ヒトリエ、過去と現在をつないだ初のホールワンマンライブ「これからまだまだ楽しいことが」

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ヒトリエのワンマンライブ「HITORI-ESCAPE IN THE CUBE」が、2月23日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて開催された。

ヒトリエとは?

wowaka(Vo, G)、シノダ(G, Cho)、イガラシ(B)、ゆーまお(Dr)の4人により結成されたバンド。ボカロPとして高い評価を集めていたwowakaがネットシーンで交流のあったシノダ、イガラシ、ゆーまおに声をかけ、2012年に活動をスタートさせた。2013年11月に開催したワンマンライブ「hitori-escape:11.4 -非日常渋谷篇-」にて、ソニー・ミュージックグループ傘下に自主レーベル「非日常レコーズ」を立ち上げることを宣言。2014年1月にメジャーデビューシングル「センスレス・ワンダー」を発表した。その後も精力的なリリースとライブ活動を展開するが、2019年4月にwowakaが急逝。残るメンバーは3名体制で同年9月より全国ツアーを行った。2021年2月に新体制で初のフルアルバム「REAMP」を発表し、2022年6月には新体制アルバム第2弾「PHARMACY」をリリース。2024年6月にメンバー4人それぞれが作曲を手がけた楽曲を収録したシングル「オン・ザ・フロントライン / センスレス・ワンダー[ReREC]」をリリースし、9月に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)でワンマンライブを行った。11月にwowakaが作曲した楽曲4曲を収録したシングル「NOTOK」をリリース。2025年1月にニューアルバム「Friend Chord」をリリースし、本作を携えた全国ツアーを3月より開催する。

ヒトリエ

ヒトリエ

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ヒトリエがホール会場でワンマンライブを行ったのは今回が初。バンドが歩んできたさまざまな時代の楽曲を網羅しつつ、この日ならではの選曲、ライブではひさびさの披露となるレアなナンバーも含めた豪華なセットリストが組まれた。

1曲目は3人体制で初披露のあの曲

開演時刻を迎えたステージ上での青いライトの点滅に合わせ、満員のオーディエンスは力強いハンドクラップを送る。その音に迎えられて現れたシノダ(Vo, G)、イガラシ(B)、ゆーまお(Dr)が最初に奏でた曲は、2016年にリリースされたアルバム「DEEPER」の収録曲「GO BACK TO VENUSFORT」。ライブで演奏されるのはアルバムリリース当時のツアー以来実に約10年ぶり、かつ現在の3人体制での披露はこれが初めてという意外性に富んだ選曲に、観客は一気に沸き返った。その後3人は「ジャガーノート」「オン・ザ・フロントライン」と、ライブに欠かせないナンバーを連続してドロップ。ホール会場らしからぬ熱狂で場内を満たしていった。

シノダ(Vo, G)

シノダ(Vo, G) [高画質で見る]

鳴り止まない拍手をひととき浴びたあと、シノダは「初のホールワンマンでございます。俺主体からするとまあまあいい景色よ? お前らはどうよ?」と不敵に笑う。「お互いいい感じということで。さらにどんどんいい感じにしていきましょう」とシノダが呼びかけたのち、3人は「ネバーアンダースタンド」のエモーショナルな音像を届ける。ゆーまおのアグレッシブなドラム、シノダの鮮烈なギターがイントロで炸裂した「日常と地球の額縁」のあとは「Selfy charm」そして「RIVER FOG, CHOCOLATE BUTTERFLY」へ。ライブ序盤の疾走感とはまた異なる、奥行きをたたえた浮遊感あるサウンドを鳴らした。間奏ではシノダがステージをのたうち回りながら轟音のノイズギターを響かせ、客席を圧倒した。

「LINE CUBEでこの曲を」切なる思いと遊び心を込めて

シノダのパフォーマンスに息を呑んでいたオーディエンスだが、「今日はおそらくヒトリエ史上1、2を争う見やすさで。ライブハウスだと寝そべっても何が起きてるかよくわからないけど、今日はよく見えたんじゃないかと思います(笑)」という言葉に思わず笑いがこぼれる。場内が和んだのち、シノダは「会場が大きくなればなるほど大きく鳴り響く音楽がある。俺らが一番最初に作った曲、どのくらい響くか試してみていいですか?」と呼びかけ、「カラノワレモノ」を奏でた。ステージ上に立ち込めたスモークとレーザー光線が絡み合う幻想的な光景の中、オーディエンスは3人の熱演に応えて力強いジャンプを繰り返した。

さらにこちらも初期の楽曲で3人体制では初披露の「なぜなぜ」、そして「フユノ」に続き、「LINE CUBEという会場でライブをしようと決めた瞬間に『絶対この曲はやろう』と決めた」というシノダの言葉から「プリズムキューブ」が披露される。wowakaの遺した初期の楽曲を連投しつつ、会場名にちなんだ遊び心も漂わせるセットリストに、場内からは1曲ごとにすさまじい歓声が沸き起こった。

イガラシ(B)

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駆け抜けてきた結果が今日につながった

ライブ後半、シノダはバンドが歩んできた軌跡を振り返り「どんな時期でもライブを止めなかった、駆け抜けてきた結果が今日につながりました」と語り、これまで支えてくれたファン、この日初めてライブに足を運んだファンに感謝を述べる。そして「これが俺たちヒトリエのライブです。これからまだまだ楽しいことが待っています」と高らかに宣言した。「SLEEPWALK」の軽快なリズムで再び会場の一体感を高めると、イガラシのダイナミックなベースイントロから「ハイゲイン」へなだれ込む。その後は「みにくいかたち」「3分29秒」と、3人体制以降に生まれた楽曲を通じて今のヒトリエのリアルな姿を見せつけた。

「アンノウン・マザーグース」でオーディエンスの大合唱に包まれたあと、シノダが「俺たちはこの曲をLINE CUBEに刻むためにここまでやってきました」と紹介した本編最後の曲は「ラインアート」。過去をつないで前に進む思いを描いたメッセージを「今、ここから、轟音。」という歌詞どおりの轟音に乗せ、3人だけで初めて奏でるその姿に、観客は言葉を忘れて見入った。

ゆーまお(Dr)

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ヒトリエ史上一番高い位置から見られて

渾身のアンサンブルでホールを掌握した本編から一転し、アンコールでは3人それぞれがようやくリラックスしたような表情を見せる。ゆーまおは「ヒトリエ史上一番高い位置、あんな上から見られたことはないです」と2階席や3階席の観客に目をやり、曲中にジャンプしていた様子を「止めてほしいです。怖い(笑)」と振り返る。そんなゆーまおの写真をあしらった、イガラシによるデザインの恒例グッズTシャツについては“ライン”と“キューブ”をモチーフにうまく落とし込んだ仕上がりを「うまいことやったよね」と絶賛。作者のイガラシは「ゆーまおのソロのアーティスト写真に一筋の光が差し込んでるのを見て……これでLINE CUBEを表現しようと思いました」と語り、シノダやゆーまお、そしてオーディエンスを感嘆させた。

シノダはかつて10代を対象にしたアマチュア音楽コンテスト「TEENS' MUSIC FESTIVAL」に出場した際、準決勝まで進んだものの決勝会場の渋谷公会堂にたどり着けなかったというエピソードを明かし「ようやく、何年経ったかわかんないけど」と願いを叶えたことを喜ぶ。「因縁の場所には執念があれば立てる。お前らも執念を忘れるな!(笑)」と観客に呼びかけたシノダは「楽しいことはどんどんやるべきなので、こういう感じのことはまたやろうと思います」と再びのホールワンマン公演を誓った。3人がアンコールで披露したのは「ポラリス」そして「ステレオジュブナイル」。最後は銀テープが放たれ、記念すべき公演のエンディングを鮮やかに飾った。

ヒトリエ「HITORI-ESCAPE IN THE CUBE」の様子。

ヒトリエ「HITORI-ESCAPE IN THE CUBE」の様子。 [高画質で見る]

セットリスト

ヒトリエ「HITORI-ESCAPE IN THE CUBE」2026年2月23日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

01. GO BACK TO VENUSFORT
02. ジャガーノート
03. オン・ザ・フロントライン
04. ネバーアンダースタンド
05. 日常と地球の額縁
06. Selfy charm
07. RIVER FOG, CHOCOLATE BUTTERFLY
08. カラノワレモノ
09. なぜなぜ
10. フユノ
11. プリズムキューブ
12. SLEEPWALK
13. ハイゲイン
14. みにくいかたち
15. 3分29秒
16. アンノウン・マザーグース
17. ラインアート
<アンコール>
18. ポラリス
19. ステレオジュブナイル

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ヒトリエ @hitorieJP

▶WEB

2026.02.23
HITORI-ESCAPE IN THE CUBE
@東京 LINE CUBE SHIBUYA

『ナタリー』ライブレポート掲載
https://t.co/RUBYRKzAcE

photo by 西槇太一

#ヒトリエ
#HITORIESCAPE
#LINECUBE

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