「死ぬまで面倒見てくれよ!」結成25周年のMUCC、「是空」「朽木の灯」再現ツアーで躍進誓う

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MUCCのライブツアー「MUCC 25th Anniversary TOUR『Timeless』~是空・朽木の灯~」が、12月14日に神奈川・KT Zepp Yokohamaで千秋楽を迎えた。

「MUCC 25th Anniversary TOUR『Timeless』~是空・朽木の灯~」KT Zepp Yokohama公演の様子。(撮影:マツモトユウ)

「MUCC 25th Anniversary TOUR『Timeless』~是空・朽木の灯~」KT Zepp Yokohama公演の様子。(撮影:マツモトユウ)

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タイトル通り、バンドの結成25周年を記念して企画されたこのツアーの軸となったのは、MUCCが“ムック”名義で2003年に発表した「是空」および翌2004年にリリースした「朽木の灯」という2枚のアルバム。その世界観を再現すべく、メンバーは黒をベースとしたゴシックなメイクを施し、モノクロの衣装をまとって20年前に生み出した楽曲を次々と披露した。

逹瑯(Vo)(撮影:マツモトユウ)

逹瑯(Vo)(撮影:マツモトユウ)[拡大]

かつてのバンドロゴが赤いライトに照らされ、仄暗いステージにぬらぬらと浮かび上がる中でこの日のライブは幕を開けた。登場するなり恭しくお辞儀をしたミヤ(G)だったが、ギターを抱えた次の瞬間にはみぞおちを殴るような爆音でフロアを支配。YUKKE(B)がサポートのアレン(Dr)とともに破壊力のあるグルーヴを生み出したのに続き、逹瑯(Vo)がギラギラとしたオーラを放ちながら「茫然自失」を歌い始める。するとKT Zepp Yokohama内は20年前にタイムスリップ。夢烏(MUCCファンの呼称)は在りし日のライブハウスの光景を呼び戻すように、ヘッドバンギングの嵐で一体感を作り出した。

ミヤ(G)(撮影:マツモトユウ)

ミヤ(G)(撮影:マツモトユウ)[拡大]

当時の息が詰まるようなヒリヒリとした空気感を再現するように、メンバーはMCも休憩も挟むことなく怒涛の勢いで曲をプレイ。ライブの序盤ではこのツアーのために作られた新曲「空 -ku-」を、過去の楽曲を挟みつつ自然な流れで披露するひと幕もあり、結成から25年を経ても変わらないバンドとしての軸を証明していた。逹瑯が咽び泣くような声で絶唱した「遺書」、YUKKEのベースソロが光った「ガロ」、ミヤがかき鳴らす鋭利なフレーズが禍々しく響く「ぬけがら」と、ヘビーな曲が続き緊迫感が飽和したタイミングで、ハイボルテージなインストナンバー「2.07」が投下される。ここで逹瑯はマイクを置き、CO2ジェットガンを手にするとスモークを勢いよくステージのあちこちに噴射。ミヤとYUKKEも縦横無尽に動き回り、それまで場内に漂っていた重苦しい空気に風穴を開けた。

YUKKE(B)(撮影:マツモトユウ)

YUKKE(B)(撮影:マツモトユウ)[拡大]

「いこうか?」。ライブもいよいよ佳境というときに逹瑯は、喜びをにじませた声で目の前の夢烏を煽る。そして「騒げ!」と叫ぶと、「夢死」「名も無き夢」というパンキッシュなライブチューンを叩き込んだ。歓声を上げたり、シンガロングしたりはできないながらも、夢烏はそれぞれ与えられた場所で拳を突き上げ、体を揺らし、MUCCが放つ音を存分に体で楽しむ。逹瑯はそんな光景を前に「今日でツアーは終わっちまうな。でもまたこういう機会があったらやろうかと思うので。(今日は)なんらかの光を見つけて帰ってもらえたらいいなと思います」と柔らかく微笑んだ。しかし、そんな優しいムードが漂ったのも束の間。静寂の中で、逹瑯がポツポツと「9月3日の刻印」を歌い出すと場内の空気が徐々に張り詰めていく。曲の展開とともにその空気は凄絶さを帯び、夢烏たちの視線はステージに釘付けに。そしてこれ以上ないほどの緊張感の中で、逹瑯とミヤの断末魔のようなシャウトがフロアに轟き本編は終わりを告げた。

「MUCC 25th Anniversary TOUR『Timeless』~是空・朽木の灯~」KT Zepp Yokohama公演の様子。(撮影:マツモトユウ)

「MUCC 25th Anniversary TOUR『Timeless』~是空・朽木の灯~」KT Zepp Yokohama公演の様子。(撮影:マツモトユウ)[拡大]

「是空」「朽木の灯」のレコーディング時に使用していたミヤのギターが「9月3日の刻印」の演奏時に“ご臨終”してしまったハプニングや、2023年に入ってからも25周年企画が続くことをフランクな調子で語ったメンバーたち。「青き春」を経て彼らが披露したのは、リリースから20年が経った今もライブの定番曲として欠かせない「蘭鋳」だった。恒例の会場を巻き込んでの一斉ジャンプの前に逹瑯は、25周年を迎えた感慨を口にし、「2023年もこれから先もよろしく! 死ぬまで面倒見てくれよ!」と彼らしい言葉で活動を続けていくことを宣言。そして、「全員死刑!」とうれしそうに叫び会場を揺らしたあとには、ミヤとYUKKEとともにお立ち台の上で体を寄せ合う。そんな3人の姿をアレンと夢烏は、どこか温かな眼差しで見つめていた。

MCでも語られていた通り、MUCCのアニバーサリー企画は来年も続き、3~5月にアルバム「鵬翼」「極彩」を主軸にしたツアー、6~8月にアルバム「志恩」「球体」を主軸にしたツアー、10、11月にはアルバム「カルマ」「シャングリラ」を主軸にしたツアーが行われる。

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MUCC「MUCC 25th Anniversary TOUR『Timeless』~是空・朽木の灯~」2022年12月14日 KT Zepp Yokohama セットリスト

01. 茫然自失
02. 誰も居ない家
03. 空 -ku-
04. 路地裏 僕と君へ
05. 商業思想狂時代考偲曲
06. 濁空
07. 幻燈讃歌
08. 遺書
09. ガロ
10. ぬけがら
11. 儚くとも
12. 溺れる魚
13. 2.07
14. モノクロの景色
15. 夢死
16. 名も無き夢
17. 9月3日の刻印
<アンコール>
18. 青き春
19. 蘭鋳

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MUCC @muccofficial

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