昨年6月に韓国でデビューし、8月24日にリリースされたミニアルバム「Stand Up!」で日本デビューを果たした11人組ボーイズグループ・OMEGA X。今回の公演は彼らにとって初めての日本ワンマンライブで、メンバーにとってもFORX(OMEGA Xのファン呼称)にとっても、忘れられない1日となった。
開演時間が過ぎて客席の期待が渦巻く中、ステージが暗転し11人が登場。観客の前に姿を現すやいなや、グループ名を冠した「OMEGA X」の日本語バージョンで公演の幕を開ける。「やっと日本に来れました!」とセビンが眩しい笑顔で客席を見渡すと、テドンが「最高の笑顔、マスク越しにも見えていましたよ」と優しく微笑み、「どうしても日本に来たかったんです」とジェンは目を細めながらFORXに向けて語りかける。メンバーたちは、我先に、と言わんばかりに日本のFORXで埋め尽くされた豊洲のステージに立てたことへの喜びを口々に表明していた。
「この日のためにたくさん準備してきました。期待しててください」と、パフォーマンスへの期待感が高められると、韓国デビュー曲「VAMOS」のイントロが流れ出す。11人は荒廃した街並みが描かれた映像をバックに挑発的な表情で激しいパフォーマンスを見せ、場の空気は一変。続く「LOVE ME LIKE」ではパワフルなラップを響かせながら情熱的な歌とダンスで貫禄を見せつけていた。
MCタイムに突入すると、会場の雰囲気は途端に柔らかく、和やかに。今回のライブでは、日本のFORXが事前にリクエストした「日本公演で披露してほしい楽曲」がセットリストに反映されていたそうで、セビンが「お届けした曲はみんなの聴きたかった曲でしたか?」と客席に投げかけると、会場のFORXたちは割れんばかりの拍手で応えていた。
「今回ダンスや歌、そして日本語も完璧に勉強してきました」とセビンが話した通り、OMEGA XのメンバーたちによるMCの大半は、通訳に頼らず日本語で繰り広げられた。「皆さんの元気の源、セビンです」「FORXたちの“好きピ”、ジェンです!」「ラーメン、つけ麺、僕イケメン、フィチャンです!」「本当にセクシーなハンギョムです」「かわいい牙を持ってるジェハンです!」と個性豊かな自己紹介を茶目っ気たっぷりに次々と繰り出していくメンバーたち。また「万能で完璧な末っ子!イェチャンです!」と高らかに挨拶したのち、「待っててくれてありがとうございます。愛してる」と優しい声色で愛を囁いたイェチャンのように、会場に向けて甘い言葉を惜しげなく伝えていくメンバーもいた。
11人の中には初めて日本を訪れたメンバーもいるとのことで、日本語が堪能なセビンはメンバーたちに「日本でやりたいこと」を尋ねていく。ジェンが「写真をいっぱい撮りたい」ケビンが「メンバーと一緒に温泉」、テドンが「ポケモンセンター」などと語る中、ヒョクが挙げた「ゴールドジム」という意外な回答にざわつく会場。セビンから「皆さん、ゴールドジムって知ってますか?」と質問されたFORXたちが、メンバーに向けて大きく頷いてみせると、11人は「おおー」と声をそろえて感嘆し、客席の笑いを誘っていた。その後も「彼は日本の歌をたくさん練習してきたんです」と紹介されたジェハンが米津玄師の「Lemon」をロマンチックに歌い上げたり、それを見たイェチャンの呼びかけによってメンバー全員で優里の「夏音」を熱唱したり、フィチャンがONE OK ROCKの「Wherever you are」で客席を指差しながら歌声を響かせたりして、ありとあらゆる方法でファンを喜ばせていた。
フレンドリーな空気を一変させる「WHAT's GOIN' ON」のパフォーマンスを終えると、今回の来日に向けて、韓国で懸命に練習に励む11人の姿を記録した映像がモニタに映し出される。メンバーたちは、カメラに向けてはにかみながら「ステージをかわいく構成してみました」と明かしつつ、「海外のファンの皆さんについに会える」「がっかりさせないように、ベストな姿を見せたい」と今回のライブに懸ける並々ならぬ思いを語っていた。その後はリリースしたばかりの日本デビューシングルより、清涼感あふれる「Stand up!」「luv'em」が2曲続けてノンストップで披露され、会場のボルテージは急上昇。この2曲は撮影が可能な楽曲であったため多くのオーディエンスがカメラを構えていたが、FORXたちはスマートフォンを構えながらも、11人とアイコンタクトし、画面越しでなくしっかりと肉眼で彼らのパフォーマンスを目に焼き付ける。そんな客席を見渡してメンバーたちも愛おしそうに笑顔を向けるなど、幸せな空気感が会場を包み込んでいた。
曲を終えると、明るく和気あいあいとした雰囲気のままトークコーナーへ。ここでは、メンバー同士で訪れた焼肉店などでの様子やメガドンキの前に置かれた犬の銅像との集合写真など、今回の来日でのオフショットが公開された。スニーカーショップの前で頭を抱える写真を「絶望」と名づけ公開したイェチャンは、「めちゃくちゃ買い物したかったけど、早くお店が閉まってしまうので仕事が終わる頃には閉店していて……」と悔しそうに話し、限られた時間の中でも日本での時間を楽しもうとする彼らの素顔が垣間見えた。
「自信作で、最高のバラードです」と紹介された「i'm sorry」が力強く歌い上げられると、ステージの袖から彼らの楽曲をプロデュースしたASHが大きな花束を抱えてサプライズ登場。「(OMEGA Xは)日本でも韓国でもデビューしたばかり。みんなで力を合わせて世界を目指していきましょう」と一礼すると、メンバーたちも「世界征服しましょう!」と力強く反応していた。ハンドルを切る振付が印象的な「Drive」のパフォーマンスを終えると、MC中に「この、手を使った振りだけは必ずやってほしいです!」とジョンフンがFORXたちに振付をレクチャーした「#BRB」がスタートする。ペンライトを振りながら伝授された振付をばっちりこなすFORXを見て、メンバーたちはパフォーマンス中にも客席のあちこちに視線を向け、うれしそうな表情を浮かべていた。
制服風の衣装からラフな服装に着替えて登場したアンコールで披露されたのは、くるくるとフォーメーションが変わるキュートな振付の「PLAY DUMB」。彼らはアドリブで客席に向けてファンサービスしたりケビンが持ち上げられたりするなど、FORXたちを熱狂させていた。 「ALL ABOUT U」のパフォーマンスを終えたメンバーたちは「ここが全部埋まると思わなかった(ジェン)」「たくさんの方々からの応援に感動しました(フィチャン)」と晴れやかな表情で喜びを噛み締める。テドンは「俺のターン……」と呟きつつ、「体は離れていても、僕たちいつも一緒だから。みんな大好きよ」と全身でハートを作り、ジェハンは「ほんっとうに皆さんに会いたかったんですよ」、ヒョクは「幸せで泣きそうになりました。またすぐに会いにいくので寂しがらないでください」、ジェヒョンは日本語で「みんな本当に愛してる」と声をかけるなど、それぞれが客席に向けて温かい眼差しを送っていた。ジョンウンは「正直、こんなにたくさんの人たちが来てくれるなんて思ってなかったんです」と感慨深げに語ったのち、「また絶対に日本に来なきゃいけないと思いました」と力強く言葉を紡いだ。ケビンは9月からスタートする、南米4カ国6都市とアメリカ12都市を巡るライブツアーに言及し「僕たちはアメリカツアーに行ってきます」と報告。「パワーアップして帰ってきます、楽しみにしててください」とより成長した姿での再会を約束した。
ラストナンバー「FOR BABY」を終えると、名残惜しそうにFORXたちとアイコンタクトをするメンバーたち。彼らはステージの端から端まで移動し、大きく手を振りながら「また会おうね!」と笑顔を弾けさせ、ステージの幕を下ろした。
「OMEGA X 1st JAPAN TOUR 2022『Stand up!!』」2022年8月31日 チームスマイル・豊洲PIT セットリスト
01. OMEGA X (JP ver. )
02. VAMOS
03. LOVE ME LIKE
04. WHAT'S GOIN' ON
05. Stand up!
06. luv'em
07. i'm sorry
08. Drive
09. #BRB
10. PLAY DUMB
11. ALL ABOUT U
12. FOR BABY
リンク
J_ROCKNews @J_ROCKNews
OMEGA Xが日本で本格始動!アメリカツアーへのバトンつないだ悲願の初ワンマン https://t.co/Wdt2Sl8ldY