「NiziU Live with U 2022 “Light it Up”」はNiziUにとって初の全国ツアー。8月13日の福岡公演を皮切りに、北海道、宮城、東京、大阪、愛知、兵庫の7都市にて計16公演が開催された。ワールド記念ホール公演は当初ツアーの初日を飾る公演となる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期され、愛知公演に代わりツアーファイナルのステージに。10月5日公演の模様は全国の映画館でのライブビューイングとStagecrowd、Huluストアほか各配信サイトでの生配信も行われ、全国のWithU(NiziUファンの呼称)が千秋楽を見届けた。
客席にはハリセン状の応援グッズ・クラッパーが配布され、開演前から観客はBGMとして流れるNiziUの楽曲に合わせてそれを叩いて、NiziUの登場を今か今かと待ちわびる。虹色のビジューがきらめく白い衣装をまとったNiziUの9人がステージ下からリフトアップで姿を現すと、WithUは大きな拍手で彼女たちを迎え入れた。オープニングナンバーに選ばれたのは「虹の向こうへ」。そして「Baby I'm a star」「Boom Boom Boom」と、NiziUを生み出したオーディションプロジェクト「Nizi Project」のファイナルステージで披露された楽曲が3曲続いた。「Nizi Project」から彼女たちを応援していたWithUは、すっかりプロのアーティストとなったメンバーの磨き上げられたパフォーマンスを食い入るように見つめる。
曲中のカリスマ性あふれる表情とは打って変わり、再びライトに照らされたNiziUは満面の笑顔で「神戸の皆さん、こんばんはー!」とまず挨拶。MIIHIは「こうして神戸の皆さんに会えて本当にうれしいです!」、RIKUは「みなさん今日はとことん盛り上がっていきましょう!」と客席に呼びかけた。
「Sweet Bomb!」「Joyful」とアップテンポな楽曲が続いたあとは、メンバーが順に挨拶。MAKOは「とうとうこの日が来ましたよ、皆さん。もう本当に寂しいんですよ……。まだ泣かないですよ?(笑) 本当に長い間お待たせしました!」と千秋楽を迎える寂しさをにじませる。続いて子供がアカペラで口ずさむ歌声が響くと、縄跳びダンスが一世を風靡し、NiziUの名を世に知らしめたプレデビュー曲「Make you happy」へ。スクリーンには9人の幼少期のあどけない写真が次々に映し出され、RIKUはさつまいも、MIIHIはうさぎのぬいぐるみといったように幼き日の姿をなぞるアイテムを手にキュートに踊りきった。その後もNiziUは「Poppin' Shakin’」「I AM」とアッパーチューンを畳みかけ、MAYAは曲中で「Let’s get it!」と煽りを入れて盛り上げた。
9人そろって光に向かって突き進んでいくVTRが流れると、ピンクベージュの衣装にチェンジしたNiziUがバックダンサーを従えて登場。光るステッキを手にして群舞を繰り広げて祝祭感あふれる「FESTA」を披露したあとは、パワフルなダンスと弾けるような笑顔で「Wonder Dream」「Super Summer」をWithUへ届ける。RIOは「本当に本当に暑いですね! まだまだ『Super Summer』でございます。ツアーが始まったのは夏だったんですけど、もう秋になっているということで。私たちと一緒に最高の夏にしてくれて、WithUありがとう!」と感謝を伝えた。
また11、12月に初のドーム公演が控えていることについて、MAKOが「デビューして2年目なんですけど、ドーム公演ができる実感がまだなくて。私たちでもできるよね?」と不安げにメンバーの顔を覗き込むと、メンバーは「できるよ、WithUがいるもん」とお互いを鼓舞。そしてNINAの「ペンライトを高く揚げて聴いてください!」という呼びかけで始まったのは「Twinkle Twinkle」。上昇していくセンターステージの上でメンバーが左右に手を振るのに合わせて客席のペンライトも揺れ、星空のような光景が生み出されて感動を誘った。
ここからはメンバーがそれぞれの魅力を見せるユニットステージへ。まずMAKO、RIO、MAYA、AYAKAのダンスユニットはアリアナ・グランデ、ジェシー・J、ニッキー・ミナージュによる「Bang Bang」を鋭い眼差しでカバー。RIOはキレのいいソロダンスで魅了した。そしてピアノの旋律が鳴り響くと、静まりかえったセンターステージに、ボーカルユニットのRIKU、MIIHI、NINAが姿を現す。彼女たちがカバーしたのはミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」の楽曲「Never Enough」。NiziUの楽曲とは一味違うバラードナンバーを、3人は繊細なハーモニーを交えつつ伸びやかな声で歌い上げ、歌姫としての実力を惜しみなく発揮した。ラップユニットのMAYUKAとRIMAは、自分たちで歌詞を書き上げたというラップナンバー「Take it」をパフォーマンス。自分たちの実体験が込められているというリリックを、2人は掛け合いながら堂々と繰り出した。
ステージ中央の扉が左右に開くとピンクの巨大な船が中央から現れ、そこに9人全員が乗船して登場。ペンライトや双眼鏡を手に、メンバー同士がじゃれあいながら「Short Trip」を歌い上げた。そしてガールクラッシュ感のあるビジュアルと激しい曲調でNiziUの新基軸を打ち出した最新シングル「CLAP CLAP」では、観客がクラッパーを鳴らして場内が一体に。中盤でNINAが高音をロングトーンで響かせると、ボディパーカッションを取り入れたダンスブレイクへ突入し、音源とは異なる大胆なアレンジでWithUを圧倒した。
MAYAが「ユニットステージ、どうでしたか?」と尋ねると、観客は大きな拍手で応える。ダンスユニットについてRIOは「4人それぞれ得意なものやダンスの見せ方が違って、お互い学び合い、高め合いながら練習できて、大満足のステージになりました」としみじみ語り、AYAKAは「後半に目をお互い合わせるところで、エネルギーをすごくもらえる」と微笑む。MAKOは「私はRIOのソロダンスを見ながらすごくエネルギーをもらいました。RIOに拍手を!」と称賛した。ボーカルユニットについては、MIIHIが「歌で魅せる曲だと思ったので、歌でどれだけWithUの皆さんに感動を与えられるかを話し合いながら準備をしてきました。皆さんの心に少しでも残ってくれたらいいなと思います」とコメント。そして作詞を手がけたラップユニットの楽曲について、RIMAは「私たちのストーリーを書いていて。最初は自信がなかった女の子がどんどん自信を得て自分磨きをする、自己肯定感アゲアゲな曲です。この曲を聴いて自分自身を大好きになってあげてください!」と、歌詞に込めた思いを明かした。
「ASOBO」「Chopstick」ではNiziUの公式キャラクター「NIZOO」がミュージックビデオを再現するようにかわいらしく踊る映像がスクリーンに投影され、メンバーとコラボレート。そして本編のラストを飾った「Take a picture」のパフォーマンス前には、メンバーが自撮り棒を手にステージを練り歩き、さまざまなフィルターを使って撮影を楽しむ姿も見られた。
アンコールに入る前にはNiziUからWithUへ「WithUのパワーがもっともっと欲しいです!」とさまざまなミッションが課される。選ばれた観客は順にスクリーンに映し出され、出題されたクイズやダンスなどをクリアしていった。アンコールではバラードナンバーを続けて披露したNiziU。メンバー間の絆を描いた「9 colors」では、9人は目を潤ませながら歌い上げる場面も。デビュー曲「Step and a step」は前半がしっとりとしたアレンジで披露され、「一歩ずつでいい、自分らしく歩いていこう」という歌詞のメッセージを9人が心を込めて届け、WithUの涙を誘った。
最後にメンバーが1人ひとり、千秋楽を迎えた思いを伝えていく。RIKUは「2カ月間、感覚的にはあっという間で、今もまだ最後だと信じられてないんですけど、楽しくて幸せな時間でした。それを感じさせてくれたのはWithUの皆さんです」と伝え、さらにメンバーへの思いを語り出すと、思わず涙が込み上げてきてしまう。「楽しいときも幸せなときもつらいときも、ずっと隣にいてくれて、一番の味方でいてくれて……今日までみんなと突っ走ってこれたのはこのメンバーだったから。それくらい大好きだなって思います。ありがとう」と愛情たっぷりに語った。AYAKAは「たくさんの人に愛されることはとても難しいことだと思うんですけど、たくさんの人じゃなくても、WithUの皆さんにこれからもずっと愛してもらえるような、そんな資格がある人になりたいなと思います」と凜とした表情で述べ、「これからもたくさんツアーをやると思いますので、待っていてください」と再会を誓った。
MAYAは「私はこれが終わりじゃなくて、今日からがスタートだと思います。これからもっといろんな舞台に立ったりできると思うんですけど、このツアーで素敵なスタートを胸を張って切ることができたので、これからも自信を持って前に進んでいけるなって心から思いました」と自信に満ちた表情で語り、「皆さんには誰よりも幸せでいてほしいので、これからも私たちについてきてくださったらうれしいです」と思いを伝える。RIOはツアーの初日の福岡公演を振り返りながら、「先が見えなくて不安で、応援してくれる人がいるかわからなかったことを初日のMCで話してボロボロ泣いたことがあったんですけど、いろんな都市を回らせていただいて、そんな不安や心配を全部WithUが吹き飛ばしてくれたんです。それがどれだけ私たちにとってありがたいことか。9人の未来を見せてくれて、私たちの居場所を確保してくれてありがとうございます」と、このツアーが自身にもたらした変化に感謝していた。
リーダーのMAKOは「たくさんのWithUの皆さんが応援してくださって、素敵なグループにいることができて、リーダーを務めることができて、誇りに思っています。七夕のお願いで『ツアーが大成功しますように』って書いたんですが、それが叶いそうです!」と笑顔を浮かべる。MAYUKAは毎公演客席のWithUと撮影してきた集合写真をアルバムに集めていると言い、「今日やっとそのアルバムが完成します。16個目が埋まってしまうと言うことで寂しい気持ちはあるんですけど、幸せな時間をありがとうございました」とコメント。そして周りの8人にも、「みんなとやからがんばれたし、これからも一緒にがんばっていこうね」とメンバー愛たっぷりに思いを伝えた。最年少のNINAは「ツアーの前には知らないことや未経験だったこともあったんですけど、たくさんのことを学べて、たくさんの思い出を作れましたし、本当に幸せで楽しい経験でした。WithUに会うために9人で走ってきたんだなって、達成感を感じることもできました」と胸の内を明かし、英語でも流暢に挨拶した。
「ツアーを通してたくさんの初めてを経験することができたんですけど、正直、この『初めて』に慣れる日が来るのかな?って思ってたんですね」と口火を切ったMIIHI。「でも毎公演が初めてのように楽しくて、素敵なパフォーマンスをできたんじゃないかなと思います。16公演、人生で一番幸せでした。ドームでももっと成長した姿をお見せできるようがんばるので、待っていてください」と意気込んだ。RIMAは「ステージの上に立っているのが本当に楽しくて、WithUの皆さんの前にいるのが本当に楽しくて。私の夢はこれでした。本当に幸せです。これからもWithUの皆さんの素敵な人生に大きな虹が毎日かかるように、NiziUもNiziUらしくがんばって上に行きたいと思います」と述べ、RIMA語の「わっぴーわっぴー」に合わせて観客にペンライトを上げてもらうというツアー恒例のやりとりを最終日も展開。その光景を見て「感動するう……でも泣かないもん!」と笑顔で締めくくっていた。
これまでの公演と同じく、客席を背にメンバーが記念写真を撮ろうとすると、NiziUの目の前のスクリーンに映像が映し出され始める。それはWithUからのサプライズで、何人ものWithUがファンソング「Need U」を歌い上げる映像と、「こうして会えて 9人の輝く姿を見ることができて 一生の思い出になったよ」というメッセージが、メンバーに届けられた。NiziUはそれまでこらえていた涙があふれ出してしまった様子で、全員が号泣。さらに振り返った客席のWithUの手には、「Always be with U」と書かれたスローガンが。9人は「WithU、こんなことしちゃダメじゃんー!」「泣かないつもりだったのに」と感動した表情で「サプライズ本当にありがとうございます。WithUが本当に大好き!」と心からの感謝を伝えた。結成から2年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で有観客ライブをなかなか行えない状況が続いたNiziU。サプライズへのお返しをするように、今度はメンバーが「Need U」を、「キミの街へ 会いに行くよ」「会えない時を超えて」と自身の心をそのまま表しているかのような歌詞に心を込めて歌い上げた。
フィナーレを飾ったのは「Make you happy」「Take a picture」「Poppin’ Shakin’」「CLAP CLAP」と、代表曲を詰め込んだぜいたくなメドレー。9人はステージを駆け回り、終幕を惜しむように四方八方のWithUに手を振り続け、充実感に満たされた表情を浮かべながら、ピンクの船に乗り込んでステージを去っていった。終演後にはスクリーンにて、NiziU初のウインターバラードを収録した4thシングル「Blue Moon」が12月14日にリリースされることが告知され、WithUを沸き立たせた。
「NiziU Live with U 2022 “Light it Up”」2022年10月5日 ワールド記念ホール セットリスト
01. 虹の向こうへ
02. Baby I'm a star
03. Boom Boom Boom
04. Sweet Bomb!
05. Joyful
06. Make you happy
07. Poppin' Shakin’
08. I AM
09. FESTA
10. Wonder Dream
11. Super Summer
12. Twinkle Twinkle
13. Bang Bang(MAKO / RIO / MAYA / AYAKA)
14. Never Enough(RIKU / MIIHI / NINA)
15. Take it(MAYUKA / RIMA)
16. Short Trip
17. CLAP CLAP
18. ASOBO
19. Chopstick
20. Take a picture
<アンコール>
21. 9 colors
22. Step and a step
23. Need U
24. メドレー(Make you happy~Take a picture~Poppin’ Shakin’~CLAP CLAP)
佐野 慈紀 @shigekisano
【ライブレポート】NiziUが“会えない時を超えて”初の全国ツアー完走、WithUからのサプライズに全員号泣(写真12枚) https://t.co/IpwihPggZZ
読み応え抜群
やっぱり記者ってすごいなぁ。
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