ポルノグラフィティが“暁”の向こう側を見せた全国ツアー、日本武道館2DAYSで29公演完走

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ポルノグラフィティの全国ツアー「18thライヴサーキット“暁”」のファイナル公演が、1月24日に東京・日本武道館で開催された。

ポルノグラフィティ(撮影:入日伸介)

ポルノグラフィティ(撮影:入日伸介)

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昨年8月リリースの最新アルバム「暁」を携え、9月にスタートした今回のツアー。全国27公演にわたる各公演を無事に終えたポルノグラフィティは、23日と24日の日本武道館公演でツアーの終幕を飾った。

ポルノグラフィティ(撮影:入日伸介)

ポルノグラフィティ(撮影:入日伸介)[拡大]

ライブのオープニングでは大きなシャンデリアがステージを照らし、床一面にスモークが立ち込めて怪しげな雰囲気を醸し出す。サポートメンバーの玉田豊夢(Dr)、山口寛雄(B)、皆川真人(Key)、tasuku(G)が登場したのち、ステージ下手のドアがきしみながら開くと、岡野昭仁(Vo)と新藤晴一(G)が姿を現した。最初に披露された曲は「悪霊少女」。サウンドを再現したかのようなステージの光景を、オーディエンスは固唾を呑んで見入った。そのまま「バトロワ・ゲームズ」そして「カメレオン・レンズ」と、「暁」に収録されたミディアムチューンが次々と演奏されていく。独特の湿度を持った楽曲群で、観客は徐々に「暁」の世界へと引き込まれていった。

ステージに熱い視線を送るファンの様子を見た岡野は「ええ感じやね、ファイナルに見合った空気になっとるね」と笑顔を浮かべる。新藤は「18回目のツアーになるけど、毎回重要なのは新しいアルバムを持って新しいツアーを回るということ。みんなの熱を込めてもらうことで、僕たちが作ったときよりも新しい『暁』になると思います。『暁』がどんなアルバムになるのかは皆さんにかかってます」と、オーディエンスとともに進化していくアルバムの世界への期待を明かした。

場内の熱気を高めた「ネオメロドラマティック」に続いては、今回のツアーがライブ初披露となった「プリズム」へ。7色の照明に照らされながら展開された壮大なサウンドスケープに、観客は目を輝かせて聴き入る。岡野はライブ配信やライブビューイングを通じて見守るファンに「全国で観てくれている人がいると思うと、また世界が広がるね」と語りかけた。新藤も声出し禁止などのさまざまな制限がかかる現在のライブについて「こういう形式のライブは今回が最後かもしれないでしょう? 『こんな時代のこんなツアーもあったね』という思い入れの深いツアーになったと思います」と、感慨深げに話した。

ポルノグラフィティ(撮影:入日伸介)

ポルノグラフィティ(撮影:入日伸介)[拡大]

そして岡野から新藤への質問から始まった、今年夏から上演される新藤プロデュースのミュージカル「ヴァグラント」についての軽妙なトークを繰り広げたあとは、再びアルバム「暁」の楽曲が披露される。「ナンバー」「クラウド」はミュージックビデオの世界を彷彿とさせる映像とともに演奏され、力強さの中に儚さを感じさせるサウンドでオーディエンスを魅了した。皆川のエレピから「ジルダ」が始まると、その柔らかなアンサンブルに誘われてリラックスした空気が会場に満ちていった。

続いては2005年リリースのアルバム「THUMPχ」の収録曲「うたかた」が届けられた。ライブで演奏されるのは2009年に行われた東京・東京ドーム公演以来実に14年ぶりというこの曲を、今回はアコースティックアレンジで披露。新藤が奏でるギターの音色が楽曲に新たな彩りを加え、ポルノグラフィティのキャリアを改めて感じさせるひとときとなった。

「さあ皆さん、生ける屍となる時間がやってまいりました! 覚悟はいいですか?」という岡野の言葉から「Zombies are standing out」のヘヴィなイントロが始まると、ステージ左右に上がる火柱の演出も相まって会場のボルテージは再び上昇。「メビウス」でオーディエンスを深淵へと導いたあと、クラシカルで荘厳なインタールードをはさみ「証言」が披露された。ステージの後方に下がった紗幕と両サイドに長く伸びたLEDビジョンにはモノクロの映像が映し出され、バンドメンバーが繰り出すシリアスな音像にさらなる深みを与えた。

客席の緊張感をほぐすように岡野が「まだまだアゲアゲにしたいと思います。声は出せないけど、体で表現してください!」と呼びかけたあとは「アゲハ蝶」へ。各メンバーのソロが繰り広げられたインタールードと、続くライブの定番曲「ミュージック・アワー」はファンキーな新アレンジで披露され、聴き慣れているファンにも新たな驚きをもたらした。

ポルノグラフィティ「18thライヴサーキット“暁”」日本武道館公演の様子。(撮影:入日伸介)

ポルノグラフィティ「18thライヴサーキット“暁”」日本武道館公演の様子。(撮影:入日伸介)[拡大]

岡野と新藤が2階席の隅々まで、何度も顔を上げながら披露された「VS」「テーマソング」が終わると、本編はいよいよ最後の曲へ。岡野は「こんな時間を共有できたわしらにもみんなにも、明るい光が差しているはず。“暁”の先には今よりももっと強い光が差してくることを信じて、あと1曲を届けたいと思います」と語る。その言葉に続いて披露されたのは、もちろんアルバムタイトル曲の「暁」。それぞれの思いが込められた熱いパフォーマンスで本編の幕が閉じられた。

おなじみのリズムで響いたアンコールの手拍子に応え、メンバーたちは再びステージへ。ここで岡野は「新曲をお届けしたいと思います」と話し、ファンを驚かせた。岡野はこの曲について「リリースとか決まっているわけではなく、僕たちが鳴らしたい音や言葉を詰め込んだ曲」と語り、新藤は歌詞に込めたメッセージを「自分の未来を想像するとき、傷つきたくないから“すごい自分”は想像できない。でもそうやって“見積もった自分”のほうに行ってしまう、ということがあると思うのよ。それをみんなはどう思うのか、という曲です」と話した。

2人の言葉のあと披露された新曲「OLD VILLAGER」は、骨太なギターとシニカルで棘のある歌詞が印象的なロックチューン。歌い終えた岡野は「長く愛されるような曲になれば。これからも楽しみにしてください」と、ポルノグラフィティのさらなる前進を誓い、オーディエンスから大きな拍手を浴びた。

「Century Lovers」で会場との一体感を高めたのち、2人は観客に最後の挨拶を行う。新藤は「たくさん集まってくれる皆さんの顔を見られるのが、24年続けられる理由です。これからも皆さんの心に僕らの曲の置き場所を作ってもらえたら」と語る。岡野は「24年経って作品を作るときの迷いがなくなりました。それは皆さんという、届ける場所がはっきりしてるから。皆さんをイメージするとどんどん作品ができていって、それが感動するものであれば皆さんが広げてくれることが非常にありがたいです」と、ファンとの関係性にそれぞれ感謝を述べた。

恒例のラストナンバー「ジレンマ」を熱く届け、岡野と新藤はサポートメンバーたちとハイタッチやハグを交わしてツアーの完走を喜ぶ。その後も2人は名残惜しそうに花道を行き来し、会場のファン、配信やライブビューイングを通してファイナル公演を楽しんだファンに手を振り続けた。

今回のライブのアーカイブ映像は1月27日までLIVESHIPにて配信中。また2月25日にはWOWOWプライムでのオンエアも決定している。

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ポルノグラフィティ「18thライヴサーキット“暁”」2023年1月24日 日本武道館 セットリスト

01. 悪霊少女
02. バトロワ・ゲームズ
03. カメレオン・レンズ
04. ネオメロドラマティック
05. プリズム
06. 愛が呼ぶほうへ
07. ナンバー
08. クラウド
09. ジルダ
10. うたかた
11. 瞬く星の下で
12. Zombies are standing out
13. メビウス
14. 証言
15. アゲハ蝶
16. ミュージック・アワー
17. VS
18. テーマソング
19. 暁
<アンコール>
20. OLD VILLAGER
21. Century Lovers
22. ジレンマ

WOWOWプライム / WOWOWオンデマンド「ポルノグラフィティ 18th ライヴサーキット“暁”」

2023年2月25日(土)20:00~
(※放送終了後から1週間アーカイブ配信あり)

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