Royal Scandal、3年ぶりのツアーで“笑顔を取り戻す戦い”に勝利する

Royal Scandalが1月7日に北海道・Zepp Sapporoにて全国ツアー「Royal Scandal WONDER TOUR 2022 -RED & BLACK-」の最終公演を開催した。

開演直前、“幸せの国”を舞台にした物語が読み上げられ、人々から“楽しみを奪った”魔女とRoyal Scandalの戦いがライブで繰り広げられることがアナウンスされた。“午前0時の鐘”が鳴り響き、ステージの照明が照らされるとステージ中央にはluzの姿が。奏音69はキーボードの前に立ち、バックバンドとともに1曲目「チェシャーゲーム」を演奏した。2曲披露したところで再びナレーションが入り、海辺の少女・ニナと隣国の王子・アルベールの物語が読み上げられる。多数のキャラクターが登場するRoyal Scandalの楽曲群の中でニナという少女は初めて登場するキャラクターであり、オーディエンスはライブでの新事実発覚に驚く。ニナとアルベールの関係性を描く「マーメイドシアター」が披露され、「ビタースウィート」の演奏に入る直前にluzは「最後の夜だよ。楽しもう」とひと言。手拍子を煽った彼は、会場内に鳴り響くクラップの音に耳を傾け気持ちよさそうに体を揺らしながら歌声を響かせた。

謎めいた新キャラクター・キャスリンが登場するとluzがステージから姿を消し、ライブの様相が一変する。「Royal Scandalが描く物語とは少し違う」というナレーションが読み上げられると、奏音69がステージ中央に立つ。奏音69はマイクを取り、自身が7年前に投稿したボカロ曲「ミリオンダラードリーマー」のセルフカバーを熱唱した。続くインスト曲「Casinojack」を経て、衣装をチェンジしたluzが再びステージに現れるとRoyal Scandalは「ワンスアポンアタイム」で“魔女との戦い”を再開。スヴェンとロゼッタの物語を描いた「BULLET」と「REVOLVER」など、これまで発表してきた楽曲がキャラクター軸で届けられ、3年前から大幅に深みを増したライブでオーディエンスを楽しませた。

Royal Scandalの楽曲の中でもっとも多く描かれるチェルシーとルイスの物語は、グループの“エピソード0”として知られる楽曲「チェリーハント」でスタート。さらにさまざまな伏線を仄めかした要素がちりばめられた楽曲「ワンダーランドインアリス」、Royal Scandalの楽曲の中では珍しいバラード調のナンバー「光」が立て続けに届けられたところで、最後のナレーションが読み上げられた。「Royal Scandalが勝負の物語を4つ語り終えたとき、人々はいつの間にか“楽しい”という気持ちを取り戻していました」「人々は約束をしました。この国がすべて元に戻ったらもう一度ここで会うことを。そのときこそ、家族や友人と集まって、大声で笑い合って、みんなで一緒に歌おう」というメッセージが伝えられたところで、本編最後の楽曲「魔法」が流れ始める。「魔法」はファンタジーを描くRoyal Scandalの楽曲の中で例外的に“現実”を描いた楽曲。luzはツアーが終わることを名残惜しむように「本当に最後だよ」とつぶやき、この楽曲を情感豊かに歌い上げた。

本編が終わっても拍手は鳴り止まず、ライブはアンコールに突入。再びステージの照明が点くと、luzと奏音69が背中合わせでステージ中央に立つ。アンコールの1曲目で披露された「PLAY」は2人のデュエット曲として作られたもので、2人は息ピッタリのコンピネーションで声を合わせた。1曲歌い上げるとこの日初めてのMCに突入。ステージに上がらないイラスト担当のメンバー・RAHWIAの代わりのぬいぐみをステージに置いたluzと奏音69は、会場のある札幌をテーマにトークを展開した。2人はさらに3年振りのツアーを振り返り「こんなにたくさん待っていてくれる人がいてうれしい。ありがとうございます」とファンに感謝の言葉を述べた。奏音69は「今年で9周年。これからも楽しいことをお届けできるようにがんばりたい」と意気込みを明かす。さらにluzは「来年10周年で、ホールツアーをやろう！」と目標を語った。トークがひと段落したところでRoyal Scandalは最後に「クイーンオブハート（SISTER Edition）」をパフォーマンス。煌びやかな照明が会場内を照らす中、オーディエンスは何度も腕を振り上げて最後までRoyal Scandalの演奏を楽しんでいた。