbow
ヒトリエ
01. curved edge
02. ゲノゲノゲ
03. ハイゲイン
04. 伽藍如何前零番地
05. RIVER FOG, CHOCOLATE BUTTERFLY
06. Marshall A
07. シャッタードール
08. アンノウン・マザーグース
09. 3分29秒
10. イメージ
<アンコール>
11. カラノワレモノ
リンク
ヒトリエ @hitorieJP
▶︎WEB
『ナタリー』
https://t.co/pWx5ozyeN8
5月16日に開催された「ライブナタリー “ヒトリエ × The Novembers”」のライブレポート掲載❗️