LUNA SEAの未来・過去・今が1つになった2022年版「黒服限定GIG」にたまアリ熱狂

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LUNA SEAがインディーズ時代のLUNACY名義での企画ライブ「黒服限定GIG 2022 LUNACY」を12月17、18日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催。この記事では2日目の18日公演の模様をレポートする。

RYUICHI(Vo)(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)

RYUICHI(Vo)(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)

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「黒服限定GIG」はLUNA SEAがインディーズ時代に来場者のドレスコードを「黒服」に設定して行っていた企画ライブ。LUNACY名義での「黒服限定GIG」は2010年12月に東京・東京ドームで行われた「LUNACY 黒服限定GIG~the Holy Night~」以来12年ぶりの開催となった。なお本公演は前半と後半の2部構成で、転換休憩を挟む形で行われた。

「黒服限定GIG 2022 LUNACY」の様子。(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)

「黒服限定GIG 2022 LUNACY」の様子。(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)[拡大]

ライブの開始を待ちわびるのは会場を埋め尽くす黒服のSLAVE(LUNA SEAファンの呼称)たち。客席からの手拍子が大きくなったところで突如場内が暗転し、ステージ上部のミラーボールからは多数の青白い光が乱反射し始めた。そんな中、RYUICHI(Vo)のアカペラで始まったのは「SEARCH FOR REASON」。この曲は1989年に発表されたデモテープの頃から存在した楽曲で、SUGIZO(G, Violin)、INORAN(G)のメタリックなギターサウンド、J(B)のうねるベースラインなどが重厚に重なり合った。同曲の演奏は途中で終わり、続いて真矢(Dr)が鋭いビートを刻みつけて初期の名曲「FATE」の演奏を始めると、観客の興奮に呼応するかのように場内が揺れた。LUNACYは畳みかけるように「SLAVE」「MECHANICAL DANCE」と初期の人気曲を連投。さらに5人は「IMITATION」「SANDY TIME」という1991、2年頃の楽曲でストイックなパフォーマンスを見せつける。RYUICHIは「お前ら盛り上がってるか! アリーナ、飛ばしていけるか! お前らの本気を見せてくれるか!」と煽り、高速BPMの「CHESS」を投下。さらに1989年発表のデモテープ収録曲「NIGHTMARE」ではRYUICHIが渾身の歌声を響かせ、第1部を締めくくった。

SUGIZO(G, Violin)(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)

SUGIZO(G, Violin)(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)[拡大]

レア曲に沸いた第1部に続いて、第2部でLUNACYは最初期の楽曲と言える「KILL ME」を投下。王道メタルのような趣もある同曲で場内の興奮を高めてから、昨今のライブでも演奏されている名曲「Dejavu」へ。1992年の発表から長きにわたって歌われてきた「未来・過去・今 人々のドラマ シナリオはいつもDejavu」という歌詞が、多くのファンの胸に響く。そんな中、RYUICHIは「さいたまスーパーアリーナ、お前らの心の声を聞かせてくれー!」と観客に呼びかけて、ステージと客席の一体感を高めた。またMCで彼は「今日は30年前の過去に戻ってみたんだけど、過去には鮮やかな未来がありました。昨日と今日、さいたまスーパーアリーナは今、過去、未来がまさに1つになっている場所なんじゃないかな」と述べた。そんな言葉のあと、5人は30年以上前から存在するレア曲「SEXUAL PERVERSION」をプレイ。SUGIZOのギターソロのスタイルをはじめ、活動初期の楽曲ながらも昨今のLUNA SEAのスタイルに通じるアンサンブルでファンを沸かせた。ライブ終盤には「お前ら今日も最高だな! アリーナ! お前たちの思いをステージに届けてくれ! いいか! 飛ばしていくぞー! いくぞー!」というRYUICHI節が炸裂したあと、エッジィかつメランコリックな「SHADE」、そして第1部のオープニングを飾った「SEARCH FOR REASON」の後半パートが届けられた。RYUICHIの狂おしい叫びに合わせ、ステージに巨大な炎が立ち上った。

INORAN(G)(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)

INORAN(G)(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)[拡大]

アンコールを待つ間、客席ではライトを点けたスマートフォンが掲げられ、暗転中にも関わらず観客同士の顔が認識できるほどの明るさに。そんな明かりに導かれるようにSUGIZOがバイオリンを持ってステージに登場。バイオリンの即興演奏が終わるタイミングでほかの4人もステージへと上がり、5人は美しいバラード「MOON」をスマホのライトで光の海と化した客席に届けた。

J(B)(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)

J(B)(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)[拡大]

最後にはメンバー全員が挨拶。真矢は「俺は言わば(過去の自分の)コスプレみたいなもんだけど、真剣に遊んで楽しめるって最高じゃないか! お前らはずっとずっと、最高にカッコいいぜ!」とファンを褒め称え、Jは「バンド始めた頃に自分たちが自分たちらしくいるためにプランしたこの黒服限定のライブを、2022年にやれたのは最高ですね。提案があるんだけどさ……またやろうよ!」と発言。LUNACYとしてのみならずLUNA SEAとしても「黒服限定GIG」を行いたいと話し、「これって俺たちらしい企画じゃん! またそのときはめちゃくちゃやりましょう!」と観客に呼びかけた。

真矢(Dr)(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)

真矢(Dr)(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)[拡大]

続いてINORANはLUNACY名義のときは“話せない設定”のため、RYUICHIに耳打ち。RYUICHIは「INORANからみんなに……『愛してる』ってさ!」と代弁した。SUGIZOは「みんな本当にどうもありがとう。すっげえ感動してるんだ。今日は“漆黒の祭典”だったけど、光の日になった気がします。“過去が未来”と言ったけど、“闇が光”でもあるんだね。光に向かって旅を続けましょう! そして僕にも提案があります! CY(LUNACY)でツアーしようか?」とコメント。RYUICHIが「おやおや?」と反応を示す中、SUGIZOは「夢を一緒に見続けましょう。君たちはSLAVEじゃなくて、全員“セレブ”です。ありがとう、心から愛しています」と改めてファンを称賛した。最後はSUGIZOから「手術を終えて不死鳥のごとく舞い戻ってきたボーカリスト」として紹介されたRYUICHIが挨拶。「この2日間、幸せで最強な夜を過ごすことができました。みんな本当にどうもありがとう。提案があります!」とJのMCからの流れを汲みつつ、「もうくすぶってないで、来年は特別なことをやろうね、みんなで! ともにトンネルを抜けていくぜ、いいかい?」と呼びかけた。

「黒服限定GIG 2022 LUNACY」の様子。(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)

「黒服限定GIG 2022 LUNACY」の様子。(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史)[拡大]

RYUICHIの「お前ら全員かかってこい!」というアグレッシブな煽りから代表曲「WISH」が奏でられると、イントロで銀テープならぬ“黒テープ”が噴射されるなど、派手な演出とともにライブはクライマックスへ。RYUICHIが「来年は! 次は! 声出しライブやるぞ!」と宣言したあと、ラストソング「PRECIOUS...」になだれ込み、「黒服限定GIG」はドラマチックに終演を迎えた。RYUICHIの言葉通り、メンバーがステージを去ったあと、スクリーンでは5月27、28日に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで“声出し解禁ライブ”を開催することがアナウンスされた。

LUNA SEA「黒服限定GIG 2022 LUNACY」2022年12月18日 さいたまスーパーアリーナ セットリスト

第1部

01. SEARCH FOR REASON(前半)
02. FATE
03. SLAVE
04. MECHANICAL DANCE
05. IMITATION
06. SANDY TIME
07. CHESS
08. NIGHTMARE

第2部

01. KILL ME
02. Dejavu
03. SEXUAL PERVERSION
04. SUSPICIOUS
05. VAMPIRE'S TALK
06. SHADE
07. SEARCH FOR REASON(後半)
<アンコール>
01. MOON
02. WISH
03. PRECIOUS...

LUNA SEA LIVE 2023

2023年5月27日(土)東京都 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
2023年5月28日(日)東京都 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ

※「Dejavu」のeはアキュートアクセント、aはグレイヴアクセント付きが正式表記。

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【ライブレポート】LUNA SEAの未来・過去・今が1つになった2022年版「黒服限定GIG」にたまアリ熱狂(写真11枚)

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