首洗って待ってろ!HYDEが獣のように絶唱し、フロアに狂乱を生み出した籠城ライブ

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HYDEが東京・Zepp Haneda(TOKYO)を舞台に計6日にわたって展開していた「HYDE LIVE 2022」が、9月11日をもってフィナーレを迎えた。

HYDE(撮影:石川浩章)

HYDE(撮影:石川浩章)

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6月から8月にかけて対バンツアー「RUMBLE FISH」を全国6都市で開催する一方で、「SUMMER SONIC」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」という大型フェスにも出演するなど精力的な活動が続いていたHYDE。今月に入ってからは、かつてZepp Tokyoで行っていた“籠城ライブ”を対バンツアーの追加公演を皮切りにZepp Haneda(TOKYO)で繰り広げていた。なお、今回の“籠城ライブ”では全公演に収録カメラが入ったほか、2階席ではライブの撮影が許可されるという異例の措置が取られ、ファンがカメラマンとしても活躍。各公演後には観客が撮影したさまざまな映像や写真がSNSをにぎわせた。この記事では全国の映画館でライブビューイングが行われた10日のセミファイナルと、観覧エリアを男女別に分けて実施された最終公演の「BEAUTY&THE BEAST」の模様をレポートする。

9月10日公演

フロアは満員、2020年にオープンしたZepp Haneda(TOKYO)史上初の100%収容のフルキャパが入り、大盛況となったこの日。コロナ禍のため客席からざわめきは聞こえないものの、これから始まるライブに向けての期待を込めた熱気が立ち上る。刻一刻と開演時刻が近付く中、セットの後方に設置された巨大なLEDスクリーンに「666」の数字が浮かびカウントダウンがスタートした。「000」になった瞬間にいよいよ主役のHYDEが登場する……観客がそう思いながら視線をステージの中央に向けていると、突如スクリーンに仮面姿のHYDEのアップが映し出され観客の度肝を抜いた。不意を突く形で現れた彼は、画家の井上文太がペイントを施したアーティスティックな部屋の中で、玉座に肘をつき禍々しく圧倒的な存在感を放ちながら「SET IN STONE」を披露。ラストでHYDEが銃に見立てたマイクを口にくわえ、自らを撃ち抜く仕草をした瞬間、銃声とともにスクリーンが深紅に染まった。

「HYDE LIVE 2022」Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:石川浩章)

「HYDE LIVE 2022」Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:石川浩章)[拡大]

衝撃的なオープニングを経て、今度はスクリーンに近未来の東京をイメージした架空都市「NEO TOKYO」の姿が浮かび上がる。続いてHYDEが4人のパフォーマーが担ぐ神輿の玉座に構えステージへ登場。そのまま「LET IT OUT」を披露。バンドメンバーのアジテーションに応えるように、観客はそれぞれの場所で拳を突き上げ、ステージから放たれる爆音に身を委ねた。その後、神輿から降りたHYDEは「AFTER LIGHT」「DEFEAT」といった、攻撃性をあらわにしたハードロックチューンをノンストップで投下。タイトなバンドサウンドに乗せてグロウル混じりのボーカルを響かせ、会場を狂乱に導いていく。

HYDEの凄味のあるパフォーマンスだけでなく、この日のライブで特徴的だったのは、曲に合わせて天候や景色を変える解像度の高い「NEO TOKYO」の街並みと、会場全体を巻き込んだ照明演出。集まった観客も演者の1人として扱うように、色とりどりのライトがフロアを照らし、ライブがアーティストと観客によって作られることを改めて証明していた。

HYDE(撮影:石川浩章)

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中盤で「THE ABYSS」が静謐でダイナミックな世界を描き出し、ひとときの安らぎめいた時間を作り出したのも束の間。今度はエッジの効いたシンセとビートが観客を踊らせる「INTERPLAY」や、HYDEがハイトーンのシャウトを轟かせるヘヴィメタルテイストの新曲「PANDORA」が叩き込まれ場内の盛り上がりは加速した。その景色を前にHYDEは「今日は僕の狂った芸術をお見せしたいと思います」と笑みを浮かべる。Zepp Haneda(TOKYO)誕生以来初めてのフルキャパシティでの公演ができていることに触れ、コロナ禍においてエンタテインメントを愛する人たちの努力の積み重ねによって叶ったと口にした。「俺たちが(この場所を)取り戻したんだ! 何もわかってない外野は引っ込んでろ!」。怒号混じりにそう言い放った彼は、稲光が走る「NEO TOKYO」の景色の前で「MAD QUALIA」を激しく歌い上げる。キーボーディストがCO2を噴射する中、スピーカーの上に上がり「もっとおかしくなるところを見てみたい」と観客に一斉に回るように指示して一体感を作り出した。

拡声器を手にひたすらアジテートする「SICK」を皮切りに、「ANOTHER MOMENT」「6 or 9」「LOVE ADDICT」と新旧のライブ映えするナンバーでオーディエンスのテンションを存分に引き上げたHYDE。「ホント、最高」「やっとここまで来て、この景色を見れてうれしい」と会場を見渡した彼は、年内最後のステージが来週の「氣志團万博」であることを告げる。「次に僕がステージに立つときはみんなで一緒に歌いたいな。人生は思ったより短いので、自分が楽しいことをやって駆け抜けたいと思う今日この頃」と自身の未来に思いを馳せ、「まだ間に合う 諦めはしない」「まだ知らない僕へと 会いに行きたい」と歌う「BELIEVING IN MYSELF」につなげた。

「HYDE LIVE 2022」Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:石川浩章)

「HYDE LIVE 2022」Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:石川浩章)[拡大]

ライブの終盤にふさわしい穏やかな余韻が漂ったのも一瞬のこと。水を張ったフロアタムが特徴のドラムセットの前に、キーボーディストがスタンバイする。そして「さあさあ、お楽しみはここからですよ。全部出し切って!」と不敵な笑みを浮かべたHYDEはギアをトップに入れ、闘争心を剥き出しに。獣のようなボーカリゼーションで「UNDERWORLD」を歌い出した。まるでライブが始まったばかりのような勢いのプレイに呼応するように、観客も大いに盛り上がり狂騒に拍車をかける。フロアの熱気を受けて、HYDEとバンドメンバーのプレイも奔放さを増し、ステージ上は制御不能の状態に陥った。

「悔いを残すな! 常に今の連続でしかない。明日の心配はするな。俺に任せろ」。力強くそう言い放ったHYDEは、ラストナンバーの「MIDNIGHT CELEBRATION II」を絶唱。赤く染まった「NEO TOKYO」を背に、バスドラムの上に横たわり艶かしい視線を観客に送ったかと思えば、シンバルを何度もお立ち台に叩き付け、頭から水を被りびしょ濡れになりながら「目に焼き付けておけ、俺たちが作った光景を」と咆哮する。狂気すら感じさせるそのパフォーマンスを、オーディエンスの脳裏とステージに刻み付けていた。

9月11日公演

前日と同じセットリスト演出で行われた最終公演だったが、HYDEやバンドメンバーの演奏はもちろん、会場の空気も異なるものに。コロナ禍前の「BEAUTY&THE BEAST」のように“BEAST=男性客”たちの野太い歓声が聞こえこそしないが、ライブが始まるや否や力強いクラップが響き、フロアのあちこちで拳が力強く挙がる。HYDEの歌声にも前日以上に力がこもり、熱気がライブハウスを満たした。「ON MY OWN」ではヘッドバンギングの嵐が巻き起こり、熱を孕んだ風がステージに向かって吹く。その様子を2階席の“BEAUTY=女性客”たちは見守りつつ、目眩くHYDEの姿をカメラに収めた。

HYDE(撮影:石川浩章)

HYDE(撮影:石川浩章)[拡大]

この日も、オープニングから9曲目の「PANDORA」まで一気に駆け抜けたHYDEは、「今日は拍手が重い! ちゃんと伝わってるぜ、素晴らしい」「本当だったら(フロアが)ぐちゃぐちゃになってるけど、一応ルールがあるから……それでも存分に暴れてもらうからな」と観客を挑発。配信を楽しむ全世界のファンに向けても盛り上がるように訴えかけ、フルスロットルのステージングを繰り広げる。「いいねえ、楽しんでるね。精力があり余ってるでしょ?」。そんなHYDEの煽りがトリガーとなったのか、観客はそれぞれの場所で存分に暴れまくる。しかし、HYDEは「まだいける? すごいパワーを感じる。でも出し惜しみをするな、常に全開でいこうぜ」と貪欲に要求し続け、会場全体のボルテージをどこまでも高めた。

HYDE(撮影:石川浩章)

HYDE(撮影:石川浩章)[拡大]

今年最後のワンマンライブであることを受けて、HYDEは「寂しい」とこぼしながら「RUMBLE FISH」の対バン相手たちとの熱戦を振り返る。「ワンマンだったらここまではできなかった」とさまざまな刺激を受けたことを口にし、当初は予定していなかったZepp Haneda(TOKYO)での籠城ライブを開催することになった経緯を明かした。また長いキャリアの中でさまざまな挑戦をしてきた彼だが、主戦場であるライブへの思いは尽きないようで「何年あっても足りない……ライブに関してはやりたいことがある。もっとクレイジーなライブをやりたい」と野心をのぞかせた。

「HYDE LIVE 2022」Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:石川浩章)

「HYDE LIVE 2022」Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:石川浩章)[拡大]

まるでその言葉を表明するように、「UNDERWORLD」で突入した終盤のブロックではHYDEを筆頭にステージ上の全員がリミッターの外れたパフォーマンスを展開。ライブの定番曲として欠かせないSlipknot「DUALITY」のカバーではHYDEが拡声器を手にアジテートする。さらに金属バットを握り樽型のパーカッションを乱打したかと思えば、ドラムセットに突っ込み、獣のようにシャウトを轟かせ前日以上に猛り狂い、観客に投げかけた「出し惜しみはするな。悔いを残すな」という言葉を体現してみせた。そしてラストナンバーの「MIDNIGHT CELEBRATION II」が始まるや否や、HYDEはスピーカーの上によじ登り、「今やらないでどうするんだよ?」と観客を焚き付け獰猛なボーカルで絶唱。これ以上ないほどのカオスな状況の中、最後にHYDEは「I love you. We love you guys」「また帰ってくるから……首洗って待ってろ」と愛おしそうな表情で再会の約束をオーディエンスと交わす。そして充実した笑みを浮かべて、刺激に満ちた「HYDE LIVE 2022」に幕を下ろした。

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HYDE「HYDE LIVE 2022」2022年9月10日&11日 Zepp Haneda(TOKYO)公演セットリスト

01. SET IN STONE
02. LET IT OUT
03. AFTER LIGHT
04. DEFEAT
05. FAKE DIVINE
06. ON MY OWN
07. THE ABYSS
08. INTERPLAY
09. PANDORA
10. MAD QUALIA
11. SICK
12. ANOTHER MOMENT
13. 6 or 9
14. LOVE ADDICT
15. BELIEVING IN MYSELF
16. UNDERWORLD
17. DUALITY
18. BLOODSUCKERS
19. MIDNIGHT CELEBRATION II

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読者の反応

chie_zou🌈 @_SellmySoul_

@natalie_mu @HydeOfficial_ どれも素敵なお写真😍参戦したライブを思い出します❤️早くもロス感ハンパない🤣早く私達の前に戻って来てください🫠🫠

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