緑黄色社会が結成10周年で初の武道館公演、満員の会場で鳴らした未来への希望

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緑黄色社会が9月16、17日に東京・日本武道館にてワンマンライブ「緑黄色社会×日本武道館 “20122022”」を開催した。

「緑黄色社会×日本武道館 “20122022”」の様子。(撮影:ハヤシマコ)

「緑黄色社会×日本武道館 “20122022”」の様子。(撮影:ハヤシマコ)

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今年で結成10周年を迎えた緑黄色社会。デビュー以降、順調にライブ会場のキャパシティを拡大し続けてきたリョクシャカだが、武道館でのワンマンライブはこれが初めてだ。4人は満員となった武道館のステージで2日間にわたり、のべ46曲を演奏。この記事では、9月17日に行われた2日目のライブの模様をレポートする。

「緑黄色社会×日本武道館 “20122022”」の様子。(撮影:ハヤシマコ)

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開演時刻を迎えると会場中の明かりが一斉に落ち、期待感の高まる場内にオープニング映像が流れ始める。温かい拍手に迎えられて長屋晴子(Vo, G)、小林壱誓(G)、peppe(Key)、穴見真吾(B)、サポートドラムの比田井修が姿を現すと、5人は「Alice」でライブの火蓋を切って落とす。続けて色とりどりの照明でにぎやかに彩られたステージから「merry-go-round」が届けられ、会場の温度はみるみるうちに上昇。「Bitter」のサビでは観客が長屋とともに左右に手を振り、一体感が作り上げられていった。長屋が「ここが武道館だよ。今日は私たちの音とみんなの気持ちで、この武道館をいっぱいにしたい。何も心配しなくていい。私たちに全部預けて。心の底からこの空間を楽しんで!」と観客に語りかけると、会場中の照明が一気に点灯。5人は眩い光に包まれながら「始まりの歌」を演奏し、武道館中を幸福感で包み込む。小林によるシャウトや、ステージの端まで全力で駆けながら鳴らされた穴見のベースサウンドなど、時にポップな楽曲の枠からはみ出すような、アグレッシブなパフォーマンスが続々と繰り広げられた。

長屋晴子(Vo, G)(撮影:ハヤシマコ)

長屋晴子(Vo, G)(撮影:ハヤシマコ)[拡大]

MCで長屋は「ずっとずっとこの日をまっすぐ目指して来ました。ここに立つことが決まった日から、みんながまるで自分のことのように喜んでくれて。一緒にこの日を目指してくれていたんだなと思って、温かい気持ちでいっぱいです。来てくれて本当にありがとう」と武道館のステージに立った心境を語りつつ、目の前にいる無数の観客に感謝を告げる。そのあとも、peppeが奏でるピアノの音色と上品なストリングスのサウンドが絡み合う「想い人」、客席前方の両サイドからしゃぼん玉が勢いよく噴射した「夏を生きる」、長屋がギターをかき鳴らしながら力強い歌声を響かせた「Shout Baby」など、音楽面でも演出面でも多彩なステージングを繰り広げる緑黄色社会。5人は念願の武道館でのライブを心の底から楽しんでいるような、晴れやかなムードのパフォーマンスを届け、観客の体を全力で揺らしていった。

「緑黄色社会×日本武道館 “20122022”」の様子。(撮影:ハヤシマコ)

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ライブの中盤でメンバー4人は、それぞれの心境を語る。「これからも音楽でみんなを笑顔にすることを約束します」と飾り気のない言葉で誓ったpeppe、「武道館という神聖な場所ですら飲み込んでしまうような圧倒的な演奏をしたいと思います」と強気な姿勢を覗かせた穴見、「なんの意味もなく付けた“緑黄色社会”というバンド名が、いろんな人のおかげで4人の枠を越えていった」と感慨深そうに語る小林と、それぞれの個性が滲んだMCに観客たちはじっと耳を傾ける。長屋の「こうして日の丸の下でライブができたことで、国民的な存在になりたいという夢にまた近付けた気がします。ここに連れて来てくれてありがとう」という言葉に続けて披露されたのは、4人がバンド結成当初に初めて一緒に音を鳴らしたという「マイルストーンの種」。この10年間での成長をまざまざと感じさせるようなスケール感のある演奏と歌声が、広々とした武道館のステージから放たれ、観客は全身を動かしながら5人の演奏を堪能した。

「緑黄色社会×日本武道館 “20122022”」の様子。(撮影:ハヤシマコ)

「緑黄色社会×日本武道館 “20122022”」の様子。(撮影:ハヤシマコ)[拡大]

その後5人は白のつなぎに衣装チェンジし、インスト曲「Actor」と軽快なポップチューン「キャラクター」で後半戦をスタート。「あのころ見た光」では過去のライブ映像が大型ビジョンに映し出されるという、この10年間の歴史の積み重ねを感じさせるような演出も。さらにライブ終盤に向けて「sabotage」「Mela!」とヒットチューンが怒涛の勢いで畳みかけられると、会場の盛り上がりは最高潮に達する。「Mela!」では小林と穴見がお互いに向き合いながら轟音を響かせ、熱気が充満した会場に金の紙吹雪が降り注ぐ。そして長屋は、初めてのライブでのエピソードを引き合いに出しながら「私たちを“武道館に立ったバンド”、それだけで終わらせないでください」とまっすぐな表情で力強く語り、「みんなともっともっと先の景色を見たい。同じ気持ちかな? どうかな?」と観客に語りかける。惜しみない拍手を送る観客に向けて、5人は最新曲「ブレス」を演奏。重厚感のあるアンサンブルをじっくりと届け、ステージを去って行った。

「緑黄色社会×日本武道館 “20122022”」の様子。(撮影:ハヤシマコ)

「緑黄色社会×日本武道館 “20122022”」の様子。(撮影:ハヤシマコ)[拡大]

鳴り止まないアンコールの拍手に応え、ライブは“ボーナスステージ”に突入。5人は、長屋の伸びやかな歌声が心地いい「またね」を軽やかに披露する。最後に長屋は、これまでの10年間を振り返り「自分がしてきた1つひとつの決断は間違いじゃなかったって、改めて自信を持って思えました。この2日間、すっごくいい景色を堪能させてもらえて、すっごく楽しかった。バンドって超楽しい、音楽って超楽しい。まだまだ10年先ももっと先も、大きい景色を目指していきたいなって思いました。これからもよろしくお願いします」と万感の思いを滲ませながら言葉を紡ぐ。そしてラストに5人が演奏したのは「これからのこと、それからのこと」。ライブ中にたびたび語られた言葉を体現するかのように、5人は最後まで未来への希望を懸命に鳴らし、晴れ晴れとしたパフォーマンスで武道館公演の幕を下ろした。

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「緑黄色社会×日本武道館 “20122022”」2022年9月17日 日本武道館 セットリスト

01. Alice
02. merry-go-round
03. Bitter
04. 始まりの歌
05. アウトサイダー
06. 陽はまた昇るから
07. 愛のかたち
08. inori
09. 想い人
10. 夏を生きる
11. Shout Baby
12. マイルストーンの種
13. 時のいたずら
14. Re
15. Actor
16. キャラクター
17. S.T.U.D
18. あのころ見た光
19. sabotage
20. Mela!
21. ブレス
<アンコール>
22. またね
23. これからのこと、それからのこと

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